(2026.2.19 Crux By Associated Press)
米国 ニュージャージー州のフィラデルフィア郊外のカムデン教区が19日までに、聖職者による性的虐待被害者との和解金として1億8000万ドル(約200億円)の支払いに合意した。これは20年以上前に発覚した教会スキャンダルの最新事例だ。和解案は現在、破産裁判所の承認待ちとなっているが、教区は州の大陪審調査に対して長年抵抗した後、昨年ようやく受け入れたもの。
カムデン教区は、全米で見られるように、時効が緩和された後の被害者訴訟の急増を受けて、破産を申請した。以下は、米国のカトリック教会の教区が合意した、その他の大規模な聖職者虐待和解金のリストだ。これらを合計するだけで、米国の聖職者による性的虐待賠償支払いは11教区・1修道会で4500人以上の被害者に総額37憶ドル(5700億円)に上ることになる。
【フィラデルフィア大司教区】
フィラデルフィア大司教区は、2022年時点で聖職者による性的虐待被害438件の和解金として7800万ドル以上を支払った。2023年には追加の性的虐待事件の和解金として350万ドルの支払いに合意している。
【ロサンゼルス大司教区】
2024年、ロサンゼルス大司教区は、数十年に遡る聖職者による性的虐待の被害者1000人以上に8億8000万ドルを支払うことで合意した。サンタバーバラ郡、ベンチュラ郡、ロサンゼルス郡を管轄する同大司教区は、これまでに被害者へ7億4000万ドル以上を支払っており、総支払額は15億ドルを超えている。
【ニューオリンズ大司教区】
ニューオリンズ大司教区は、昨年12月に連邦判事が承認した和解案に基づき、聖職者による性的虐待の生存者数百人に対し、少なくとも2億3000万ドルを支払うことで合意した。この和解は数年にわたる交渉の末に成立し、将来の虐待防止策も含まれている。同大司教区は500件以上の虐待申し立てを個別に処理するのを避けるため、2020年に破産を申請した。
【サンディエゴ教区】
カリフォルニアのサンディエゴ教区は2007年、140件以上の聖職者による性的虐待申し立てを解決するため1億9800万ドルの支払いに合意した。同教区は2024年、数十年前における司祭らによる児童性的虐待を主張する追加訴訟約400件に対応するため破産申請を行った。これらの訴訟は、カリフォルニア州が2019年に児童性的虐待申し立ての時効を撤廃した後に提起されたものである。
【米国北西部のイエズス会】
イエズス会オレゴン管区は2011年、米国北西部で同会が運営する学校で虐待を受けた450人以上の先住民およびアラスカ先住民に対し、1億6600万ドルの支払いに合意した。また2007年、アラスカ州フェアバンクスにおける別の110件の性的虐待申し立てを解決するため、5000万ドルの支払いに合意している。
【オレンジ教区】
カリフォルニア州のオレンジ教区は2004年、約90人の性的虐待被害者と1億ドルの和解に達した。3年後、同教区はさらに4件の性的虐待訴訟を解決するため、700万ドルを追加支払うことに合意した。
【ポートランド教区】
オレゴン州のポートランド大司教区は2004年、100件以上の訴訟を解決した後、性的虐待疑惑をめぐりカトリック教区として初めて破産申請を行った。破産手続きが完了した3年後までに、同大司教区は300件以上の請求を和解し、請求額と弁護士費用として約9000万ドルを支払った。2019年には、聖職者による性的虐待の追加8件の請求を和解するため、約400万ドルの支払いに合意した。
【ボストン大司教区】
ボストン大司教区は2003年、500件以上の聖職者による性的虐待訴訟を和解するため8500万ドルの支払いに合意した。ボストンにおける性的虐待問題の規模は、米国および世界中で、司祭による広範な虐待と教会による隠蔽工作を明るみに出した。
【コビントン教区】
2006年、ケンタッキー州のコビントン教区は200人以上の性的虐待被害者に対し、法廷和解で8100万ドル以上を支払った。2020年に教区が発表した報告書によれば、1950年代以降、59人のカトリック司祭と教会関係者31人が児童への性的虐待を行っていた。