(2025.1.30 Crux staff)
聖職者による性的虐待を調査告発する国際的な組織 BishopAccountability.org が30日発表した調査結果によると、フィリピンのカトリック教会で少なくとも82人の司祭と修道僧が未成年者への性的虐待で告発されている。
超過結果には、フィリピンで未成年に対する性的虐待の容疑で告発されたフィリピン人司祭、フィリピンで司祭職の一部を務めたが米国で未成年に対する性的虐待の容疑で告発されたフィリピン人司祭、そしてフィリピンで司祭職を務め他国(米国、アイルランド、オーストラリア)で告発された者が含まれている。
BishopAccountability.orgの共同ディレクター、アン・バレット・ドイル氏は、告発された司祭のうち少なくとも7人は、フィリピンの教区で引き続き現在も、あるいは先月まで司祭として活動しているとし、フィリピンの司教たちは、自らの教区における司祭による虐待に関する情報を隠蔽することに「深い権利意識」を持っている、と指摘。。
フィリピンの人口は1億1400万人を超え、その8割がカトリック教徒だ。BishopAccountability.orgは「他の国々では、カトリック司教に説明責任を負わせる外部メカニズムとして、被害者による訴訟、検察官による教会組織の調査、政府委員会による調査、地元のニュースメディアによる徹底的な調査などが挙げられるが、信徒数で世界第3位のカトリック教国であるフィリピンでは、こうしたメカニズムはほとんど、あるいはまったく存在しない」と批判している。
さらに、「今回の調査結果は、フィリピンのカトリック教会における虐待危機の独特な側面と、依然として多くのことが隠されたままであることを明らかにしている」とし、今回、告発されていることが明らかになった82人のほとんどの性的虐待行為は、2000年以降になされたものであり、問題の全体像のごく一部。この82人の聖職者のリストは氷山の一角にすぎない」。
「仮に、フィリピンの教会指導者が児童に対する性的虐待を法執行機関に報告することが義務付けられていたり、法制度がこうした行為に加担した教会指導者に対する民事訴訟を被害者が起こしやすくしていたり、聖職者による性的虐待の被害者がより広く支援されていたり、あるいは教区や修道会が検察や州の委員会によって調査されていたりすれば、告発される聖職者の数は、82人よりもずっと多くなっているはず」と述べている。
フィリピン司教協議会会長のダヴィッド枢機卿は声明を発表、未成年者を保護するために、大司教を長とする専任の事務局と、司教と専門家によるチームを設置したことを明らかにしたが、「ローマから託された我々の使命は、説明責任の問題を非常に真剣に受け止め、特に司祭による虐待疑惑のケースに関連するものと向き合うこと。フィリピンでは個々の司教が告発された司祭に対する権限を持っているが、個々の司教に対する直接的な懲戒の権限を持っているのは、バチカンを代表するフィリピン駐在大使だけだ」とも述べている。