(2023.4.12 Vatican News Christopher Wells)
”シノドスの道”の米国とカナダの教会による北米大陸レベル会合の最終文書が12日に発表された。シノドスの基盤として「信徒に共通した洗礼」「キリストとの交わり」、そして「世界に良いたよりをもたらす」という私たちの使命に、焦点を当てている。
最終文書の表書きで、北米司教協議会連盟のダニエル・フローレス司教とレイモンド・ポアソン司教は、今回の会合が「米国とカナダの教会にとって重要な瞬間であり、現代世界における教会の進むべき道としてシノダリティ(共働性)を包含するために、教皇フランシスコへの応答を強化することに繋がった」と述べた。
文書は、北米大陸レベル会合の内容をもとに、北米大陸レベル執筆チームによって作成されたもので、大陸レベル会合で明らかになった 3 つの主要テーマ-「洗礼を通じての呼びかけと賜物」「キリストと我々相互の交わり」「宣教の使命への派遣」-について詳しく述べている。
*連動する3つのテーマ
主要テーマの第一は、シノダリティの基盤として、「私たち共通の洗礼の呼びかけと尊厳の中心的な役割」を強調し、「教会とその使命における共同責任の機会と共にある尊厳のより深い認識」を求めている。
第二の「キリストと我々相互の交わり」では、教会内部の深い分裂の存在を認識し、キリストの体を構成する信徒たちの一致を強める方策を探求している。
そして第三の「宣教の使命への派遣」では、洗礼を受けたすべての者が表に出て、福音を宣べ伝え、特に社会や教会の片隅に置かれている人々に宣教する義務があることを確認している。
*教会が直面している問題
文書は、これらの主要テーマの文脈の中で、信徒の間から提起された「教会における女性と若者の役割」を含む問題を指摘。また、「教会の信頼・信用の危機の原因となり続けている聖職者による性的虐待」や「特にLGBTQのコミュニティに対する教会の抱擁性」「 教会と現代世界との関係」、 そして「シノダリティ(共働性)と識別、宣教の使命、そしてカトリックの社会教説についての養成の必要性」も強調している。
また、司教たちは、教区レベルでの”シノドスの道”の歩みを振り返って、「生きたシノダリティの経験」ができたことを「大きな恵み」と表現し、「シノダリティの実践を継続し、深める方法を見つけたい」と述べた。
さらに、”シノドスの道”の世界レベルの歩み―10月のバチカンでの世界代表司教会議に向けた5つの優先課題として、「シノダリティの形成と識別の霊性を含む現地教会のシノダルな協議の調和」「『排除されている』と感じている人々の歓迎」「 教会における共同責任」「 さまざまな種類の二極化と分裂の中での教会における一致と交わり」、 そして「社会の周辺に出かけて行く教会の必要」-を挙げている。
北米司教協議会連盟のダニエル・フローレス司教とレイモンド・ポアソン司教は最終文書の表書きで、「北米の”神の民”は共に、この”シノドスの道”の歩みの最初の一歩を踏み出した。多くの人が、米国とカナダにおいて教会への喜び、切望、嘆き、夢を繰り返し聞くことを願っている」と今後への期待を表明している。
*最終文書の全文は、the Synod websiteに。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)