(2024.10.17 Vatican News Antonella Palermo and Roberto Paglialonga)
開催中の世界代表司教会議(シノドス)総会第2会期の会合の現況を説明する定例記者会見が17日午後行われ、16日午後から17日午前にかけての会合では、人間の移動に対する司牧的ケアに取り組んでいる教会の活動、若者や障害者への配慮にも焦点が当てられ、バチカンと世界の現地の教会と連携強化を求める意見も出た。また、移民・難民の声に耳を傾けるための「地中海教会会議」の構想が提案された。
また、今回の会見では、ゲストとして、Sisters of the Sorrowful Motherのシスター・サムエラ・マリア・リゴン総長、アジア司教会議連盟 (FABC) の前会長のチャールズ・ボー枢機卿、カナダ・ケベック州のジェラルド・シプリアン・ラクロワ枢機卿の3人が発言した
シノドス情報委員会のルッフィーニ委員長によると、16日午後から17日午前にかけての会合では、準備要綱の第二部「道筋」」第三部「場所」をもとにした参加者の自由発言で議論が続けられ、教区の役割の活性化、若者のより直接的な関与、障害者への真の配慮、障害者のための特別評議会の設立などが求められた。
また、Talitha Kum のような「仮想ネットワーク」の役割とそれを司教協議会に取り入れる方法、カトリック学校に通うさまざまな宗教の学生のための共通プラットフォームの提案などが出された。関連して、18日にシノドス総会総括責任者のオロリッシュ枢機卿、シノドス事務局のグレック局長らが大学生の代表と会い、シノドス総会に出されているテーマについて意見を交換する。
*ルフィーニ・シノドス情報委員長「公会議から長い年月が経った今も、司教協議会の神学的地位が不明確なのは驚くべきこと」
ルッフィーニ委員長は、会合の討議の中で出された教育の場における大きな苦しみや苦悩、修道会が果たす重要な役割、17日まで二回の公開神学・司牧フォーラムで議論されたシノダリティ(共働性)と首位権の関係を強化することの重要性を強調。
関連して、「第二バチカン公会議から長い年月が経った今も、司教協議会の神学的地位が不明確なままになっているのは驚くべきことだ」と委員長は語り、「バチカンの諸部局は、文書を作成する際に現地の教会ともっと話し合い、小規模な教会共同体や教区をもっと頻繁に訪問する必要がある」と強調した。
*Sisters of the Sorrowful Motherのシスター・リゴン総長「総会参加者の4分の1が一般信徒、若者、修道者。意見も多極化している」
シスター・リゴンは、自身のシノダル(共働的)な経験について語り、兄弟愛の関係を築くことの重要性を強調。「今回のシノドス総会の参加者の約4分の1が一般信徒、若者、修道者であり、全員が発言の機会を持っています… 特定のトピックに関する異なる見解から緊張が生じることがありますが、これは”分極化”ではなく、男女の関わり方の違いなど”多極化”を示すものです」と説明した。
*アジア司教協議会連盟 (FABC) 前会長のボー枢機卿「一部の司教の抵抗にかかわらず、”シノドスの道”で成果を上げている」
ミャンマーのヤンゴン大司教であり、アジア司教協議会連盟 (FABC) の前会長のボー枢機卿は、アジアにおける”シノドスの道”の歩みを説明。”デジタル福音宣教”、創造的な教会活動への若者の参加の増加、”聖職者主義”がもたらしている課題について語り、「一部の司教からの抵抗にもかかわらず、FABC は、特に『すべての人に耳を傾ける』という教会の取り組みなど、これまでに達成された成果に満足している」と述べた。
*カナダ・ケベックのラクロワ枢機卿「福音宣教、メディア、霊的生活の深化において、教会に構造的変化が求められている」
カナダのラクロワ枢機卿は、教会が「耳を傾ける」こと、特に異なる人々に耳を傾けること、そして暴力のみで問題を解決するのを避けることの必要性を改めて指摘。特に福音宣教、メディア、そして霊的生活の深化に関して、教会に構造的変化が求められていることを強調した。
*「バチカンから世界の現地の教会に権限をいかに委ねるかは、第二バチカン公会議以来の検討課題」とルッフィーニ委員長
記者たちとのやり取りでは、バチカンと司教協議会との分権化、傾聴と改革の実施の関係についても触れられた。ルッフィーニ委員長は、世界の現地の教会にさらなる権限を委ねる考えは、「第二バチカン公会議以来、教会内で長年検討されてきたもの」と説明した。
*「傾聴省」の設置が提案されている、今総会で結論を持ち越される課題の検討継続の一環として「教区シノドス」開催を期待
また会見で明らかになったのは、シノドス総会で「傾聴省」設置が提案されたこと。まだ議論が続いているというが、ボー枢機卿は、「開催中のシノドス総会は、まさに”プロセス”であり、ここで始まった検討作業の継続の一環として、世界のそれぞれの司教が『教区シノドス』の開催を検討することを期待している」と語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)