・中央アフリカ共和国で司祭による性的虐待の訴え、隠蔽を告発された司教は否定の声明(CRUX)

(2025.7.25 Crux   Africa Correspondent Ngala Killian Chimtom)

 カメルーン・ヤウンデ 発– 中央アフリカ共和国(CAR)のカトリック司教が16日に発表した声明で、教区司祭が関与したとされる性的虐待事件について沈黙し、隠蔽したとの、別の教区司祭からの告発を否定した。

 この司教は、ムバイキ教区のイエス・ルイ・モリーナ司教。声明で司教は、アラン・レ・パトリック・モコパメ神父から出された告発を「噂、不正確な情報、歪曲された解釈」にるものであり、「事実関係を明確にする必要を感じた」と述べた。

 モコバメ師は、司教が教区の司祭による性的虐待事件に対して、沈黙を保ち、事実上”共謀”したとして告発していた。告発は、モコパメ神父が7月13日に司教総代理のポストを解任された直後に発表されたが、これが教区内で、モリ―ナ司教に対する幅広い抗議を引き起こし、一部のカトリック信者が聖体祭の式典中に鍋を鳴らして抗議デモを行った。司教の住居への不法侵入も発生している。 

 モリーナ司教は声明で、こうした抗議行動を非常に強い言葉で非難。「鍋を使ったデモや司教の住居への無断侵入は、教会精神にも、私たち全員が呼びかけられている”シノドスの道”にも反する」とし、教会は「対立の場でも政治の舞台でもない」と述べた。

 また、モコバネ師を司教総代理ポストから外したことについては、「この人事は司教の専権事項であり、対立ではなく共働の精神で行うもの… 総代理は、司教が自由に選択して協力を求める司祭。司教のライバルではない」と語った。

 

 

性的虐待の告発

 

  司教が隠ぺいしたとされる教区司祭による性的虐待については、匿名での小児性愛の告発がもとになっているが、司教は声明で「これは虚偽。私は、カトリック教会と共に、いかなる形態の性的虐待にも断固として反対し、これらの行為を常に明確かつ厳格に非難してきたことを宣言する」とする一方、告発を受けた後になって「被害者を支援するための措置が講じられた」と弁明。

 「モコパメ神父に180ドルを渡し、被害者が婦人科医の診察を受けるための費用に充てられたが、医師の診断では、暴力行為の物理的証拠は見つからなかったと結論付けられている。また、被害者と加害者とされている神父の両方に心理士が派遣された」と述べた。

 また、声明で、「中央アフリカ司教会議が任命した公式の調査官が率いる公式な教会法に基づく調査が、当時、未成年者保護委員会の長だったモコパメ神父による初期調査と並行して行われ、その後、場士官の教理省に付託された。だが、教理省は2023年4月、関与した人物が未成年者ではなかったため、管轄外と判断した」。これと前後して、「2023年1月16日に、教区がこの件を自国の司法当局に通知し、教区が提供した教会の記録を基に独立した調査が開始された」と説明。

 

 モコパメ師は、「司教が加害者とされる司祭の出国を助けた」と非難していたが、司教はこれを否定。「(出国の)決定は、弁護士から『入国と出国は自由にできる』と通知を受けた後、被告の司祭自身が下したもの。私はこの件について相談を受けておらず、承認もしていない」と述べた。

 

 司教はさらに声明で、加害者とされている司祭が福音宣教省に対し、「司教が民事当局に事件を不適切に伝えたとして告発した」ことを明らかにするとともに、同司祭に「真摯な対話」を呼びかけ、「全員が真摯に共感を再建する決意がある限り、和解と対話への準備は継続する」とした。

 最後に、司教は、教区の教会共同体コミュニティに対して、祈りで団結し、平和のために働くよう求め、「主が私たちの過ちと、私たちを傷つけた者の過ちを赦されますように…  全員が役割を果たせば、平和は可能になります」としている。

 聖職者による性的虐待のスキャンダルは、2002年に米国の有力紙、ボストン・グローブが発表した虐待に関する報告で、初めて大々的に明るみに出され、世界中で聖職者の性的虐待が表面化。いまだに性的虐待と高位聖職者による隠ぺいに対する訴えが後を絶たないが、今回の中央アフリカの問題も、カトリック教会における虐待と隠蔽の”普遍的な性質”を浮き彫りにしている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2025年7月26日