(2024.10.15 Vatican News Lorena Leonardi and Roberto Paglialonga )
開催中の世界代表司教会議(シノドス)総会第2会期の最新動向に関する15日の記者会見では、シノドス情報員会から、今週初めの会合で、障害者の参加、女性の役割、ブラジルの気候変動による緊急事態の深刻さなど、さまざまな課題が焦点となったことが説明された。
15日朝、バチカンのパウロ6世ホールで開かれた全体会議は、8月に亡くなったホームレスのブラジル人詩人ホセ・カルロス・デ・ソウザを偲ぶことから始まった。彼の葬儀は同日、バチカンの聖モニカ礼拝堂で、支援援助省長官のコンラッド・クラジェフスキ枢機卿とブラジルのレオナルド・シュタイナー枢機卿によって執り行われた。
情報委員会のパオロ・ルッフィーニ委員長は、デ・ソウザは過去に支援援助省から援助を受けていたこと、そして彼が観光客に金銭を乞うのではなく、詩を書くためのノートを乞うたことで知られていたことを振り返った。
また、総会の進行状況については、14日午後から15日にかけての小グループで討議に347人が参加している、と説明した。
情報委員会のシーラ・ピレス事務局長は14日午前中に行われた、ベネディクト会のシスター、マリア・イグナツィア・アンジェリーニと総会報告統括者のオロリッシュ枢機卿の指導による祈りと瞑想を取り上げ、シスター・アンジェリーニの瞑想に先立つ講話では、「教会のルーツ」に焦点が当てられ、「教会は具体的な文脈の中で具体化しなければならない」とし、福音の”ダイナミズム”について考察した、と説明。「人間同士の交流の場が福音を生き、宣べ伝える機会を提供しました」と述べた。
オロリッシュ枢機卿は、この日から始まる討議要綱の第3部「場所」について説明し、人の移動も考慮に入れた静的ではなく動的な現代世界の中で、特に都市や巨大都市といった場所での福音宣教のあり方を重視すること、共に歩み、教会の一致を形成する絆について考察し、抽象的な普遍主義によらず、現実の文脈について考えること、を参加者たちに要請。「教会は、場所と文化に根差していなければ理解できない」とし、場所と文化の相互関連性を考慮するよう求めた。
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続いて、記者会見にゲスト出席した総会参加者からの発言に移り、使徒カルメル修道女会総長のシスター・ニルマラ・アレックス・マリア・ナザレ、2人の枢機卿任命予定者、ブラジル・マナウス教区のシュタイナー大司教、イタリア・トリノ教区のロベルト・レポレ大司教の3人が要旨以下のように語った。
*シスター・ニルマラ使徒カルメル修道女会総長「将来を見据えて、”シノドスの道”の旅を続ける」
シスター・ニルマラは、今回のシノドス総会への参加を「ユニークな経験」とし、世界中の教会の代表者と関わる機会を得たことを強調した。そして、次期枢機卿ティモシー・ラドクリフとシスター・マリア・イグナツィア・アンジェリーニが行った総会での瞑想指導を「感動的」と語った。
将来を見据えて、総会を終えて帰国した後に現地の教会とつながる必要性を強調したが、「”シノドスの道”の旅を始めた以上、後戻りはできません。前に進むしかない」と述べ、この旅に希望を感じているとした。
*シュタイナー大司教「場所と文化に根ざした教会の重要性、司祭不足の中で、すでに多くの女性が『事実上の助祭』の役割」
シュタイナー枢機卿は、このシノドス総会で生まれつつある新しい道、それがシノダリティ(共働性)の意味を如実に示していると指摘。ブラジルではこの道の歩みがすでに進んでおり、多くの女性と終身助祭がアマゾンの教会共同体を積極的に率いている、と説明した。
そして、「私たちがこの総会で討議していることは、現地の教会におけるシノダリティ(共働性)の意味をさらに理解するのに役立ちます」と述べ、異文化と異宗教の中で福音宣教をせねばならない教会にとって(シノダリティが)鍵となることを強調した。
また、枢機卿は自身の管轄する教区について、「9万平方キロメートルに及ぶ広大なマナウス大司教区では、司祭がいない中で100年以上にわたって、女性が重要な役割を果たしてきました」とし、多くの女性が教会共同体を率いたり、聖職に就いたり、慈善活動や刑務所での聖職に深く関わってたりしていることを、具体例として挙げ、「女性は教会の重要な要素。女性がいなければ、我々の教会は今のように放っていないでしょう」と述べた。
総会の内外で大きな議論になっている女性助祭の問題について、枢機卿は、「遠隔地の教会共同体では、すでに多くの女性が『事実上の助祭』として機能している」ことを認め、「彼女たちの働きに感銘を受けている。女性助祭の復活は歴史的前例に沿う可能性がある」と述べたうえで、「なぜ叙階された女性助祭を復活させないのでしょう。女性助祭は、男性助祭の役割を補完できる… 問題は性別ではなく、召命なのです」と強調した。
*「ブラジルの環境危機… 環境はシノダリティ(共働性)と密接に関係」
総会参加者たちは、ブラジルの環境危機が緊急事態となっていること、特にアマゾン地域の危機についても議論している。アマゾン地域では、1か月に及ぶ干ばつで河川が干上がって船が航行不能になり、多くの地区が孤立している。
シュタイナー枢機卿は、アマゾン川以遠の地域でも水不足が深刻化している状況を説明。この地域の繊細な生態系に対する「略奪漁業」と「水銀汚染」の影響を指摘した。そして、2019年のアマゾン地域シノドスの後に教皇フランシスコが出された使徒的勧告 Querida Amazonia (愛するアマゾン)」が、環境がシノダリティ(共働性)と密接に関係するものであることを理解するための枠組みを提供している、と強調。「私たちが体験しているシノダリティ(共働性)は、教会としての使命の一部であり、この総会が終わった後も、この旅を続けねばならない」と訴えた。
*司祭の独身制… 1000もの教会共同体に司祭わずか172人の現状をどうするのか?
関連して、記者から、2019年にアマゾン地域シノドスで最も議論されたトピックの1つである「司祭の独身制」に関する質問が出されたが、これに対してシュタイナー枢機卿は、「1000の教会共同体に対して司祭は172人しかいない教区で働くことの難しさ、そして教会共同体と聖職の関係を深める必要を説明した。
トリノ大司教のロベルト・レポレ枢機卿は「今総会では、東方教会の司教たちも出席しており、奉仕の形態が豊富に示されている」と語る一方、シスター・ニルマラは、「私の国ではいくつかの問題に関してもっと時間が必要かもしれません」と述べた。
レポレ枢機卿はまた、自身の教区にとって”シノドスの道”の重要性についても語り、「総会参加者の精神的な深さと、参加者間の友情の高まりは、強い印象を残している」と述べ、この総会が「教会の普遍性を反映し、福音を広めながら多様な文化の声を取り入れていること」を強調した。
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情報委員会のルフィーニ委員長は、は記者の質問に答える形で、障害者の参加についても触れ、この問題は一部の関係者の間で取り上げられており、誰もが関心を持っている問題であることを認めたうえで、「少なくとも私の作業グループでは、この問題は議論されている。今後数日で全体会議で取り上げられるかどうか、はっきりするでしょう。この問題は誰もが関心を持っている問題であり、もっと多くのことができるはずです。私たちが幼い人々、疎外された人々について話すとき、障害者についても話している」と語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)