(2025.10.1 カトリック・あい)
聖職者による性的虐待で深い傷を負った女性信者が、所属(当時)修道会・神言会に損害賠償を求める裁判が二回目の年を越し、三年目に入ることが確定した。
10月1日午後4時から東京地方裁判所第615法廷で開かれた11回目の裁判で、今後の日程について、12回目は12月1日、13回目は年を越して2月9日に開くことが決まったもので、これまで原告側が希望していた来年春の結審は、担当裁判長の移動も予定されていることから断念せざるを得なくなった。
裁判の日程は、裁判長が原告、被告双方と調整して決めることになっているが、7月の10回目まではほぼ毎月開かれていたが、7月の段階で裁判長が来春に転出することが明らかになってから、傍聴席からやり取りを見る限り、被告の神言会の代理人弁護士側の都合で間隔を二か月以上に延びる結果になっている。このため、傍聴していた原告支援者からは、故意に引き延ばしを図り、聖職者の性的虐待の現状に理解のある現在の裁判長に判断させないようにしているのでは、との見方も出ている。
また、1日の裁判では、被告側が、「教区と修道会などの組織などについてもう少しはっきりと説明するように」との裁判長の指示を受けた形で提出した二枚の準備書面に関して、原告側から質問があった。準備書面では、教区長が高見大司教だった長崎教区の教会性的虐待を働いたとされる神言会所属(当時)の司祭は、同教会に2016年から2019年まで務め、2019年4月に東京教区の吉祥寺教会に異動した。「この異動は、この裁判で取り上げられている件に関連してなされたものではなかった」との趣旨が述べられている。
これについて、原告側は、「関連してなされたものでない、と言うなら、それを裏付けるような異動の基準が神言会にはあるはずではないか」、また神言会が長崎教区の教会から東京教区の教会に異動させた場合、東京教区にその人物についての報告は「当然されるものではない」と準備書面にあるが、「絶対に報告してはならない」と言うような決まりでもあるのか、と被告側に説明を求めた。これに対し被告側は即答できず、「確認してから答える」と説明を先延ばしした。
また、準備書面では、長崎教区長について当時の、高見大司教を実名で出しているのに対し、東京教区長については(神言会の会員である菊地大司教という)実名を出していない、ことに違和感を覚える関係者もいたようである。