・ボリビアで30人の未成年者を性的虐待した元司祭が、18年の逃亡の末にウルグアイで逮捕

(2025.10.6  Crux  Contributor   Eduardo Campos Lima)

Ex-priest accused of abusing 30 boys finally detained in Uruguay after 18 yearsThe house in Uruguay where Juan José Santana Trinidad lived for 18 years after fleeing Bolivia.

 ブラジル・サンパウロ発 – 2005年から2007年にボリビア中東部のタパカリでカトリック宣教師をしていた男が、当時、未成年者30人に性的虐待をしたとして、ウルグアイの国家警察に逮捕された。

 この男は、元司祭フアン・ホセ・サンタナ・トリニダード。18年にわたる逃亡の末、9月26日にウルグアイ・サルト市の実家で国家警察に逮捕された。引き渡し手続きを終えた後、ボリビアへ移送される見通しだ。

 サンタナは、司祭・宣教師としてタパカリにあるアンヘル・ヘルミ寄宿学校を運営していた当時、8歳から17歳までの70人以上の寄宿生のうち30人を性的虐待した。このことは、2007年、地元の修道女が、性的虐待の現場に遭遇して明らかになった。当時、サンタナは38歳だった。

 被害者たちは、捜査当局の調べで、サンタナの行為の恐ろしさを明らかにした。少年たちを寄宿舎の自室に連れ込み、ドアを施錠したうえで、自慰行為から肛門性交に至るまで、様々な性的行為を強要した。

 当時、寄宿学校を管轄していたコチャバンバ教区のティト・ソラリ大司教は、事件発覚を受けて、司法当局への協力を約束し、被害者への支援も表明。2011年にサンタナの司祭職を剥奪した。

 サンタナは犯罪発覚直後にボリビアを脱出し、ウルグアイにある実家にこもった。散歩のため数分間だけ外出する日々を送っていたが、記者たちが少なくとも3回、サルトで彼を見つけ接触した。

 直近では8月、ウルグアイ紙『エル・パイス』の記者が同市で彼に話を聞いたが、サンタナは毎回、「全ては昔の話。語るのが難しい」と繰り返し、被害者やその家族への謝罪の言葉は一切聞かれなかった。「打ちのめされている。言えるのはこれだけだ。あの事件以来、生きる意味を見失った…言葉が出ない…家族や両親のことばかり考えて、彼らと共にこの苦難を乗り越えようとした。どうにもならない状況もある。自分の力ではどうにもならないことが」とサンタナは2023年、ボリビア紙『エル・デベル』の記者エリック・オルテガに語った。

 ボリビアの捜査当局が国際刑事警察機構(インターポール)に彼の逮捕を正式に要請し、ジャーナリストが彼の居場所を容易に突き止めたにもかかわらず、ウルグアイの捜査当局は当時、彼を逮捕しようとしなかった。ウルグアイのカトリック教会の最高位聖職者であるダニエル・ストゥルラ枢機卿は、「犯罪は、ボリビアで発生しており、ウルグアイの教会はサンタナに対する苦情を一切受けたことがない」と報道陣に語っっていた。

「有罪なら、彼は自らの行為に責任を取らねばならない」とストゥルラ枢機卿は地元テレビ局Canal 12のニュース番組Telemundoで語り、ボリビア司教協議会の法律顧問スサナ・インチ・サインツはCruxに対し、「教会はスキャンダル発生時にサンタナの責任追及のために可能な限りの措置を講じたが、彼を拘束する権限は持たない」と弁明。「当時、ソラリ大司教は事件を知ると捜査当局に直ちに報告し、全面的な協力を約束した。しかし、当時捜査対象だった人物の拘束は保証されなかった」と述べた。

 また、「当時、この種の状況への適切な対応に関する教会法上の規定は、今日のように明確ではなかったが、ソラリ大司教は、この事件を公にして捜査当局に通報し、司祭職はく奪の教会法上の手続きを踏んだ… 教会は自由の権利を制限できず、拘束や投獄の権限も持たない。それは裁判所の専属管轄権であり、この場合はボリビア司法の管轄です。被告の居場所が報道を通じて既に判明していたにもかかわらず、ボリビアの捜査当局が、当時もその後も必要な予防措置が取られなかったのは不可解です」とも語った。

 ボリビア教会性虐待被害者ネットワークのスポークスマン、エドウィン・アルバラドは『Crux』の取材に対し、サンタナが長期間にわたって処罰を免れてきたことに疑問を呈するとともに、「今回の逮捕は真実と正義に向けた重要な一歩です。身柄引き渡し手続きを経てボリビアに移送されたことで、ようやくボリビアで裁判にかけられ、被害者たちに対する何らかの正義が実現すると考えている」とし、地元市民団体からも支援を受けている被害者たちと連絡を取り合っており、今後もこの事件の経過を見守っていく、と強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2025年10月9日