Pope Francis addressing the Vatican Commission for the Protection of Minors (Vatican Media)
(2023.5.5 Vatican News Lisa Zengarini)
教皇フランシスコは5日開かれたバチカンの未成年者保護委員会総会で、出席した委員たちに対して、委員会の活動が困難で「あまり良い方向への変化が見られない」との印象を与えていることにひるむことなく、粘り強く、前に進むよう求められた。
そして、「教会の置ける性的虐待を防ぐために、聖職者、修道者の行動に関する規範と基準を改善する努力を続けねばなりません」と語られた。
委員会はフランシスコが教皇に就任された翌年の2014年に設置されたが、総会は昨年6月に出された使徒憲章「Praedicate Evangelium」で教理省に位置付けられて以来、二度目となる。
総会の議題は、世界各国の司教協議会がまとめる未成年保護に関する報告書の年次監査を行うとされている委員会の職務の見直し、 5 年間の活動計画の見直しのほか、委員会の作業方法、役割、責任をいかに明確にするかについての率直な意見の交換などが予定されている。
*危機に直面して、教会は沈黙したり、活動を止めたりしない
その一方で教皇は、「教会が沈黙したり、活動を止めたりしているわけではありません」とされ、虐待の告発を受け止め、被害者のケアの体制を進めることを世界の教会に求める自発教令「Vos Estis Lux Mundi」を最近、再確認したことを指摘。
「 被害を訴えた人達に対して、司教や修道会の上長に、自身が犯した虐待や隠蔽の責任を負わせること、この自発協定の定めは、恒久的に実施される」ことを確認されたうえで、「今日、『教会における性的虐待の現実に影響を受けていない』と正直に言い切れる人は誰もいない」と強い言葉で念を押された。
*虐待被害者、家族、友人たちの人生の修復を助けよ
さらに委員たちに対して、教皇は、性的虐待によって破壊された「多くの被害者の家族や友人などの人生」を修復するのを助けるよう求められ、次のような最近の体験を語られた。
「私は虐待被害者のグループと面談し、率直な意見を聞きました。彼らは、約 50 年前に通っていた学校を運営する宗教施設の指導者との面会を希望していました。全員が高齢で、『余生を平和に過ごしたい』と願われた方がいましたが、 彼らにとっての『平和』とは、自分を傷つけた教会との関係を修復することを意味するのです」。
*教会のための償いの瞬間
また、委員たちに、行動において、優しくあり、互いに重荷を負い、不平をもらすことなく、「教会のための償いのこの瞬間が、救いの歴史のさらなる瞬間に取って代わられること」を念頭に置くように勧められ、「今こそ、前の世代と苦しみ続けている人々に与えられたダメージを修復する時です」と訴えられた。
そして、教皇としての過去 10 年間に、さまざまな教会が性的虐待に対処するための専門知識を提供してくれたことを思い起こされ、「未成年者や脆弱な人々を保護することの重要性は、すべての人に共通のルール… すべての人の尊厳を文化や経済的、社会的状況とは関係なく守るための、正しい行動と健全な生活様式が普遍的なルールにならねばならない」と強調。
さらに「教会のすべての司牧者は、信者に奉仕する方法においてこのルールを守らねばならず、すべての信者は、教会共同体を率いる人々から敬意と尊厳を持って扱われなければなりません」と説かれた。
*問題対処への専門知識を教皇庁と共有するように
講話の最後に教皇は、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの虐待被害者への教習プログラムと支援の拡大を通して、教会内の不平等に対処する委員会の計画を承認するとともに、福音宣教のための世界各国の教区との最近の協力協定を評価され、教皇庁と、この複雑な問題に対処する専門知識を共有するよう求められた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)