・教皇、「未成年者と弱い立場の成人保護委員会」の事務局幹部人事、次長に女性の元米国州警察幹部を任命

 事務局長に就任したアリ・エレーラ司教は、現在、南米コロンビアのカトリック司教会議事務局長。 1967 年にコロンビアのバランキージャで生まれ、ボゴタの神学校に通い、1992 年に司祭叙階。2007年にローマ教皇庁立グレゴリアン大学で心理学の学位を取得した。

 ボゴタ首都大司教区神学校の心理学オリエンテーション領域の責任者を2007年から2015年まで務め、発達心理学、社会心理学、司牧心理学を教えた。2015年、教皇フランシスコからボゴタ大司教区の補佐司教、教皇庁の未成年者保護委員会の委員に任命された。

Ms Teresa Morris Kettelkamp with Pope Francis
 事務局次長のテレサ・モリス・ケッテルカンプ氏は、長年、米イリノイ州警察に勤務し、幹部として、犯罪研究所と犯罪現場支援の責任者のほか、イリノイ州政府、議会における不正行為疑惑の調査などを担当、退職後は、米国の児童と若者の保護のための司教憲章の実践状況についての最初の年次監査を担当。
Ms Teresa Morris Kettelkamp with Pope Francis
 2005 年に米国司教協議会の児童・青少年保護事務局長となった後、2016年にバチカンの「未成年者や弱い立場にある成人保護委員会」に勤務、未成年者と弱い立場にある成人の保護、そして性的虐待被害者の治癒とケアのための普遍的なガイドライン策定に取り組んだ。2018年、教皇フランシスコから同委員会の委員に任命され、被害者の生存者の癒しと彼らの声を教会の奉仕に反映させることに重点を置いた作業部会の座長を務めた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

*「カトリック・あい」からお断り

 ・これまで「Pontifical Commission for Protection of Minors」をバチカンの「未成年保護委員会」と訳してきましたが、「minor」には、未成年をさすだけでなく、弱い立場にある成人をさす場合があります。最近の教皇を含めた関係者の言葉は明らかに両者を含めて、性的虐待から守る、という姿勢が示されており、日本の教会、特に高位聖職者などの間に「子供を守ればそれでいい」というような意識がみられるのを改めていただくためにも、「未成年者と弱い立場の成人保護委員会」と訳を改めることにしました。

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2024年3月16日