(2024.3.15 Vatican News)
教皇フランシスコが15日、バチカンの「未成年者や弱い立場にある成人保護委員会(Pontifical Commission for Protection of Minors)」の事務局長にコロンビアのルイス・マヌエル・アリ・エレーラ司教を、事務局次長に米国の元州警察幹部のテレサ・モリス=ケッテルカンプ女史を任命した。いずれも、同委員会の委員を務めている。
Bishop Ali Herrera meets with Pope Francis (file photo)
委員長のショーン・オマリー枢機卿は人事発表後の声明で、今回の人事は「私たちの教会を子供たちや弱い立場にある人々にとってこれまで以上に安全な場所にするためのさらなる重要な一歩となるもの」と意義を強調し、新任の二人は「異なる背景を持っているが、ともに『安全を守る』という優れた才能を持っている。また、これまでの人生を教会に奉仕し、子供たちや弱い立場にある人々の幸福に対する共通の情熱を共有している」と活躍への期待を述べた。
また、枢機卿は、教皇フランシスコが同委員会に関して「任務の拡大」とその方向性を確認されたことを強調し、今回の人事をもとに、「委員会は、『保護』を教会の活動と奉仕のあらゆる側面でしっかりと根づくようにする道を歩み続ける」ことを確認した。
事務局長に就任したアリ・エレーラ司教は、現在、南米コロンビアのカトリック司教会議事務局長。 1967 年にコロンビアのバランキージャで生まれ、ボゴタの神学校に通い、1992 年に司祭叙階。2007年にローマ教皇庁立グレゴリアン大学で心理学の学位を取得した。
ボゴタ首都大司教区神学校の心理学オリエンテーション領域の責任者を2007年から2015年まで務め、発達心理学、社会心理学、司牧心理学を教えた。2015年、教皇フランシスコからボゴタ大司教区の補佐司教、教皇庁の未成年者保護委員会の委員に任命された。
Ms Teresa Morris Kettelkamp with Pope Francis
*「カトリック・あい」からお断り
・これまで「Pontifical Commission for Protection of Minors」をバチカンの「未成年保護委員会」と訳してきましたが、「minor」には、未成年をさすだけでなく、弱い立場にある成人をさす場合があります。最近の教皇を含めた関係者の言葉は明らかに両者を含めて、性的虐待から守る、という姿勢が示されており、日本の教会、特に高位聖職者などの間に「子供を守ればそれでいい」というような意識がみられるのを改めていただくためにも、「未成年者と弱い立場の成人保護委員会」と訳を改めることにしました。