シノドス情報委員会のルッフィーニ委員長は21日の定例記者会見で、現在開催中の世界代表司教会議(シノドス)総会第2会期の最終文書の草案が同日の全体会合に提出され、全参加者に配布されたことを明らかにした。
また、25日午後 5 時からPalazzo San Calistoで、Athletica Vaticanaとバチカン文化教育省が主催する「スポーツ シノドス」が開催される、と述べ、「多くのシノドス参加者がこのイベントに申し込んでおり、アスリート (難民、パラリンピック選手、オリンピック選手) と平和と相互奉仕をテーマにした話し合いが行われる」と説明した。
また、情報委員会の ピレス事務局長は、「シノダリティ(共働性)を主題とする世界代表司教会議(シノドス)総会第2会期」が最終週に入った21日の討議について説明した。
この日は聖ペトロ大聖堂でのミサで始まり、シノドス事務局のグレック局長が説教で、「このシノドス総会は、『神の言葉をすべての人に宣べ伝えることを目的とした新たな始まり』とみなされるべきです」と強調した。続いて、351 名が出席した総会の全体会議の冒頭、ティモシー・ラドクリフ神父の指導で「自由と責任」をテーマにした瞑想がされ、次に総会文書総括責任者のオロリッシュ枢機卿から総会第2会期の最終文書の草案が発表された。
「provisional text(暫定テキスト」と説明されたこの草案は、「透明性の欠くためではなく、前向きな議論の雰囲気を維持するために機密性が必要」と枢機卿は強調。総会参加者の”共同作業”の結果であるこの草案は「総会での議論の成果であるだけでなく、豊富なプロセスを活用し、”シノドスの旅”のさまざまな段階で長年にわたって行われたすべての作業が組み込まれている」と語った、という。
ピレス事務局長は、「特別報告者と専門家は、発言を注意深く聞き、小グループからの報告を精査するために懸命に働いた」と述べ、神学者の貢献は「文書とフォーラムの両方にとって重要だった」と説明。21日の午後は、「小グループに分かれて真の”贈り物”を交換し、グレック・シノドス事務局長の言葉を借りれば、『最終文書の草案に目を通すことで浮かび上がった課題、将来への夢、内なる力学、新しい動機を共有』します。これは黙想を体験する新しいやりかたであり、おそらく馴染みのないやりかたです… したがって、21日は祈りと黙想、そして最終文書の草案の検討に充てられます」と説明した。
また、午前の全体会合は、メキシコのチアパス州サン・クリストバル・デ・ラス・カサスの近隣にあるクシュティタリ教区でミサの直後に殺害されたイエズス会のマルセロ・ペレス神父のために祈ることで終わりました」と付け加えた。
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この日の記者会見には、シノドス総会参加者会長のイタリア司教協議会のマッテオ・ズッピ枢機卿、シノドスの霊的顧問のティモシー・ピーター・ジョセフ・ラドクリフ神父(12月7日に枢機卿に昇格予定)、シノ007ドス事務局のシスター・ナタリー・ベッカー次長、ギリシャのビザンチン典礼カトリック大司教であるマヌエル・ニン・グエル大司教の3人がゲスト参加し、次のように発言した。
ズッピ枢機卿はシノド全体を通じての対話の経験を振り返り、対話は「手段ではなく、教会そのものの基礎」であると述べ、参加者たちが互いに耳を傾け、互いに出会う円形の小テーブルを指さし、「今総会の会合での討議は、常に霊的なものです」と強調した。
*ラドクリフ神父「最終文書には『天の王国』のイメージが反映されるだろう」
ラドクリフ神父は、教会が現在進めている「改革の旅」を振り返り、「その旅は、今総会の最終文書に反映されるでしょう… それは決定や見出しを飾る声明として見るべきではありません」と述べ、「社会の崩壊、戦争、そして様々な困難の中に世界がある時代の中で、「教会には、特別な使命がある。それは、キリストのしるし、平和のしるしとなり、キリストとの交わりを保つことです」と強調。今回のシノドス総会を通じて、教会をイメージする新しい方法が生まれつつあり、最終文書は、イエスが王国を告げるためにたとえ話を使ったのと同じように、それを示すイメージが提示されるでしょう」と述べた。
*ベッカー・シノドス事務局次長「今シノドス総会でキリスト教一致への新たな段階が開かれた」
シノドス事務局次長のシスター・ベッカーは、今総会を特徴づけた「キリスト教一致の代表同士の友愛的な雰囲気について述べた。「今総会で、教皇が参加者の間に座り、耳を傾けている姿や、参加者が聖ペテロの殉教を思い起こしながら一緒に祈ったキリスト教一致のための祈祷会の姿に言及し、「教会に新しいイメージを与えてくれます」と強調。「この総会は、教皇の首位権の行使と司教たち、神の民全体の collegiality(合議制)を理解する新しい方法を導入しており、これがキリスト教の一致の新たな段階を開いたのです」と語った。
*東方カトリック教会のグエル大司教「シノドス総会は、東方カトリック教会の役割を知ってもらう機会を提供した」
ギリシャのビザンチン典礼カトリック教徒の使徒座大司教で、 1 世紀前に設立された小さな教会共同体を率いるグエル大司教は「今シノドス総会は、他宗派間の互いの深い理解の機会を提供している」と述べた。彼の教会共同体は、ギリシャ・トルコ戦争後に多くのギリシャ難民がアテネに逃れて来た時に形成された。
大司教区は 2 つの小教区から成り、1 つはアテネの大聖堂を中心に、もう 1 つは北約 500 キロのテッサロニキ近く、ヤニツァにある。司祭は 7 人で、内訳はギリシャ人 2 人、スロバキア人 1 人、カルデア人 1 人だ。 信徒は、ギリシャ・カトリック教徒、ウクライナの共産主義崩壊後 の約30年前にやって来たウクライナ・カトリック教徒、東シリアの伝統を持つイラクからのカルデア・ カトリック教徒から成る。また、正教会信徒とイスラム教徒が協力する援助団体カリタスを運営しており、自閉症の人々を支援する財団も持っている。
大司教は、ギリシャの大司教区は「カトリックの伝統における独自の教会」であると指摘。「誰もがこのことを知っているわけではありませんが、シノドス総会は、正教会の姉妹教会と同じ典礼、神学、霊性、教会法規を共有する東方カトリック教会の役割を知ってもらう機会を提供してくれました」と語った。
*「女性の教会での真の役割増大には『発想の転換』が必要、女性助祭の問題だけに集中すると極端な『聖職者主義』に陥りかねない」
教理省のフェルナンデス長官は21日の声明で「教皇は、女性の助祭の問題にはまだ取り組む準備ができていないと感じている」ことを強調したが、この問題は、この記者会見でも焦点の一つとなった。
ラドクリフ神父は、女性助祭叙階の問題だけに注目するのではなく、「教会博士として歴史を通じて女性が担ってきた高い地位」などについても考える必要がある、とし、「女性の教会における役割の向上の問題全てを女性助祭の叙階に帰してしまうと、極度の聖職者主義に陥る危険がある」と、暗に長官を支持する発言をした。
ベッカー事務局次長も「カトリック大学の学長、カリタスのような組織のリーダー、司教協議会事務局の部門長など、教会ではすでに女性が高位の地位に就いています」と強調したうえ、「女性の指導的地位を促進する方法は数多くあり、多くの司教が現在、女性を教区の代表団の一員に任命し、統治の役割を与えている」と説明。
さらに「教会は社会の一部であることから、社会的、文化的障害が依然として残っています。例えば、聖公会の司教たちと話をすると、女性が叙階された場合でも、教会での男性の貢献が女性よりも重視されることが多い… 真の発想の転換が必要であり、それには時間がかかるでしょう。私たちは教会からだけではなく、私たちが住む社会からも(伝統的な)考え方を受け継いでいる」と語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)