・米サンディエゴ大司教区が破産申請ー性的虐待被害者への損害賠償支払いに耐えられず…(Crux)

(2024.6.17 Crux  National Correspondent John Lavenburg)

ニューヨーク 発– 米カトリック教会のサンディエゴ大司教区の教区長、ロバート・マケロイ枢機卿は17日までに、教区の全聖職者と信徒に対し、 破産申請を行うことを通知した。同教区は、司祭、修道者、信徒が未成年者に性的虐待をした疑いで約 450 件の訴訟に直面している。

 米カリフォルニア州で破産を申請した 教区は今回で6つ。直近ではフレズノ教区が先月、破産を申請し、ほかにサンフランシスコ大司教区、サクラメント教区、オークランド教区なども申請している。

 マケロイ枢機卿は13日付けの通知で「過去 1 年間、教区は虐待の被害者の代理人弁護士と実質的で有益な交渉を行ってきました。そして、私は教区の指導者たちと協力して、今が正式に破産手続きに入り、破産手続きの一環として交渉を続けるべき時である、という結論に至りました」と説明。

 さらに破産について、「教区が、性的虐待の被害者に正当な補償を行うとともに、教会の本来の使命である教育、信徒司牧、貧困者や社会的弱者への支援を継続するための最善の道、と判断した」と述べた。

 今後の具体的方策としては、「被害者のさまざまな主張の間で公平性を実現するための枠組みを提供し、今後新たに被害を訴え出る性的虐待被害者に補償を行うための基金も設立する」とし、このような対応は、最終的な破産と和解を通じて「過去の性的虐待の訴えに対する法的責任に明確な結論をもたらす」と語った。

 教区には今後も困難が待ち受けているが、枢機卿は「ただ教会だけが、責任を負うべきと考えている。これから一年、この困難な道を進むにあたり、私たち全員が心に留めておくべきは、児童や十代の若者を直接虐待した人々の道徳的な過ち、そして彼らを配置転換したり警戒を怠った人々の同様に大きな道徳的な過ちが、私たちの間で、多くの男女の心と魂を押しつぶす心理的、精神的な傷につながっている… 未成年者を守るために過去20年間に私たちは大きく進歩したが、それは、私とカトリック教会共同体が引き続き負っている大きな道徳的責任を軽減するものではありません」と自戒の念をこめた。

 

 

*「被害者への正当な補償支払いを避ける試み」と被害者側弁護人は批判

 

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2024年6月18日