・全米のカトリック教会、修道会の聖職者による性的虐待被害申し立てで”信ぴょう性あり”は過去20年間で1万6276件、補償や弁護費用に50億ドル

(2025.1.16 Crux staff)

 米ジョージタウン大学の付属研究機関、使徒職応用研究センター(CARA)が15日に発表した米国のカトリック教会における性的虐待に関する報告によると、過去20年間で、聖職者の未成年者への虐待の申し立てで「信憑性あり」と判断されたものは1万6276件。虐待被害者に対する補償や弁護費用などに50億ドル(円換算7800億円)以上が支払われている、としている。

 この報告は、2004年11月に全米カトリック司教協議会(USCCB)が、国内のすべての教区および司教区を対象に、年次調査を行うようCARAに委託して以来、続けられているもの。

 15日発表の報告では、過去20年間で全米の教区および修道会などが、司祭、助祭、修道者による未成年者への虐待の申し立て1万6276件を「信憑性あり」と判断した、としている。これらの申し立ての5件中4件は教区によって信憑性があると判断され(1万3331件、82%)、残りの1件は男子修道会によって信憑性があると判断された(2945件、18%)。ただし、「こうした虐待行為の信憑性のある行為は、調査対象の20年間に起こったものではなく、80年以上前のものも含まれている」としている。

 また、虐待被害者の5人にうち4人は男性(80%)、1人が女性(20%)。虐待がなされた、あるいは始まった被害者の年齢は、10歳から14歳が56%と半数以上を占め、15歳から17歳が24%、9歳以下が20%だった。

 報告によると、申し立ての対象となる性的虐待は90%以上が1989年以前に発生しており、1990年代に5%、2000年以降は3%だった。虐待の疑いをかけられた加害者の86%が「死亡、すでに聖職から解任、すでに還俗、または行方不明」と特定された。残りの14%は「その特定の調査の『1年間に聖職から永久に離れた、あるいは聖職から引退した』」としている。

 また、全米でこうした聖職者による虐待が明らかになった教区および修道会は、調査対象となった20年間に、被害者などに総額50億2534万6893ドルを支払った。その71%は被害者への和解金、4%が被害者へのその他の支払い。その他の主な費目としては、総額の17%が弁護費用、6%が容疑者である聖職者に対する支援費用、2%はその他の費用、となっている。

 加害者ないし、所属する教区、修道会が自らを弁護、支援するための費用が11.5億ドル(約1800億円)にも上っていることになるが、「20年間の平均で、申し立てに関連する費用の16%は、教区、修道会が契約している保険会社が負担した」という。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

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2025年1月18日

(評論)日本の司教団は「木で鼻をくくる」対応しかできないのかー性的被害に関する監査報告

 日本の古来からの慣用句に「木で鼻をくくる」というのがある。昔、鼻水を拭く際に木の端を使うことがよくあったが、木で鼻をこすると痛いため、顔が歪んで不愉快な顔になることから、「無愛想に振る舞う、冷淡にあしらう」という意味になったと言われている。12月27日に日本の司教団が発表した「2023年度日本の教区における性虐待に関する監査報告」の第一印象は、まさにこの慣用句どおりではなかろうか。

 事務的で、形式的で、そもそもこの報告をまとめたのは「未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン運用促進部門」とあるだけで、責任者もスタッフも誰だか分からない。もちろん、この報告に対する司教団のトップ、あるいは保護担当司教のコメントも皆無だ。被害者に対する思いやりも、性的被害を根絶しようとする意気込みも、誠意も全く感じられない。ただの「報告」でしかない。

 その報告内容のわずか数行にも満たない「各教区から提出された確認書」の中身は、2023年3月までに出された性被害の申し立ては2教区、3件とあり、「性虐待の申し立てのあった各教区には、監査役から提出された調査報告書に記載された所見を通知し、ガイドラインに基づいてさらなる対応をするよう求めた」とあるのみ。

 具体的にどの教区でどのような申し立てがあったのか、説明は皆無。「所見の通知」に対して当該教区はどのように対応し、加害者とされている者に対し、申立者に対してどのような措置を取ったのか、それを司教団の運用促進部門はどのような判断をしたのか、など、社会一般の常識からしても当然、明記されてしかるべき内容も全く見られない。

 また、被害申し立てに続く、各教区の性的虐待防止への対応については、日本の全15教区のうち、「教区内における性虐待防止に関する行事・研修会を実施した教区」は6 教区、司祭・修道者の研修を実施した教区」は7教区と半分にも満たない。しかも、具体的な教区名は明らかにされず、各教区に対する取り組み強化の要請もない。

 性的虐待は、ほとんどが”密室”で行われるため、第三者の証言はまず得られない。「証拠物件」も大きなショックを受けた被害者が、保存しておくことは考えられない。したがって、教会を敵に回してまで訴え出ても、適切な対応がどこまで期待できるか不安があり、まして重い財政負担をし、長期にわたって自分を人前にさらすような訴訟は、よほど勇気と犠牲をいとわない被害者でなければ不可能だ。司教団や担当者は、そのことを承知で、対応に手を抜き、バチカンから批判されない程度に、形ばかりを整えておけばいいと考えているのではないか、とさえ思いたくなる。

 

*「監査報告」は何のために、誰のためになされているのか?札幌教区の調査結果とあまりの落差

 

 当該教区も、司教団も、これで説明責任を果たした、と思っているのだろうか。そもそも、この「監査報告」は、何のために発表されたのか。はた目には、「聖職者などによる性的虐待の根絶」をうるさく言ってくるバチカンに対して、「やっています」という言い訳、もっと明確に言えば”アリバイ”作りにしか見えない。

 「カトリック・あい」では、世界の聖職者による性的虐待など教会でのハラスメント行為は、教会への信頼を失墜させるものとして深刻な問題になり続けているが、日本の教会の取り組みは、隠ぺいを容認する従来からの体質もあって緩慢。日本のカトリック教会における性的虐待を含めたハラスメント意識調査の実施は15ある教区の中で、「カトリック・あい」が確認できたのは札幌教区のみだ、と指摘してきた。

 その札幌教区のハラスメント対応デスクは、札幌教区ニュース4月号で、新たな体制づくりと今後の啓発活動のため2023年7月1日から11月30日にかけて教区の全信者を対象とした調査結果の「前編」を公表している。それによれば、「教会内で、いじめ、いやがらせ、ハラスメントがあると思うか」との問いに40.6%が「あると思う」と答え、「人格否定や差別的な言葉による叱責」「悪質な悪口や陰口」「宗教的な経験年数や知識量での叱責や避難」「奉仕の強要」「私生活・プライバシーへの過度の介入」がいずれも20%を超えている。

 さらに、「教会内で、いじめ、いやがらせ、ハラスメントがあると思う」と回答し、事前に用意された選択肢以外に「その他」として、回答者が書き込んだ具体的経験で、「セクシュアル・ハラスメント」として、司祭・聖職者から「セクハラすれすれの行為を受けた」「ハグされる感じで抱かれて嫌な気持ちになった」「子宮摘出手術を受けた信徒に、聖職者が『じゃあ、もう女じゃないんだ』と言った」、信徒からは「教会で手伝いをしている時に、尻をつかまれた」「『元気をもらいたいから』と手を握られた」「酔った勢いで個人的に連絡された」、あるいは「児童に対する性的虐待」として、「少年期から青年期にかけて、聖職者から児童性的虐待を受けた」「体を触る、服の中に手を入れるなど性的行為をされた」や、「児童虐待」として、「侍者教育は児童虐待だった」「暴力を振るわれた」との回答があった。

 日本の教会の聖職者を含めた信者数は、今年8月のカトリック中央協議会発表で外国人も含めて41万8101人、うち札幌教区は1万4331人で、4%にも満たない。その教区でこのような現状であれば、全日本の教区で年間の被害申し立てが2教区、3件といういことは、”安心”していい数字とは思われない。

 

*教区、修道会への訴えもまともな対応なく、裁判に持ち込んでも…

 

 実際、被害者が加害者が関係する教区や修道会に訴えても、何ら適切な対応がなされず、「教会を敵に回してしまうかもしれない」という悲痛な思いのなかで正義を求め、多額の弁護士費用にも甘んじて、裁判に進む例が、「カトリック・あい」で確認しただけで4件ある。

 うち、長崎教区と仙台教区の裁判は、担当判事の指導で和解となったが、教区側は和解金は払ったものの、被害者への精神的ケア、教会に温かく迎える措置もとったとは聞かない。教区として、新たに再発防止の具体的措置を取っているとも聞かない。それどろこか、仙台教区のケースでは、教区側から酷い対応を受けたうえ、和解後にも教会関係者から被害者への心無い言葉が出るなど、二次被害、三次被害に遭い、被害者は「教会に行くのは怖い。一人では行けない」といまだに聖堂に足を踏み入れないでいる、という。

 東京地方裁判所では、2025年1月29日に、司祭から告解を利用した性的虐待を繰り返し受けた女性信徒が、その司祭が所属していた修道会、神言会を訴えた裁判の7回目の審理が予定されているが、原告被害者側は弁護士1人なのに対して、修道会側は加害者とされている人物の代理人も含めて3人の弁護士を立て、飽くまで知らむ存ぜぬ、さらには原告の主張は嘘、そして、加害者とされ、すでに実名が公表されている人物の実名を出さないように、との主張をしている。原告女性は、苦しみを抑えて毎回出廷しているが、被告側は代理人弁護士のみ、当の神言会からは誰も出廷していない。

 また前述の札幌教区でも、帯広教会の主任司祭をしていたパリ外国宣教会の司祭が、外国人男性を繰り返し性的虐待したとして被害者が訴えているが、修道会司祭ということで、教区は、パリの修道会本部などへ問題を指摘しただけで、パリの本部の対応待ち、という状態だという。

 神言会のケースも修道会だから、ということで教区は無反応のように見えるが、司教協議会の会長で東京大司教の菊地枢機卿も、新潟教区の成井司教も神言会のメンバーだ。一般社会的常識からすれば、被害者をこれ以上苦しめないような対応を働きかけて然るべきと思うが、そうした常識は通じないのだろうか。

 

 

*札幌教区のハラスメント調査で明らかになった性的虐待被害者の悲痛な訴え、東京など他教区は調査もしない

 

 前述の札幌教区のハラスメント調査結果では、ハラスメントの中で最もひどい『性的虐待』についての経験も寄せられ、『私(男性)は少年期から青年初期のころ、ある司祭から性的虐待を受けた。自分の中に封印して生きてきたが、辛く耐えられなくなり、限られた何人かに打ち明けた…多くの被害者は教会から離れていると思われるが、教会が本当に被害者に真摯に向き合おうとするなら、被害者の声を聴く努力をしてほしい』『教会で…男性信者からいきなりお尻をつかまれた。男性信者がいきなり女性信者に覆いかぶさるのを見たこともある… 教会が祈りの場であり、神聖なところであることを忘れないでほしい』との訴えもある」と指摘。

 さらに、「二次被害、宗教ハラスメント」について、「傷つく思いをし相手に伝えると、否定される。周りに相談しても否定される。『あなたの思い過ごし、あなたの考えが間違っている、相手を非難している』・・といわれる。奉仕を強要され、断ると、『傲慢』『自信過剰』と非難され、聞き入れてもらえない…信者をやめることができない、という思いに苦しめられる」という悲痛な声もあり、「司祭は、なんでもご注進、ご注進と報告する信徒や役員の告げ口を信じ、自分の目でしっかり見ずに一方的に言葉を発し、対応するのは、すごく危険。司祭や信徒の言葉で教会から離れてしまった方がいるのは事実。心にとめておいてほしい」との批判を込めた、司祭への要望も出されている、と述べている。

 どうして、日本で最大の信徒を抱える東京教区はじめ他の教区は、このような信徒の率直な声を積極的に聴こうとせず、そこから適切な対応を識別し、実行しようとないのか。不思議でならない。日本全体での取り組みができない、というなら、司教協議会の機能を抜本的に高めるよう、必要ならバチカンの担当部署とも協議して改めていくべきではないのか。そうした問題意識も、能力もないのか。

*「教会は、有毒で伝染性のある新たな形の無関心”を身に着けてしまった」

 世界的な有力カトリック・メディアLaCroixは11月の評論で、世界中で収まることのない聖職者による信徒などへの性的虐待、それがもたらす教会への信認低下が続いている現状を述べたうえで、「この長くて多様なリストは、不完全であるがゆえに衝撃的であり、2024年も、ここ数年の状況と特に変わらない。私たちは、ほぼ毎日のように虐待危機に関するニュースを少量ずつ目にしているため、ある種の”危険な免疫”と、”有毒で伝染性のある新たな形の無関心”を身に付けてしまった」と慨嘆。「虐待の根深い問題や広がりを理解し、把握するには、まだ多くのことがなされねばならない。制度としての教会にも、まだ多くのことがなされる必要がある」と訴えている。

*教皇は「正義、癒し、和解に対する教会の関心の表れとして、苦しみを抱えた人々に慰めと援助を提供」を促しているが

 

 教皇フランシスコは11月、バチカン未成年者・弱者保護委員会主催の「欧州のカトリック教会における保護」をテーマにした会合に集まった約25カ国100人の司教、司祭、一般信徒からなる代表たちにメッセージを送られ、虐待被害者保護の効果的で持続可能なプログラムを提供するため、情報を共有し、互いに支え合うことを目的とした 「人々と優れた実践 のネットワークの構築」へ期待を表明され、「正義、癒し、和解に対する教会の関心の表れとして、苦しみを抱えた人々に慰めと援助を提供」する促進策を生み出すよう促された。

 日本の司教団は、このような教皇の声さえも、聴く耳を持たないのだろうか。あるいは、持とうとしないのか。

(「カトリック・あい」代表・南條俊二)

2024年12月28日

・日本の司教団が2023年度の「日本の教区における性虐待監査報告」発表

(2024.12.27 カトリック・あい) 日本カトリック司教協議会の「未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン」運用促進部門が27日、「2023年度日本の教区における性虐待に関する監査報告」を発表した。全文以下の通り。

2023年度日本の教区における性虐待に関する監査報告 2024年12月27日 

 日本カトリック司教協議会は、未成年者の保護に関する教会法、関連する教皇庁文書、教皇庁未成年者保護委員会のガイドライン、児童福祉法、児童虐待の防止等に関する法律等を参考に、2021年2月、「未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン」、2022年2月「『未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン』監査細則」を作成した。
 

  日本カトリック司教協議会は、ガイドライン「9.監査」の規定に従って、2024年3月、全16教区に対してガイドラインの遵守状況を調査し、確認書を司教協議会会長宛に提出するよう依頼した。
 同年9月、監査細則第2条に基づいて選出された2名の監査役による監査を実施。
  各教区から提出された確認書によれば、2022年4月から2023年3月の間に性虐待の申し立てがあったのは2教区、3件であった。
 司祭・修道者の研修を実施した教区は7教区、性虐待被害者のための祈りと償いのミサを実施した教区14教区、教区内における性虐待防止に関する行事・研修会を実施した教区は6 教区であった。
  性虐待の申し立てのあった各教区には、監査役から提出された調査報告書に記載された所見を通知し、ガイドラインに基づいてさらなる対応をするよう求めた。

2024年12月27日

・教皇、複数の未成年(当時)虐待事件でアルゼンチン人神父の司祭職はく奪

(2024.12.16 Crux Eduardo Campos Lima)

 サンパウロ発 – 教皇フランシスコ教皇は11日、1990年代からこの司祭を告発していた被害者たちに安堵をもたらす驚くべき措置として、ブラジルのトゥクマン州サンティシマ・コンセプシオン教区のアルゼンチン人司祭フスト・ホセ・イララズの司祭職をはく奪する決定をされた。

 サンティシマ・コンセプシオン教区が発表した声明によると、「本教区は、未成年者に対する第6戒律違反の罪により、この教区に所属するフスト・イララズ神父に対して行政上の処罰手続きが実施されたことを発表する。(中略)被告の控訴が 被告の訴えが信仰教理省に持ち込まれた後、同省は(…)この件を教皇に提出することを決定し、教皇は前述の司祭を聖職者から追放するよう命じた」としている。

 イララズ神父は、1984年から1992年の間、パラナ市の神学校で勤務していた際に、12歳から14歳までの50人以上の未成年者に性的虐待を加えたとして告発されている。

 この事件はあまりにも悪質であったため、米国のボストン大司教区における数多くの児童虐待事件を暴いた記者たちのチームを描いた映画『スポットライト』(2015年)でも取り上げられている。

 この神父の被害者とアルゼンチン教会虐待サバイバーネットワークの活動家たちは、イララスの事件における教会法と民事裁判の長期にわたる待ち時間について、数年にわたって苦情を訴えていた。

 最初の告発は、1990年代に元神学生のヘルナン・ラウシュ氏と2人の同僚によって行われた。ラウシュ氏「虐待は1990年から1991年にかけて行われた。私は9人兄弟の末っ子で、父親はすでに亡くなっていた。私は最も弱い立場にあったので、選ばれたのだ」とCruxに語っている。同氏には同じく神学生だった兄弟がおり、現在は司祭となっているが、イララズから暴行を受けたことはなかった。

 イララス神父は、規律を担当する一方で、多くの少年たちの告解聴聞者であり霊的指導者でもあった。 カリスマ的な指導者である彼は、「その立場を利用して犯罪を犯した」とラウシュ氏は説明する。「私たちは神父と『親しい』と感じたかった。神父と友達になりたかったのです」。そのような立場にあることで、被害者たちはいくつかの特権も得ていた。例えば、神学生にはあまりないことだが、近くの町を訪れる機会などがあった。

 イララズは少年たちの感情を巧みに操った。例えば、ある時、彼はラウシュ氏に近づこうとしたが、拒否され、「これが我々の友情の行き着くところだ」と言って立ち去った。被害者が彼の行為に抵抗できないでいると、彼はその行為を「自分たち二人の『信頼』と『友情』の証拠だ」と言った。「私は今でも、彼が犯罪を犯しながら、皮肉な笑い声をあげ、喜んでいたのを覚えている」。

 イララスのスキャンダルを含む教会内の虐待に関する本を書いたジャーナリストのダニエル・エンツ氏によると、イララスはパラナ大司教(当時)のエステンサロ・カルリッチ枢機卿に自らの行為を告白し、教会法に基づく調査が行われた。だが、ニュースサイト『Infobae』によると、イララスは神学生に近づかないよう命じられただけで、ローマに留学することになった。「彼は有罪とみなされたが、実際には何の処罰も受けなかった」とラウシュ氏は言う。

 この事件がアルゼンチンの裁判所に持ち込まれたのは2012年のことだった。50人以上の被害者がいたが、証言したのは、そのうちの7人だけだった。調査には6年もの歳月がかかったが、その間、時効の問題が何度も議論された。「私たちの努力で、時効に関する法律は最終的に改正されることになった。

 そして2018年、イララズはついに裁判所で25年の実刑判決を受けた。彼は控訴し、現在、最高裁の判断を待っており、自宅軟禁下にある。 「個人的には、最高裁が年末までにこの件を判断してくれることを願っている。もしイララズの70歳の誕生日を過ぎてから判決が下された場合、アルゼンチンの法律により、彼は引き続き自宅軟禁となるだろう」とラウシュ氏は語った。

 だが、教皇の今回の決定はラウシュ氏に大きな安堵をもたらした。「本当に心が癒やされました」と語った。

 ラウシュ氏は、イララズに対する刑事訴訟において、「教会の代表者たちが、事件の全容を知りながら、沈黙を保ったことで、教会が自分に対して背を向けたように感じた」と言う。そればかりか、教会当局は、「この事件は、すでに過去に審理済みだ」と言うことを認める宣誓書への署名を彼に迫った、という。そのような中で、「教皇が自らイララズの司祭職はく奪を決断された、という事実は、教皇が被害者の声を聞き、私たちと直接対話することを選んだことを示しています。これは教皇からの重要なメッセージだと思います」とラウシュ氏は語った。

 虐待の後、ラウシュ氏が信仰を保ち続けるには長い年月と複雑な心の癒しのプロセスが必要だった。「あまりにも長い時間がかかりましたが、真実が勝ったのです。教皇は私に理由を与えてくれました」と語った。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年12月17日

*聖職者による性的暴力被害者が神言会に損害賠償求める裁判・第6回ー加害者とされた司祭(当時)、「実名を出さないで」と申し立て

(2024.12.10 カトリック・あい) 聖職者による性的暴力被害者が加害者とされる男(元司祭)が所属していた修道会、神言会日本管区(本部・名古屋市)に損害賠償求める裁判の第6回が11月27日、東京地裁第615号法廷で開かれ、被告・神言会の補助参加人となっている加害者とされる男の代理人が新たに「本訴訟において、(補助参加人)は自分の氏名が公表されないよう望んでおり、訴訟記録の閲覧を制限してもらいたい」と申し立てた。

 性犯罪の加害者とされる人物が匿名で、被害者が実名の裁判というのは、これまであまり例がなく、しかも、すでに実名が第三者にも明きからにされ、報道もされているにもかかわらず、公判の途中でこのような申し立てをするという、被告側の不誠実を上塗りするような行為の意図を、原告側も測りかねている。

 次回は2025年1月29日、午後1時30分から東京地裁第615法廷、次々回は2025年3月19日、午後3時30分から同じ法廷で予定されている。

 この裁判は、神言会に所属し、当時、長崎大司教区内の小教区司牧を委嘱されていたチリ人神父が女性信徒に対し不同意性交を強いていたとして、被害信徒が神言会日本管区の監督責任を問い損害賠償を求める訴えを起こしたことから始まった。

 被害者の主婦・田中時枝さんが裁判所に提出した訴状によれば、長崎・西町教会で助任司祭を務めていたB神父は2012年、「ゆるしの秘跡」を受けた田中さんの告解内容を聴くと「やり直さなければだめだ」と性交を迫り、以後約4年間にわたり被害者女性をマインドコントロール下に置いて、不同意強制性交を重ねていた。
マインドコントロールを脱した田中さんは、加害司祭を「不同意強制性交の罪」で刑事告訴したいと考え、まずその司祭を監督・指導する立場にある神言修道会の上長に事情を打ち明け相談した。修道会
側では加害者とされるB神父から事情を聴き、本人を派遣先の長崎から引き上げさせた後、母国に送還したものの、「被害者には謝罪など誠意のある対応を見せず、何の救済措置も取らなかった」という。

 これまでの審理では当初、神言修道会側は準備書面と代理人弁護士の弁明で、「(自会所属・B神父による性虐待という)そんな話は知らない(不知)… 知らなかった事案については監督しようがない」と主張していた。だが、その後、前回審理までに「B神父が不同意性交をした事実はない」と全面否定し、「原告が修道会の監督責任を問うことはできない」と否認に踏み込んだ。

 その一方で神言会は、母国送還から1年も経たないうちにB神父を日本に呼び戻したうえ、本人の司祭職をはく奪して修道会から事実上追放した。そして、第3回審理までの準備書面のやり取りを通じて、B神父(正確には『元神父』)は首都圏で、田中さん以外の女性信者と一緒に暮らしていることが、判明していた。そして第4回目の審理に、B神父が「補助参加人」となり、その代理の弁護士2名が、被告側に加わった。

 これまでの法廷では原告・被告ともに、この被告補助参加人を実名で呼んでおり、傍聴者にもその氏名は知られており、本件の取材に当たる報道機関の間にも、既に広く本名が知れ渡っている。今ごろになって「本名を知られたくない」と申し立てる理由について、代理人弁護士は説明していない。

 11月27日の第6回審理はわずか10分足らずで終わり、その後開かれた原告側の「説明会」では、出席した田中さんの支援者たちから「B神父の申し立ては『裁判公開の原則』にも反する」「身に覚えがないなら、名誉棄損で田中さんを訴えればいい。それをせずに『氏名公表を止めさせたい』というのには、知らぬふりをしてこのまま日本に居座りたいという意図があるのではないか」などと、批判の声が相次いだ。

 田中さんの代理人弁護士を務める秋田弁護士は「『神父が与えられた権能(本件の場合は〔ゆるしの秘跡〕)を悪用して女性信徒を性虐待していた』という被害者の訴えを受けながら、ろくに事情聴取もせずにその神父を放置し続けてきた神言会、ひいては日本の教会全体の在り方を問いたい。そこに踏み込んで元を絶たねばなりません」と言明。

 さらに、「修道会上長や教区裁治権者が『神父が勝手にやったこと』という話にして、責任を回避するようなことになれば、(聖職者による性的虐待で苦しむ被害者たちの)現状は何も解決されず、抜本的な教会刷新など期待できません。それでいいのでしょうか」と、問いかけた。

 また、この説明会では、B神父が母国でも「聞き捨てならない行状を残している」という情報も複数出された。その件については裏付けが取れ次第、別途ご報告したい。

(取材執筆・山内継祐、編集・南條俊二)

2024年12月10日

・教皇、ペルーの性的虐待事件を追及したジャーナリスト3人と会見、”決着”を約束(Crux)

Pope Francis meets with journalists Pedro Salinas (left), Paola Ugaz (center right), and Elise Ann Allen (right) inside the library of the Apostolic Palace on Dec. 9, 2024. (Credit: Vatican Media.)
(2024.12.9 Crux   Elise Ann Allen)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年12月10日

・修道会から追放処分を受けたペルー人の神父、性的虐待と隠蔽で訴えられる(Crux)

 (2024.10.28  Crux  Senior Correspondent  Elise Ann Allen)

 ローマ発 – ペルーを拠点とする団体から最近除名された神父が性的虐待の疑惑を否定したことを受け、元団体のメンバー2人が、「神父は虐待を行っただけでなく、児童ポルノの隠蔽工作で司法妨害も行った」と語った。

 ハイメ・バートル神父は、ペルー在住の信徒ルイス・フェルナンド・フィガリ氏を含む15人のメンバーとともに、過去2か月間でペルーを拠点とするSodalitium Christianae Vitae(SCV)から除名された。

 バチカンは1年以上にわたり、Sodalitium Christianae Vitae(SCV)に対する徹底的な調査を実施してきた。SCVは過去10年にわたり、未成年者に対する性的虐待や財務上の不正行為など、さまざまな虐待疑惑が取り沙汰される中、さまざまな改革に取り組んできた。

 バートルとSCVの同僚フアン・カルロス・レンは、木曜日にSCVから共同で除名された。バチカン大使館からの声明では、SCVの事業体および組織内での「不適切かつ違法」な資金活動と、性的虐待の疑惑が1件指摘された。

 これに対し、2人はリマのバチカン大使館に公証人の証明付きの書簡を送り、性的虐待の申し立ては「完全に虚偽である」と述べ、また「虚偽かつ中傷的」な情報が含まれているとして、声明の訂正を求めた。

 しかし、この虐待行為の被害者とされる人物は、Crux誌の取材に対し、その事実を認めただけでなく、「虐待行為自体はバートル神父が霊的指導者として行ったものであり、SCVは一度もそれを認めていない」と語った。最終的に調査委員会は、その虐待行為は「ありそうもない」と判断した。

 1978年から2008年まで様々な形でSCVのメンバーであったマーティン・シューク氏は、先月10人のメンバーの1人として除名された自身の兄弟エルヴィン・ショイヒ氏とともに、Cruxの取材に対し、16歳の時にバートル神父から「霊的指導として、服を脱ぎ、椅子を使って性的行為を行うよう命じられた」と語った。

 彼はその約1年前にSCVに参加し、神聖さを高め、最終的にはグループのメンバーになる希望から、バートルの霊的指導を受けるようになっていた。1979年の霊的指導のセッションで、「バートルは私に服を脱ぐよう、2度命じた。なぜなら、最初は自分が聞いたことを疑い、そうすることをためらったからです」と彼は語った。

 シューク氏は、最終的にその命令に従い服を脱いだと言います。「なぜなら、私はバートルを精神的な指導者として信頼しており、『彼がやっていることは、私のためになることだ』と信じていたからです… しかも、彼は、下着を脱ぐように命じました。下着を着けたままでも、命令に従っているつもりだったのです」と言った。

 そして、完全に裸になった後、バートルは彼に部屋の反対側にある大きな椅子を「犯せ」と命じた、という。それを聞いて「最初は自分が何を命じられているのか信じられず、自分には馬鹿げたことのように思えた」が、バーテルが2度目に命じたとき、「従いました。背もたれに自分のあごが届くまで体を後ろに倒し、背もたれと座面の間の隙間に自分の[陰茎]を通しました。性交がどんなものなのかを真似しようと、不器用に何度か動いてみました。性交の経験などこれまでの人生で一度もありませんでしたから。ただ、不快感から動きが不自然になり、身体が硬直してしまい、バートルの命令通りにすることはできませんでした」。

 エロティックというよりも「性的なリビドーを抑制するもの」と表現したこのエピソードは、1分も続かなかった、とシューク氏は言う。その後、再び服を着るように言われた。バートルは「性的な優位に立とうとはしなかった」が、その間、彼は部屋の向こう側に座り、顔に手を当てながら、目線をそらしながら、居心地が悪そうにしていた、という。

シューク氏によると、その命令を出す前に、2人の会話が途切れたため、バーテルは彼に待つように言い、その間にGermán Doig修道院長(当時=現在は故人)に話した。院長も未成年者への性的虐待の容疑で告発されている。部屋に戻ってから、バートルは、会話が行き詰まった理由は、「過去のトラウマに関連する『内面の障壁』が多すぎたからで、それらの障壁を打ち破る必要がある」と告げたという。

服を着直した後、シューク氏は「内なる暴力を受けたと感じた」と語った。「当時、私はこれを悪いことや非難されるべきこととは考えませんでした。なぜなら、ソダリティウムでは、自分自身や他人に対する心理的暴力を正常なこととして受け入れるよう精神的に訓練されていたからです」と述べた。

そして、「年月が経って、世の中をより良く知るようになり、現実と向き合うようになって初めて、過去の特定の経験を『虐待』として認識するようになった。同時に、そうした経験が自分の精神に与えたダメージにも気づくようになりました」と語った。「ほかの機会にも、同じことが起こりました。誰からも強制されたわけではありませんが、『霊的指導者』の言いなりになっていたのです」。

 シューク氏によると、SCVの虐待を調査する任務を負った正義と和解のための倫理委員会は、当初は、この事件に関する彼の告発を信憑性のあるものと判断していたが、2回目の委員会では「信憑性がない」と判断した。SCVの過去2人の総長も、この事件を「信じがたいもの」と判断して、まともに対応しなかった。そして、現在のホセ・ダビッド・コロア総長は、シューク氏の主張の信憑性を疑いながらも、他の被害者が過去に受け取った金額よりも高いドル建ての補償金を提示した。

 「バートルは、私の話を専門家たちが『信憑性がない』と判断したことを喜んでいるでしょう。しかし、その喜びは脆く儚いものです。なぜなら、もし彼がまだアルツハイマー病になっていないなら、起こした出来事の記憶は墓場まで彼に付きまとうことになるからです」とシューク氏は断言する。

 この一件に加え、バートルは、2007年10月に半裸の子供とホテルにいたところを警察に発見され、また、(それを撮影したと思われる)デジタルカメラを所持していたとして逮捕された元SCVメンバーのダニエル・マルギア・ウォードによる虐待を隠蔽したとして告発されている。警察に没収されたそのカメラには、その未成年者と他の2人の露骨な写真が入っていました。

 マルギアはリマで逮捕されたものの、当時、サンティアゴ・デ・チリのSCVのコミュニティハウスに住んでいた。Cruxの取材に対し、当時マルギアと同じチリのコミュニティハウスに住んでいた元SCVメンバーのレンゾ・オルベゴソ・ベンベヌート氏は、「ムルギアはコミュニティを出ることを考えていたが、バートル神父から『ムルギアの不祥事の騒動が収まるまで待つ』ように言われたのです」と語った。

 

2024年12月10日

・聖職者による性的暴力被害者が神言会に損害賠償を求める裁判・第6回口頭弁論が11月27日午後3時から東京地裁第615法廷で

(2024.11.24 カトリック・あい)

 カトリック信者の女性が「外国人司祭からの性被害を訴えたにもかかわらず適切な対応をとらなかった」として司祭(加害当時)が所属した修道会、神言会(日本管区本部・名古屋市)に損害賠償を求めた裁判の第6回口頭弁論は11月27日午後3時から東京地裁の第615法廷で行われる。終了後、隣接の弁護士会館で支援者集会が開かれる予定。

  これまで5回にわたる口頭弁論で、 神言会側代理人弁護士は(神言会司祭だった男による被害者への性的虐待行為について)あくまで、「否認」を貫こうとするばかりか、追加の準備書面に「虐待行為があったとする原告の主張は虚偽」と言明。途中から、この元司祭を「補助参加人」とし、その代理人弁護士2名が加わる3人体制で、原告代理人1人に対し、あくまで被告の性的虐待を認めず、「私的な事。修道会は関係しない」で押し通そうとしてきた。

 被告側当事者である神言会の代表は裁判当初から今回に至るまで出廷せず、代理人弁護士のみの出廷が続き、誠実さを欠いた対応を続けているが、第6回口頭弁論で、どのような主張をするのか注目される。

 

【解説】神言会も加害者司祭(当時)もあくまで「性的虐待」を認めず、教皇やバチカンの意向も無視するのか

 10月の前回の口頭弁論の後、原告代理人の秋田弁護士は、支援団体との会合で、被告の神言会側の代理人弁護士は「司祭としての立場で、『告解』を受けなければ知りえなかった(幼少期に受けた性的虐待によるトラウマでPTSDを患い続けているという)被害者の秘密を利用して、PTSD患者の弱点を使ってマインドコントロールをし、『救いの一環なんだ』とだまして性被害を加え続けた、という点はまさに司祭の犯罪」と強調。「今回の訴訟は、ある意味で、カトリックの教義の正当性、信仰生活の妥当性を問うものだ」と言明している。

 原告被害者の田中さんは「元司祭が所属していた修道会に打ち明ければ真摯に対応してくれる、加害司祭に罪を認めさせ、更生するようにしてくれる、と信じて神言会の日本管区の本部に訴えたところ、「神言会の責任で対応します」と返事しながら、いまだに何の対応もない このような司祭や修道会が大手を振って歩くの目の当たりにせざるを得ないのは、『教会の危機』『信仰の危機』だと感じています。東京大司教の菊地功さんは知っているはずです。神言会の会員で、日本管区長でしたから。現在の管区長、事務局長の司祭も、3人が全員、こういう事を知っていて、代理人弁護士と打ち合わせをして、こういう事を主張しているのか、と思うと、本当に情けない」と苦しみを打ち明けている。

 バチカンの未成年者・弱者保護委員会は10月29日、世界5大陸にまたがる教会に対する広範な調査報告書を発表した。その調査・分析結果によると、国や教区によって対応にバラつきがあり、特に、教皇が2019年5月に出された、虐待や暴力を届け出るための新しい手続きを定め、司教や修道会の長上らにとるべき態度を周知させる自発教令で指示された「虐待被害の報告体制や被害者に対するケアの体制」を欠いているところもある、と批判。

  同委員会のトップ、オマリー枢機卿は記者会見で、「教会は『正義』について強い関心を持たねばならない」とし、被害者に対する『正義』がなければ『癒し』はない。ひどく不当な扱いを受け、傷つけられた人々は、『耳に心地良い言葉』を聞いたり、『文書』を見たりしたいわけではない。話を聴いてもらい、自分たちになされた悪に対して、『教会が償いをしようとしている』」と感じる権利がある」とし、まだ対応にバラつきのある世界中の教区に、そのための具体的取り組みを求めた。

 教皇フランシスコも11月13日、バチカン未成年者・弱者保護委員会主催の「欧州のカトリック教会における保護」をテーマにした会合の約25カ国100人の司教、司祭、一般信徒の代表たちへのメッセージで、「正義、癒し、和解に対する教会の関心の表れとして、苦しみを抱えた人々に慰めと援助を提供する促進策」を立案、実施するよう促されている。

 このような教皇やバチカンの委員会の要請にも、加害者とされる元司祭も、神言会も、聴く耳を持たないのだろうか。あくまで、被害者の訴えを否定し、自分たちが教会の信頼を失う原因を作っているという自覚も、被害者への思いやりもないまま、裁判を続けるのだろうか。

 (「カトリック・あい」代表・南條俊二)

2024年11月24日

・スペインで独立調査・監視機関が、教会と政府に対し性的虐待の被害者への補償実施を要請

アンヘル・ガビロンド(写真:Prensa Defensor del Pueblo/CC BY-SA 4.0)

(2024.11.22  La Croix (with AFP)

Angel Gabilondo (Photo by Prensa Defensor del Pueblo/CC BY-SA 4.0)

スペインの独立調査・監視機関、オンブズマン代表のアンヘル・ガビロンド氏が21日、同国議会下院で、聖職者による性的虐待に関する調査結果を説明するとともに、性的虐待被害者へ補償実施に、政府とカトリック教会が協力するよう求めた。

 ガビロンド氏は、2002年から2010年までマドリード自治大学学長、2011年までの2年間は社会労働党内閣で教育相を務めたのち、オンブズマン代表になっている。

 同氏が説明した調査結果によると、スペインでは1940年以降、20万人の未成年者がカトリック聖職者による性的暴行の犠牲になっており、教会に所属する信徒による暴行を含めると、その数は40万人に上ると推定されている。

 ガビロンド氏は「私は(性的虐待の)被害者のために、教会と国家が共通の制度を採用することが不可欠だと考えている」と語り、「イデオロギーや宗教の違いよりも、被害者への補償を優先させる」ことが必要だと強調。フランス、ドイツ、アイルランド、アメリカ、オーストラリアなどの国々と違って、「スペインはこの問題に対してまだ意味のある行動を起こしていない」と批判した。

 スペインの左派政権は4月、被害者への補償のための公的基金の設立など、報告書の勧告を実施する計画を承認した。 だが、「教会はこの事業への財政的拠出を拒否している」とカトリック教会を非難している。

 教会のリーダーであるスペイン司教協議会(CEE)は公的基金への参加を拒んでいる理由として、「教会内で虐待された未成年者だけでなく、スペインで性的虐待を受けたすべての被害者に、基金による補償をしようとしていない」ことを挙げている。

 スペイン政府はこれに対し、カトリック教会が提案した「いかなる一方的な制度も受け入れない」と表明。いくつかの被害者支援団体も「教会が賠償計画の策定プロセスから自分たちを排除している」と批判している。

 スペインのカトリック教会は、聖職者による性的虐待について否定を続けてきたが、2022年になって、教会内の性的虐待を調査することに同意。 オンブズマンの報告書に引用された数字に異議を唱える一方で、CEEは法律事務所に監査を依頼し、約2056人の被害者を特定。今年7月に独自の補償計画を発表したが、いまだに実行に移していない。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2024年11月23日

・カトリック札幌教区が「教会におけるハラスメント意識調査総括編

ハラスメントのない教会共同体をめざして~教会におけるハラスメント意識調査まとめ【総括編】

(「カトリック札幌教区ニュース」47号 2024年11月より)

 前回までの教区ニュースで、札幌教区のハラスメント調査報告が終わりましたが、まとめの最後となる総括編では、その分析と社会学的見地からの考察と提案をお伝えしたいと思います。

 

(1)ハラスメントの定義

ハラスメントは「嫌がらせ」など「相手に不快を与える言動」によって起こります。自分の思いではなく、相手の主観による受け止めによって発生します。客観的な事実(常識的な業務命令、地域の習慣)があったとしても、そのアプローチの仕方によっては、ハラスメントは起こり得ることがあります。つまり、受け手による傷つきがハラスメントのスタートになることを肝に銘じておく必要があります。

 

(2)なぜハラスメントが起きるのか

ハラスメントの原因を確認してみましよう。あらゆるハラスメントは、2種類の関係性を土台として行われているように感じます。

①変えられない事実

 性別・年別・国籍などの事実にもとづく価値観や文化・習慣・歴史により、日本文化の中で固定化されたルールとして、悪気なく行われるものです。代えられない事実を根拠に、相手を指摘(無意識の攻撃)することは、避けられない痛みとなります。

②個人の倫理観

 育った環境や変化する体験、家族構成・経済・地位・学歴・性格・疾病・障がいなどによるものです。本人にとっては重要な深い体験を、他者が簡単に指摘(無意識の攻撃)することは、大きな痛みを与えます。このような無意識の攻撃は、自分が知らないこと・知り得ないこと・気づかないことに対し、自分が踏み込んだ対応により、知らないうちに人間関係を壊す行為となります。もし最初から知っていたなら、また良い関係を構築出来ていたら、そして深い交わりの中で生きていたら、信頼関係の内に避けられたのかも知れません。

 

 

(3)日本の社会と教会におけるハラスメント

 ここでは、日本の社会と教会におけるハラスメントの起こり得る文化的背景と男女別の考察を説明します。第二次世界大戦後の復興時、戦争という苦難を乗り越えた人々は社会の復興に一丸となって向き合ってきました。「仕事第一」「24時間働けますか」など、企業戦士と共に働くことが日本の成長であり、日本経済社会への貢献であるとされました。犠牲をいとわず家族を顧みず働いた方々もいたかもしれません。

 育児は女性に任せていた時代もあったかも知れませんが、そのおかけで今の日本があることは間違いありません。そして当時それを支えてきたのは家や子どもを守るお母さんたち、すなわち専業主婦の存在でした。役割が明確に分かれており、大黒柱とそれを支える家族という関係が昭和の時代を進んできた家庭・社会環境であったと言えます。その関係は教会での活発な動きに連動していきました。

 教会活動の中で最も強かったのは婦人会であったというのは、日本全国の教会の現状を見ても明らかです。それは教会活動に割く時間の割合が、女性には多かったからです。このように信仰の伝達は女性の数に比例していきました。専業主婦の存在が減ってきたという事が、新しい教会の歩みを振り返る為に欠かせない視点です。

 その時代は、現代とは違い、発展途上の日本の教会の歩みの中で、内部に向けて力を蓄え、教会は多くの課題に向き合うよりも、教会員が家族のようになり、元気になるため、信仰を深める時間に重点がおかれていました。しかし現代は多様な課題が私たちに与えられています。特に「命」 「人権」に向けた社会的な動きがあり、日本のキリスト教研究の発展に伴い、振り返るべき「典礼」 「歴史」 「聖書」 「教会制度」など、新たな課題も出てきており、教会は祈り、働き、考えるのに忙しくなりました。次から次にやって来る課題に、だんだんゆとりがなく、配慮するのに疲れが生じてきました。教会の能力的キャパオーバーというのが適切ではないでしようか。

 そんな中、「昔の教会の方が教会らしかった」という声も聞こえますが、いつの時代も教会は福音宣教を中心に据え置いてきたので、比較はできません。また現代は更に一人一人が「考える時代」です。しかしノスタルジーに溺れてしまうキリスト者は思考停止となり、今ある頭の中の器だけで対応するようになり、それを超えることにより自然に自己本性が表れ始める。すなわち限界を迎えると、思考停止し開き直ってしまうのです。「

 自分にとっての当たり前」 「自分の思うこと」 「言いたいこと」を言う。もちろん嘘は良くない事ですが、それは楽な対応です。そこに向けた「欲求が抑えられない」。それを否定されることに許せなくなり、他者を優先できす「自己本位な動き方」などが起こります。結果、違う文化環境で育った人は、口に出して反論できない傷ついた他者が生まれ、泣き寝入りの中で過ごす人が生まれます。

 今の社会は性別に関係なく、全ての人が働かなければ生きていけない時代に入り、子どもたちは教会よりも学校を優先しなければならなくなり、青年たちは自立した生活のために働かなければなりません。人々は教会の外で生きる時間が増えました。それはある意味教会人が社会の中に溶け込んでいったともいえるかもしれません。

 しかし教会に残された人は新しい風が入らず、今まで教会に来続けてきた人たちは世代交代できず主流となっています。時代とともに変わりゆく教会は、新しい風が入らない中で発展を目指さなければなりません。しかし、同じ人が活躍せざるを得ない状況は、かつての教会文化がそのまま維持継続せざるを得ない環境を残し続けています。

 

 

(4)教会からハラスメントは無くなるか

 答えは、残念ながらNO、つまり現段階のままでは無くならないでしよう。今回のハラスメント調査を見ると、信徒も修道者も司祭も今までの教会の流れのまま、気が付くと加害者(すでに加害者になっている人もいる)となり、被害者が訴えて初めて驚くことが明らかとなりました。どのように乗り越えたらよいのでしょうか。

 まず、「自分はハラスメントを行っているのでは?」という反省の土台が要求されます。これは自己否定ほどではないが、自分と向き合う作業であり、かなきつい振り返りです。そのためにも過去ではなく今を見ること、変えられない現実と向き合うこと、事実からスタートすること、自分以外の価値観に目を向けること、自分を変える事に挑戦すること、自分の価値観をシビアに振り返ること、新しい風を受け入れ理解することが求められます。

 教会は分かち合い(シノドスを含む)など素晴らしい方法を持ち合わせていますが、その場と日常は必ずしも一致しないという弱さを人は持ち合わせています。信仰と生活の遊離と同じなのです。ですから、真剣に回心に向かう姿勢が求められています。

 

 

(5)打開策はあるのか

 解決はかなり難しいですが、考えていかなければなりません。これは私たちにとって大きな課題です。前提として、適切な人間関係とコミュニケーションがあれば、多くは解決するでしょうが、いったん崩れてしまうと、転がり落ちるように関係性は壊れます。そこで打開策に向けて数点、指摘します。

①教会において権利と義務は誰もにある

 「聖職者中心主義」は便利なシステムですが、責任がすべての人にあるという自覚が必要です。しかもその責任は同等にあります。権利と義務は、教会内において誰もが持ちうるものであることに気づかなければなりません。聖職者の役割、修道者や信徒の役割はそれぞれ明確に分かれています。しかし、かけがえのない一人の人間であるという役割はすべての人にあること、これが愛の掟に基づいて見直されなければなりません。

②「普通」とは何かを考える

 「普通のこと」が通用していないことに気づく必要があります。「普通」ということは「あなたの普通」であり、「みんなの普通」 「教会の普通」とは違います。普通を語る場合、「間違ったあり方」であり、「自分は間違っているのかもしれない」という視点が前提になけれは、気づくことすらないし、ハラスメントは一生なくなりません。

③何よりも他者を尊重する

 他者に対する尊敬と、相手が望む関わり方を考える、という歩みが無ければ、ハラスメントはなくなりません。また、その関わり方も時代とともに変わっていることを受け入れねばなりません。TPO(時・場所・状況)が変わると、その都度、変化するものであり、常にリセットせねばなりません。

④表現方法を見直す

 たとえ相手が間違っていたとしても、それに対する関わり方、修正の仕方はあります。教会は民主主義ではないので、少数が間違っているとは限らないことも重要です。その認識がずれるとハラスメントが起きます。コミュニケーション方法の感性を磨くことは大切です。自分の意見を通すことに専念するのは、論外です。

 

(6)最後に

 
 ハラスメントはあらゆる確度から起こり得ます。だから大切なことは、感情(特に怒り)や人との心理的距離感をどうコントロールできるかです。キリスト教的な対応は、シノドスでも大切にされている対話、特に聞くことと誤解を生まないように尋ね合う事です。

 そして、互いに信頼を裏切らない関係づくりこそが、乗り越えるための課題です。具体的には伝えずらいが、日常のささやかな対話の積み重ねを通して、自分を知ってもらい、相手を知っていく作業です。信徒と修道者と司祭という立場や役割は変えることができませんが、人と人との間では、たとえ立場があったとしても、主従関係ではなく兄弟姉妹の関係がそれらを乗り越えていけるはすです。

 本来、社会では作りづらいが、教会では最も適した環境のはずです。だからこそ教会から初めてハラスメントの無い社会を示していかねばなりません。逆に兄弟姉妹の関係を壊す態度が、ハラスメントを増長させるのです。

 イエス・キリストは誰も涙する人を作りたくない。そう信じることで、自分発信ではなく常に他者を通して作る関係性によって神の国の実現を目指したのではないでしょうか。

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 「ハラスメントのない教会共同体をめざして~教会におけるハラスメント意識調査~(2023年実施)」について、3回のシリーズでお伝えしました。お伝えできたのはまだ一部にすぎません。今後、札幌司教区ハラスメント対応デスクが行う啓発訪問などを通して報告を継続し、ハラスメントのない教会共同体をめざして、皆様と共に分かち合い歩んで行きたいと思います。

 

(カトリック札幌司教区ハラスメント対応デスク 担当司祭 松村繁彦)

(編集「カトリック・あい」… 聖職者による性的虐待を受けた信徒など被害者への日本のカトリック教会では、形はともかく、ほとんどまともな取り組みがなされていない。そうした中で、札幌教区は、信者に対する意識調査やそれにもとずく対応の検討など具体的な努力が見られる。教区内で小教区の主任司祭が信徒に性的虐待を働いていたという被害者からの訴えに、その主任司祭が修道会会員だという理由からまともな対応ができていない事案も起きており、まだまだ教区長や担当司祭に努力の余地があるようだ。だが、それでも、日本の他教区が見習うべき点も少なくない。そのような判断から、「カトリック・あい」では、これまで「札幌教区ニュース」に3回にわたって掲載された特集「ハラスメントのない教会共同体をめざして~教会におけるハラスメント意識調査まとめ」を転載した。)

2024年11月22日

(評論)教会における性的虐待危機の1年ー”有毒で伝染性の無関心”が蔓延していないか(LaCroix)

(2024.11.21  La Croix   Massimo Faggioli)

 

 時代の兆し。教会における性的虐待がもたらす危機は衰えることなく続き、驚くべきニュースが「新しい日常」となっている。保護対策の進展は見られるものの、 zero-tolerance policy(不適切な行為をいっさい容認しない対策)の実施や、虐待の深刻かつ継続的な影響の理解など、まだ多くの課題が達成できずに残されいる。

 教会における性的虐待危機の世界的かつ「包括的」な歴史において、最近で最も重要な報道のひとつが、先日、11月12日、カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビーによる突然の辞任発表だ。調査報告書で、1970年代と1980年代にジョン・スマイスが少年や青年に対して行った性的虐待への本人の対応の問題が公にされたためだ。カンタベリー大主教、全イングランド教会の最高指導者、英国貴族院議員、そして世界的な聖公会連盟の精神的指導者であるウェルビーの後任者探しは間もなく開始される。

 性的虐待問題に関するニュースが絶え間なく流れ、もはや教会活動において”日常化”していることから、私たちはこの件にほとんど注意を払わない。ここ12か月足らずの間にニュースとなった、カテゴリー別に分類したほんの一例、としか受け取られなくなっているのだ。

 

1. 最近明らかにされたカトリック以外の教会の性的虐待

 今年1月、ドイツ福音ルーテル教会(EKD)は、1946年以降の事例(報告書によると、1万件未満の非常に少ない件数)をまとめた独自の報告書を公表した。3月には、米国司法省が、南部バプテスト連盟の指導者たちが虐待の危機への対応を誤ったことについて刑事責任を問うかどうかを18か月にわたって調査し、最終的に、米国最大のプロテスタント宗派の指導者たちを告発しないことを決定した。

 6月25日、ロシア正教会の会議は、議題の78番目に、若い協力者に対する性的虐待疑惑と、2022年6月までモスクワ総主教の最も近いアドバイザーの一人であったブダペストおよびハンガリーの大主教、ヒラリオン・アルフェーエフによる財務汚職について議論した。アルフェエフは、ロシア正教会の教区の状況を調査する委員会の結論が出るまで、職務から一時的に外された。

 11月18日、米国長老教会(PCA)の最高裁判所は、ナッシュビルのイアン・シアーズ牧師を性的不品行の疑惑に関する懲戒処分とし、解任した。

 

2. 世界中のローマ・カトリック教会で今春以降も

 2月22日、オーストラリアで、ブルーム教区のクリストファー・サンダース司教が逮捕され、保釈された。彼は2008年から2014年の間に、主に先住民の若い男性に対して性的犯罪を犯した容疑で告発されていた。

 2024年3月、ベルギーのロジャー・ヴァンゲルー司教が甥の2人を含む未成年者に対する性的虐待を理由にバチカンから司祭職を解かれた、と報じられた。彼は数年の間隔を置いて、異なる時期にその事実を認めていた。

 4月30日、英ダーラム大学カトリック研究センターは「The Cross of the Moment」(イングランドとウェールズに関する)という報告書を公表した。

 6月14日、ワシントン・ポスト紙の報道を受け、米国カトリック司教協議会の全体会議において、高位聖職者たちは、カトリック教会が運営する「土着のカトリック教徒」のための寄宿学校における未成年者への虐待について謝罪した。

 10月、ロサンゼルス大司教区は、1,000件を超える数十年にわたる幼少期の性的虐待の訴えを和解させるため、8億8,000万ドルの暫定合意に達した。専門家によると、この和解金は大司教区による単一の支払額としては最高額であり、ロサンゼルスにおける性的虐待訴訟の累計支払額は15億ドルを超える。

 10月21日、教会における性的虐待の被害者に対する公式な謝罪と賠償が、マドリードのアルムデナ大聖堂のポーチコで行われた。この取り組みはマドリードのカトリック教会が推進したもので、イエズス会が主催した「第1回国際ヨルダン会議」の閉会式で、同教会の大司教ホセ・コボ枢機卿が発表した。この会議では、教会における権力の乱用に焦点が当てられた。

 

3. バチカンの聖職者による性的虐待への対応は

 1月30日、世界の聖職者による性的虐待問題を扱うはずのバチカン教理省は、「傷つきやすい成人」の定義に「18歳未満の未成年者以外にも、常習的に理性を不完全にしか使えない人々も含む、教理省の管轄範囲を超えるより広範な事例」を含めるよう強く主張した。したがって、これらの事例以外の他の事例は、管轄の省庁が対応する。教理省が管轄権を持つのは「未成年者に対する性的虐待(および精神障害者に対する虐待)のみ」であることを再確認するものだった。

 ローマのバチカンからすぐ近くの場所で、2月21日、BishopAccountability.orgの共同ディレクターであるアン・バレット・ドイルは、少なくとも20人から虐待の告発を受けている元イエズス会士で芸術家のマルコ・ルプニク神父の事件の隠蔽を非難する記者会見を行った。

 6月26日、教皇庁立未成年者保護委員会のショーン・オマリー枢機卿は、バチカン当局によるマルコ・ルプニク神父の作品の普及に関して、「司牧的思慮」を求める声明を発表した。この声明は、バチカン広報省のパオロ・ルッフィーニ長官が米国での記者会見で、バチカンメディアによるルプニク神父の画像の使用継続を擁護した数日後の発表となった。

 2024年7月、コロンブス騎士団はワシントンD.C.とコネチカット州ニューヘイブンにある礼拝所に展示されているルプニクによるモザイク画の展示について、「慎重かつ徹底的な見直しプロセスを完了した」と発表した。

 

 

4. 著名聖職者による不祥事も続々と明らかに

 2024年3月、慈善宿舎における虐待に関する学際的調査委員会(2023年に設置)の全委員が、教皇使節団との関係悪化により辞任した。

 7月17日に発表された報告書では、2007年に死去したカリスマ性のある司祭で、フランスで人気を博したアベ・ピエールを非難するカトリック女性が増えた。1949年にパリで設立された、貧困とホームレス問題に取り組むためのフランシスコ会修道士による国際連帯運動「エマオ国際」は、他の事件を記録するための調査活動を開始した。9月には、アベ・ピエールに対する新たな証言が17件寄せられた。

 その2日後の7月19日、聖職者評議会は、今後3年間にわたってフランスにある聖マルティヌス共同体内の改革を監督し、同共同体の亡き創設者であるジャン・フランソワ・ゲラン神父に対する精神的虐待の申し立てを調査する2人の使徒的補佐の任命を発表した。

 7月22日、AP通信の報道は、マルシアル・マシエル神父が創設した「キリストの軍団」の不祥事について、バチカンが1950年代からどれほど知っていたかについて、新たな光を投げかけた。

 9月25日、聖職者の性的虐待行為に関するマルタのチャールズ・シクルナ大司教とジョルディ・ベルトメウ司教による様々な調査を受け、ペルーの「Sodalicio de Vida Cristiana」のメンバー数名が教皇により追放されたことが、現地の教皇大使により発表された。

 10月、ソダリシィ内の虐待と金銭的腐敗に関する継続中の調査の一環として、バチカンは、教会と国家間の協定を悪用して税制上の優遇措置を得たことなど、性的虐待と金銭的腐敗の容疑で4人のメンバーを追放した。今年、物議を醸したこの運動から、創設者のルイス・フェルナンド・フィガリを含む合計15人のメンバーが追放された。

 11月11日、英国の新聞ガーディアンは、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼の旅の途中で性的暴行を受けた女性たちの記事を掲載した。

 11月に、バチカンが、教皇庁公認の団体である「ファミリー・オブ・メアリー」の共同創設者であるオーストリア人のゲプハルト・パウル・マリア・ジル神父を、「明白な性的不品行を伴わない精神的・心理的虐待の罪」で有罪としたことが明らかになった。

 

 

5. 教会と国家、宗教と政治の関係における虐待危機の影響に関する展開

 

 7月、ニュージーランドでは、児童養護施設(世俗および宗教系、カトリックおよび聖公会)における虐待に関する王立調査委員会が6年間の調査を経て報告書を公表した。

 11月12日、ニュージーランドのクリストファー・ルソン首相は、議会において、養護施設(国営および教会運営の両施設)で何十万人もの子供や弱者が虐待、拷問、放置などの被害に遭っていたことについて、「公式かつ無条件」の謝罪を行った。

 9月の教皇フランシスコベルギー訪問は、スキャンダルの余波と、教会および公共機関における長年にわたる虐待に対する教皇の準備不足の対応により、一部に影を落とした。

 9月初旬、アイルランド政府が、カトリック修道会が運営するアイルランドの学校における性的虐待について調査する委員会を設置したことが発表された。予備調査で、過去の虐待に関する2400件近い申し立てが発見されたためだ。

 11月17日、オーストラリアのジュリア・ギラード前首相は、ビクトリア州で起きた少年への性的虐待事件について、最高裁が「カトリック教会には法的責任はない」との判決を下したことを受け、司法長官に対し、児童虐待の生存者に正義をどのように実現するかについて早急に検討するよう求めた。

 11月18日、英国の自由民主党の党首は、同党ウェールズ支部の党首が英国国教会に勤務していた際の性的虐待事件への対応について、自身の立場を再考すべきだと述べた。

*性的虐待問題へ”危険な免疫”と”有毒で伝染性の無関心”が…

 

 この長くて多様なリストは、不完全であるがゆえに衝撃的であり、2024年も、ここ数年の状況と特に変わらない。私たちは、ほぼ毎日のように虐待危機に関するニュースを少量ずつ目にしているため、ある種の”危険な免疫”と、”有毒で伝染性のある新たな形の無関心”を身に付けてしまった。

 教会が拡大するネットワークと意識の中で防止と保護に取り組んでいるという点では、良いニュースもある。しかし、虐待の根深い問題や広がりを理解し、把握するには、まだ多くのことがなされねばならない。

 また、制度としての教会にも、まだ多くのことがなされる必要がある。

 ローマで11月18日に開催された記者会見「Ending Clergy Abuse(聖職者による虐待の終結)」では、被害者で構成される国際的なグループが参加したが、2022年に教皇の聖職者虐待委員会と意見が合わず辞任し、現在はローマの教皇庁立グレゴリアン大学の保護施設を統括するハンス・ゾルナー神父(イエズス会)は「虐待で有罪判決を受けた聖職者は必ず聖職から追放される」ようにzero-tolerance policy(不適切な行為をいっさい容認しない対策)を世界中のカトリック教会で実施するよう、教皇フランシスコに強く求めた。

 教皇フランシスコが主宰した2019年の性的虐待に関するサミットが、その後の世界の教会にどのような影響をもたらしたのかは、まだ明らかになっていない。この新たな「当たり前な」状況に対処するためには、カトリックの学術・研究分野への新たな投資も必要である。このトピックは、あと数週間後に始まる2025年の聖年が期待するムードにはそぐわないかも知れないが。

Massimo Faggioli @MassimoFaggioli

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。
LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2024年11月22日

・バチカン未成年者・弱者保護委員会主催の欧州会合で25か国の司教、司祭、信徒約100人が性的虐待対応ネットワークで協力を確認

(2024.11.14 Vatican News   Kielce Gussie)

Mass being celebrated during the three day safeguarding conference
Mass being celebrated during the three day safeguarding conference

 バチカン未成年者・弱者保護委員会主催で13日から15日までローマで開かれた「欧州における被害者保護」の会合は、欧州の約25カ国から集まった司教、司祭、一般信徒など約100人の代表が教会における性的虐待に関する被害者保護と予防の経験を話し合い、さまざまな立場の人々が性的虐待への対応でネットワークを築き、協力することが極めて重要であることを確認した。

 性的虐待、その防止策、そして被害者の支援は、特定の国に限られた問題ではない。フランス、イギリス、スペイン、アイルランドなどヨーロッパのいくつかの国では、カトリック教会における性的虐待の事例に関する報告書が相次いで発表されており、この問題がどれほど欧州中の教会に蔓延しているかを示している。

 会合参加者の一人、イングランドおよびウェールズのカトリック教会の保護責任者、ポール・メイソン司教は、「私たちは孤立した形で務めを果たすことはできない。同じ立場にある様々な人の成功例や失敗例から学び、優れた実践を共有することが、私たち全員にとってより良いことだと考えている」と語った。

 会合での報告で、メイソン司教は、イングランドとウェールズでは、司教協議会が独立機関と協力し、教会組織における保護対策の監査、見直し、監視を実施しており、またカトリック教会の保護基準機関は、独立機関と教会関係者からなる委員会で構成され、全教区および宗教団体にわたって子供や弱者を守るための共通基準を定めている、と説明した。

 またアイルランド司教協議会の会長であるイーモン・マーティン大司教は、アイルランドの教会では被害者の癒しのプロセスにおいて2種類の支援を提供している、と説明。1つは心理的支援、もう1つは精神的な支援で、「虐待の最も悲しいことの1つは加害者が、教会に非常に近い人々であったこと」と述べ、教会への信頼を失くした被害者と共に歩むために必要な具体的方策について語った。

 マルタ大司教区のこの問題の責任者であるマーク・ペリカーノ氏は、同大司教区では保護委員会が防止と研修に重点的に取り組んでおり、「私たちは、防止活動と研修をより多く行うことで、虐待の被害者が減ることを強く期待しています」と説明。被害者支援にあたっては、加害者責任、説明責任、透明性、誠実性の4つの価値観を掲げている、と述べた。

 会合で参加者が語ったさまざまな経験から得た教訓に共通しているのは、「被害者の声を大切にすることに焦点を当てること」だった。また、メイソン司教は、「被害者の視点から保護の問題を見なくなると、まるで全体から心が失われてしまう」と、保護を”企業化”することに警鐘を鳴らした。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2024年11月15日

☩「虐待被害者保護の効果的で持続可能なプログラムへ人々と実践 のネットワークを」教皇、バチカン未成年者・弱者保護委員会の会合参加者に要請

File photo: Pope Francis writing a letterFile photo: Pope Francis writing a letter

(2024.11.13  Vatican News   Kielce Gussie)

 教皇フランシスコは13日、バチカン未成年者・弱者保護委員会主催の「欧州のカトリック教会における保護」をテーマにした会合に集まった約25カ国100人の司教、司祭、一般信徒からなる代表たちにメッセージを送られた。

 会合は13日から15日まで開かれ、2021年にポーランドのワルシャワで始まった保護に関する欧州ネットワークの活動をさらに進めることを目的としている。

 教皇はメッセージの冒頭で、戦争や紛争の中で会合に参加した国々の代表について、「あらゆる国境を越えた平和のための団結と連帯の雄弁な証人 」と讃えられた。

 そして、会合参加者全員に対して、虐待被害者保護の効果的で持続可能なプログラムを提供するため、情報を共有し、互いに支え合うことを目的とした 「人々と優れた実践 のネットワークの構築」へ期待を表明された。

 また、「正義、癒し、和解に対する教会の関心の表れとして、苦しみを抱えた人々に慰めと援助を提供」する促進策を生み出すよう促された。

 会合は、未成年者・弱者保護委員会のオマリー委員長(米ボストン大司教、枢機卿)のビデオあいさつで始まり、委員長はその中で、「文化、言語、民族、宗教の知恵を与えてくれる欧州の多様性」を指摘し、「こうした多様性が、カトリック教会で虐待を受けた子どもたち、そしていまは成人している人々の被害修復の助けになること」への期待を表明。 「被害者が声を上げるようにすること、虐待疑惑を調査する際に『適正な手続き』に従うと同時に、思いやりをもって対応すること」の重要性を強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2024年11月15日

・英国国教会の最高指導者、カンタベリー大主教が、性的虐待への対応を批判され、辞任

(2024.11.12 La Croix Héloïse de Neuville)

 英国国教会の最高指導者、ジャスティン・ウェルビー、カンタベリー大主教が12日、未成年者への性的虐待をめぐる事件への対応を批判する報告書の発表を受けて、引責辞任することを明らかにした。

 1956年1月生まれの大主教は、 石油業界で11年間のキャリアを積んだ後、ダラムのセント・ジョンズ・カレッジで聖職に就くための訓練を受け、 多くの教区教会で奉仕した後、2007年にリバプール教区長、2011年にダラム司教となり、2013年より英国国教会の第105代カンタベリー大主教を務めていた。英国国教会と世界の聖公会の両方を率い、進歩的な考え方で知られ、最近では、画期的な福音宣教計画に着手していた。

 大主教の辞任表明は、1970年代から2010年にかけてジョン・スマイスがサマーキャンプで少なくとも115人の少年や青年に対して犯した性的虐待に関して、英国国教会の高位聖職者が隠蔽工作を行っていた、とする独立機関の調査報告書、マキン・レポートが発表されて1週間後になされた。10月の世界代表司教会議(シノドス)総会に参加した英国国教会の代表者3人が11月9日にまとめたウェルビー大主教に辞任を求める嘆願書には、すでに5000人を超える署名が集まっている。

 英国国教会の弁護士であり、献身的な信徒とされていたスマイスは、報告書で 「間違いなく英国国教会に関連する最も多くの連続虐待を犯した人物」と糾弾。ウェルビー大主教がスマイスに関する虐待疑惑を知らなかったことは「ありえない」としている(ウェルビー大主教は強く否定しているが)が、2013年の大主教の事件への対応が注目されていた。

 報告書は、この年に、大主教はこの元弁護士に対する告発を公式に知らされた、とし、「大主教は警察に事実を報告することができたし、すべきだった」と明確に結論づけている。この事件が公になったのは、子どもたちへの虐待を特報したテレビ放送、チャンネル 4の調査報道がされた2017年のことだったが、ウェルビー大主教の不作為によって、スマイスは裁きを免れたまま、2018年に亡くなっている。

 ウェルビー大主教は「2013年から2024年までの長い間、被害者たちに”再トラウマ”を与えていることについて、私が個人的、組織的責任を取らなければならないことは極めて明白だ」と辞任の理由を説明した。大主教は事件を隠蔽したことについては否定したが、大主教としての職務を続け、英国国教会の性的虐待に対する信頼できる闘いを率いるために必要な権限を、もはや持っていないことを認めた。 そして、「今回の私の決断によって、英国国教会がいかに真剣に変革の必要性を理解し、より安全な教会を作ることに深くコミットしているかが明確にされることを願っている。退任にあたり、私は、すべての虐待の被害者、生存者と悲しみを分かち合いたい」と述べた。

 様々な国家機関に対するより広範な調査をもとにした4年前の報告書によると、1940年代から2018年の間に英国国教会の関係者390人が性犯罪で有罪判決を受けている。今回の不祥事は、さらに英国国教会に大きな泥を塗った形だ。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。
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2024年11月13日

・フランスの司教団、成人の性的虐待被害者のための新制度の議論に決着がつかず、決定を来春まで延期(La Croix)

(2024.11.11  La Croix (with AFP)

 フランス司教協議会(CEF)は10日、ルルドで開いていた総会で「教会の性的虐待の成人被害者のための新制度」の決定を来年3月まで延期することに決めた、と発表した。

 CEF会長のド・ムラン=ボーフォール大司教は、総会の閉幕あいさつで、「今総会で、原則的に新制度は了承されたが、実施方法などでまだ検討作業が必要。来年3月の総会までの5か月間で、不明確な点を明確にすることができるだろう」と説明。CEFは今年3月の総会で、被害者に対する「傾聴と指導」システムの原則に合意し、今総会で決定、公表されると期待されていたが、大司教は、「被害者の方々がこの遅れに落胆し、傷ついていることは理解している。私たちは前進していく、という決意を固めている」と釈明した。

 総会での新制度の決定が先延ばしになった理由について、大司教は具体的に説明しなかったが、複数の関係者によると、新制度を実行する組織を、中央に一つ置くか、教会管区ごとに置くかで結論が出ていないのだ、という。

 ド・ムラン=ボーフォール大司教は、「私たちは、新制度によって、性的虐待被害者の認知と確固とした永続的な賠償の道を開きたい… 虐待に関与した司祭たちには責任を取らせるようにする」と明言。処罰などについては、「可能であれば、最初の道は教会法ではなく、民事裁判によるべきだ」と述べた。

 また、加害者が死亡している場合や、時効が成立している場合には、「私たちは、この国の法体系とは別の法体系を創設することはできない」とも述べ、「修復的正義」という道が残されているが、そのような選択をすれば、「批判を免れないことは承知している」し、「この任務を委ねられた人々の能力と、確固とした、議論の余地のない決定を下す能力を、確信する必要がある」と語った。

 関連して、大司教は、信者のみならずフランスの全国民に衝撃を与えた故アベ・ピエール神父の不祥事(フランスで路上生活者など社会的弱者への救済活動に尽力し、”聖人”とも讃えられていた同神父が、1970年代末から2005年にかけて7人の女性に対し性的暴行やセクハラなどを繰り返していたと、神父が創設した福祉団体「Emmaus International」が7月に調査報告書で明らかにしたこと)について触れ、「どれほど動揺し、不安定な状態に陥ったことか… 教会の記録は、1955年の米国訪問後に、彼が女性に対して暴力的な行動を取っていたことが知られていたことを明確に示しており、”措置”が取られていたことも明らか。だが、結局、すべてが忘れ去られてしまった」と深く反省した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。
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2024年11月12日