【2016.10.8 CJC通信】教皇フランシスコは10月2日、来年中にインドとバングラデシュを訪問するとの予定を発表した。ジョージア(グルジア)、アゼルバイジャン歴訪からの帰路、特別機中で、来年の外遊予定を問う同行記者団の質問に答えた。
教皇は9月30日、出身国である南米アルゼンチンの国民に向けたビデオメッセージの中で「来年はアジアとアフリカで仕事の予定が入っている」と述べていた。□
【2016.10.8 CJC通信】教皇フランシスコは10月2日、来年中にインドとバングラデシュを訪問するとの予定を発表した。ジョージア(グルジア)、アゼルバイジャン歴訪からの帰路、特別機中で、来年の外遊予定を問う同行記者団の質問に答えた。
教皇は9月30日、出身国である南米アルゼンチンの国民に向けたビデオメッセージの中で「来年はアジアとアフリカで仕事の予定が入っている」と述べていた。□
(2016.10.6 バチカン放送)
「広報の日」は、毎年、聖霊降臨の前の日曜日に記念され、来年は5月28日。日本の教会では聖霊降臨の前々週の日曜日(復活節第6主日)に記念されるため、来年は5月21日となる。
【CJC160926】イタリアのキエーティで開かれていた正教会とカトリック教会の共同神学委員会が、教会史における首座問題で合意する声明を採択した。
声明は、シノドス(宗教会議)の組織問題と第一千年期に置ける首座問題に関するもので『神学対話のための共同国際委員会』で作成、発表された。
ジョージア(グルジア)正教会代表は、声明の言語について異議を出していたが、採択に反対はしなかった。
「首座」の歴史的機能に関する合意は、カトリック教会と正教会との対話で主要な障がいの一つ。
今回の声明は、教皇(ローマ司教)が東方諸教会に関しては教会法的な権威を発揮せず、「対等な中での第1人者」として振る舞うとしている。
今回の声明発表にも関わらず、対話の将来が懸念されるのは、次回の会合では「東方典礼カトリック教会」問題を取り上げるべきだとロシア正教会代表が主張したこと。結局、次回の議題は未定のまま、調整委員会に委ねられた。
【ローマ=CJC】
枢機卿9人で構成される『枢機卿協議会』が9月12日から14日まで教皇フランシスコと会合する、とバチカン(ローマ教皇庁)広報事務所が発表した。
会合の具体的な内容は明らかにされていないが、「ロマン・クリア」と呼ばれるバチカン上層部の改革案を検討するものと見られる。
教皇が8月17日、自発教令を通して、バチカン(ローマ教皇庁)に信徒・家庭・生命を扱う新組織設立を使徒的書簡「セドゥラ・マーテル」の形で発表していることを受け、今回協議会の中心課題となった模様。
2016.9.18 イネス・サン・マーチン CRUX バチカン特派員
9月10日から18日にかけて、教皇フランシスコが昨年中に任命した世界の150人を超える新司教たちを対象に、ローマで“赤ちゃん司教訓練キャンプ”と一部で言われる研修が行われた。2001年から始まったこの研修は、非公開だが、理解のある高位聖職者たちがその内容のさわりをソーシャル・メディアで共有しているので概要はつかむことができる。
一週間の研修は前年に教皇が任命した司教全員を対象とし、彼らの司教区の運営の仕方について教授するのが狙いだ。内容は、財政、家族司牧、司教と司祭との付き合い方、宗教間対話、デジタル・メディアを通じての宣教など多岐にわたる。
この研修で一つの文書全文が配布されたが、これは教皇フランシスコが16日の40分の講話のために準備したものだ。
その中で、教皇はまず、新人司教たちに、天職を果たそうとして「数のゲーム」にとらわれてはならない、質の高い、成熟した司祭―気まぐれな思いつきの餌食になったり、ひ弱さの奴隷となることのない、いつも神の求めに喜んで応じるような司祭―を育成することに力を傾けてください、と強く求めた。
さらに、自分の執務室を利己的な目的のために使わず、神の神聖さ、真理、愛を分かち合うために使うことを強調し、「世の中の人たちは虚言を振りまく雄弁家たち・・“流行を追う司祭や司教に嫌気がさしています。彼らは神の匂いに対する感覚をもっており、そうした聖職者たちの危うさに気づいています―そして、自己陶酔者、人を巧みに操ろうとしている者、自分の主義に固執している者、無益な社会運動を競り売りしている者だ、と判断すれば、そうした聖職者たちから離れていくのです」と警告した。
教皇はまた、彼らに自分たちが慈しみの特別聖年の期間中に司教に任命されたことを改めて思い起こし、そのために、一人ひとりが、ローマの一週間からそれぞれの司教区に持ち帰ることのできる最も「価値のある豊かさ」は、「あなたたちを見て、選び出した神の慈しみを自覚すること」だ、と述べた。「慈しみは、わたしたちの教会の司牧の構造を物心両面から形作るもの」であり、司教たちは、慈しみ深い司牧を行うように求められている。なぜなら、「神に愛されているという感激」を体験しているからだ、と続けた。
昨年のセミナー終了後に、司教協議会のトップで研修の担当者、マーク・ケレ枢機卿は、これまでの研修の成果を高めるための提案を求めていた。そこで明確に出てきたのは、聖職者による性的虐待への戦いと、弱い人々を守る教会の責任について、もっと強い対応の提示を求める声だった。
この問題がカトリック教会にとってどのような癌であるのか考え、バチカンは今回、将来の崩壊を避けるという観点から最良の慣行について、現在考えられる最も高い水準の提案を、司教たちに行おうと計画した。研修でこの問題の講師陣は、バチカンの未成年者保護のための委員会のメンバーで構成され、委員会の長であるボストンのショーン・P・オマリー枢機卿、聖職者による性的虐待の被害者のアイルランド人女性、マリー・コリンズ女史も入っている。またバチカンの性犯罪担当の前検察官、チャールズ・シクルナ現マルタ大司教も講義を受け持った。
委員会のメンバーたちは、特に昨年の研修との差が際立ったことを高く評価した。昨年は、講師を務めたフランスのトニー・アナトレラ師が、性的虐待の責任は被害者かその親にあるのだから、検察当局に対して被害の申し立てをしてはならない、と語っていたのだ。彼はまた、世界各地で現地の司教たちが進めている性的虐待防止や虐待把握の対策について、話そうとしなかった。
今回のセミナーでの、オマリー枢機卿の詳細な発言内容は明らかになっていないが、彼は、教皇が設けた9人の枢機卿顧問団のメンバーで、個人的なブログに次のような発言の抄録を載せている。
「三十二年前、私が司教に任命された時、このような研修はありませんでした。このような研修があり、子供たちの保護について話し合っていれば、教会の昨今の歴史はもっと別のものになっていたでしょう。しかし、教会は過去の過ちから学び、新たな道を歩むことができます。新たな道では、子供たちの保護に高い優先順位がつけられます。教会の生命にとってこれ以上に重要な課題はありません」。
「もし、教会が子供たちの保護を約束しないなら、福音宣教の努力は何の効果もない。私たちは信徒たちの信用を失い、世界から激しい非難を浴びるでしょう」。
枢機卿はさらに、研修の講師としてのコリンズ女史の参加の意味を強調し、教会の指導者が「被害者と会って、話を聞くことは、現在の多くの教会が置かれた状況の深刻さ、子供たちや弱い成人たちを守り、教会内外の数限りない性的虐待被害者をケアする教会の果たすべき役割について理解を始めるために重要だ、と力説した。
以上の抄録には出てこないが、何人かの研修参加者によると、枢機卿はまた、教区運営の透明性、説明責任、ゼロ容認の原則(暴力行為などに対して断固として法を適用する原則)の必要性について語った。
他の講師では、シリア・アレッポのジャン・クレメン・ジャンバール大司教が、中東におけるキリスト教徒の現状と、「なぜ神は今、目の前で起きているシリアの破滅をお認めになるのか」という信徒たちの問換えに対して答えねばならない悩みについて語った。
新人司教たちが、研修期間中も自分の教区の信徒たちや同僚とインターネットでやりとりすることが多く見られたが、参加者の一人、オーストラリアのリチャード・アンバース司教はフェイスブックでビデオを流し、154人の新人司教の資質についての印象を述べている。「皆、『フランシスコ効果』を見ることができる。ここに来た司教全員が素晴らしい男たち、良い司祭だ。聖職権主義はここにはない。まさに一致を生きるための何かがある」。
(2016.9.13 ローマ クリストファー・ラム TABLET)
教皇フランシスコは、アルゼンチン司教団が作成した使徒的勧告のテキストについて、勧告の意図が正しく理解できるように明確に伝えているとして賞賛した。教皇は、勧告のもととなった家庭をテーマに開かれた全世界司教会議(シノドス)の最終文書の説明文を承認したが、その説明文では、一定の条件のもとで、離婚、再婚した信徒が秘蹟を受けることを認めている。
アルゼンチン・ブエノスアイレスの司教団は、このほど、ある文書を発出した。同文書は、「兄と妹」のように暮らすことが不可能と判断し、婚姻の無効を獲得できず、「識別の旅」の途上にある場合、「そのような再婚した男女は聖体を拝領することができる」としているが、その一方で、教皇の使徒的勧告は「神との和解と聖体拝領の秘蹟に近づく道に可能性を開く」ものであっても、「無制限に近づく道」と見るべきではない、と強調している。
教皇フランシスコは、司教団の文書は使徒的勧告の理解の仕方を適切に解説しており、「これ以上の解説はない」と讃えた。重視すべきは、このような教皇の反応が、バチカンの公式紙オッセルヴァトーレ・ロマーノに掲載されたことだ。同紙はこのところ、教皇が承認した勧告の解釈を示す多くの記事を載せている。
ブエノスアイレスの司教団はテキストで、特別に、教皇が脚注に「『一定の条件』のもとで、離婚、再婚した信徒に対し秘蹟を与えることができる」と書いている使徒的勧告第八章について、熟慮した結果について書いている。
今年4月にギリシアのレスボス島から帰国する途中の専用機内で、教皇は、脚注に文章を付け加えるのを「忘れ」、再婚した信徒の聖体拝領の是非について明確な判断をするのを慎重に避けた、と語った。
だが、教皇が司教団の考えに賛意を示したことは、使徒的勧告「愛の喜び」の中心になっているものと整合している。つまり、歴代の教皇は教義上、あるいは道徳上の問題を一つ一つ解決する必要はないこと、それぞれの現地の教会が自身のガイドラインを決めることができることを意味しているのだ。
同時に教皇の最近の動きは、「教皇フランシスコの家庭に関する文書で、離婚、再婚した信徒の聖体拝領を認めていなかったではないか」と論争を挑もうとしていた保守派を怒らせているようだ。さらに最近では、教皇に対して、文書の表現を明確するように求め、教義上の誤りがいくつもあると主張する動きもある。
教皇は世界代表司教会議(シノドス)で意見を戦わせることを奨励し、その結果、使徒的勧告「愛の喜び」が生まれたが、一方で、彼の文書が教会の伝統を破るのか、それとも司牧的慣行に重要な変化をもたらさないのか、ということで議論を挑む反対解釈に敏感になっていた。
こうしたことから、教皇は、オーストリアの枢機卿で、カテキズムの編集者で著名な神学者、 クリストフ・シェーンボルンを、勧告の公式解説者に指名したのだ。
(2016.8.31 CRUX バチカン特派員・イネス・サン・マーチン) 教皇フランシスコは31日、人間開発を推進する新たな組織の設置を公表した。新組織は、バチカンの既存の四つの組織-正義と平和評議会、慈善事業援助事業、移住・移動司牧評議会、保健従事者評議会-を再編統合して作される。フランシスコは教皇就任当初から、貧しい人びとへの正義、紛争の解決、彼が「throwaway culture 棄てる文化」と呼ぶものとの戦いを、カトリック教会の至上命題することを訴えており、これらを受けたものだ。
新年1月1日に発足し、初代長官には、教皇の新任が厚く、アフリカ出身者では最高位のピーター・タークソン枢機卿が就任する。
新組織の扱う重点事項は、移民、助けを必要とする人々、病苦に苦しむ人々、社会から排除され、粗末に扱われている人々、受刑者、失業者、武装闘争に巻き込まれた人々、自然災害の犠牲者、新湯吊形の奴隷扱いや拷問の被害者への対処となる見通し。難民・出稼ぎ労働者問題担当部門は当面、教皇のもとに置かれる予定だ。
複数のバチカンの官庁の再編統合は、教皇フランシスコが重要課題としている広範な教皇庁改革の一環。今回の強力な新官庁の設立公表は、二週間前に、やはり複数の組織の再編統合による強力官庁、「 信徒・家庭・生命省」の設立が公表されたのに続くものだ。いずれも、教皇が世界中から選んだ9人の枢機卿で構成する顧問団との対話から生まれた。
(2016.8.17バチカン放送) 教皇フランシスコは、自発教令を通して、バチカンに信徒・家庭・生命を扱う新組織を設立された。
長官に米司教(2016.8.17 CRUX)
(2016.8.3 CRUX) 教皇庁は8月2日、「女性の助祭職について検討する委員会」を設置すると発表した。委員会は米国、ドイツ、イタリア、スペインの男性7人、女性6人の学者、聖職者で構成し、委員長には教理省次官のルイス・フランシスコ・ラダリア・フェレール大司教が就く。委員の中には、米紙『ナショナル・カトリック・レポーター』のコラムニストで、女性と助祭に関する著作もあるリス・ザガノ女史など女性の助祭職に前向きな意見をもつ女性も2人はいっており、女性助祭導入を支持する関係者の間に具体的な成果を期待する声が出ている。
カトリック教会内部では司祭に次ぐ助祭に女性がなることの是非の議論が高まっており、5月初めに教皇フランシスコが世界の女子修道会代表と会談した際に、正式にこの問題に関して調査する機関を設けることを約束していた。教皇はまた「教会の意思決定に女性の声をもっと聞く必要があり、わたしたち男性と異なる考え方をする女性の意見を聞かずに、適切な決定をくだすことはできない」との考え方を表明していたが、7月に、教皇庁の副報道官に初の女性を任命するなど、すでに実際の行動に移している。
*CRUXは米国の有力日刊紙「ボストン・グローブ」が創刊し、現在はKnights of Colombus など米国のカトリック団体・個人の支援を受けて発行しているカトリック専門のインターネット・マガジンです。バチカンや世界のカトリック教会の事情に精通した執筆者をそろえ、公正、的確な報道で高い評価をえています。「カトリック・あい」は、発行者から許可を受け、CRUX掲載記事の日本語への翻訳・転載を随時行います
(2016.7.11バチカン放送) 教皇フランシスコは、7月11日、バチカン広報局長、フェデリコ・ロンバルディ神父の引退願いを受理し、後任として現在の副局長、グレッグ・ブルク氏を任命された。また、教皇はこの交代に伴い、バチカン広報局の新しい副局長に、パロマ・ガルシア・オベヘロ氏を任命された。オベヘロ氏は初の副局長。
(2016.8.12 オーステン・イブリー Crux)
世界中で起きている深刻な司祭不足に対処するため、教皇フランシスコは、次回シノドスで司牧の問題–既婚男性の司祭叙階で事実上、二通りの司祭職をもうけることの是非も含めて–を検討することを決断する可能性が強い。
家庭をテーマにした労多く、また実り多いシノドスのあと、一つのことがはっきりした。それは、教皇が現代教会の抱える重要な課題と精力的に取り組むことのできる識別ための手順を作ったことだ。これまでになかったシノドス開催の手順-全世界規模の事前の意見聴取を年に一度のペースで二回開かれたシノドスごとに行い、シノドスの結果を踏まえて、次世代の司牧戦略を再設定する教皇文書(使徒的勧告「愛の喜び」)がまとめられた-は、重要な課題は一方的に問題提起をするにはも大きくなり過ぎたことを意味した。
教会の結婚の準備と離婚についての扱いのような大きな問題を話し合えたのだから、ほかの深刻な問題を扱うことも可能だ。そしてそうした問題の筆頭は司牧に関するものだ-秘跡にあずかる条件、女性や一般信徒の役割、そして助祭の役割もそれに含まれる。
関係者の中には、司牧が2018年から2019年に開かれる可能性のある次回シノドスの主題になるだろう、という見方がでている。これが緊急の問題だということは誰も疑わない。全世界の半分以上のカトリック教会共同体が常駐司祭をもっていないのだ。
一例をあげよう。ブラジル・アマゾン地域のジングウ教区はドイツほどの広い土地に、800の小教区あるいは宣教修道会があるが、司祭は27人しかいない。これは、信徒の三分の二以上が一年に二回か三回しか日曜のミサにあずかることができない、ということを意味する。これは極端な例かも知れないが、発展途上の国々では町も村も、信徒に対する司祭の比率は、豊かな北の国々よりもずっと低い。それは担当地域が広く、信徒の増加に司祭のの養成が追いつかないためだ。
一方で、ヨーロッパでは、カテキスタや一般信徒が、教区司祭がめったに訪れない小教区を実質的に運営せざるをえない、という衝撃的なことが起きている。
すでに中南米の司教たちは2007年5月にブラジルで開い全体会議で、相当数の出席者が、信徒たちの秘跡に参加する機会が不足しているという深刻な問題を議題に取り上げることを希望した。だが、バチカンの代表が、ローマの意向なしにそのようなことを議論する時間も場所もない、と断言して立ち消えになった。
その時のヴエノスアイレス大司教、この会議の最終文書のまとめ役だった、はそのような問題を扱うことの重要性をよく認識していた。それより二年前に行われたミサ聖祭に関するシノドスで、どれほど司教たちが離婚して再婚した人々への秘跡のあり方について議論しようとしているかを知ったようにである。ブラジルでの司教会議で、司教たちは「シノドスはそのような問題を議論する場ではない」と言われ、ベルグリオ枢機卿もそれを受け入れた-その経験が、彼が教皇に選ばれたあとで、そのような議論を可能にするようなシノドスの形を導入したのだった。
民法上の離婚、再婚をした信徒に対する秘跡のあり方は、家庭をテーマにした先の二回のシノドスでは神経を痛めるような問題であり、反対派に取り巻かれたが、今後開かれる司牧に関するシノドスでは司祭不在の小教区の問題が同じような扱いになるだろう。また離婚、再婚者の問題に対する議論では、ドイツのウオルター・カスペル枢機卿が、東方教会の対応を参考にするようにとの、議論を呼びそうな提案をしているが、これは司祭不在の小教区の問題の一つになる。
司祭不在の小教区の問題に対して、南アフリカ・ダーバン在住のフリッツ・ロビンゲル・引退司教は、特定の小教区限りで秘跡を行うことが認められるような一般信徒を短期養成することで対応することを、以前から提案している。彼は、半世紀の間にアフリカはじめ世界中を巡り、多くの人里離れた地域の教会共同体が経験を積み、責任感の強い一般信徒によって運営されているのを見てきた。その経験からの提案だ。司祭、と呼ぶことはしないが、実質的に、二通りの司祭職が存在することになる。
ロビンゲル司教は、新約聖書の使徒言行録14章23節以降で、パウロとバルナバが出来たばかりのキリスト教共同体の中で、「長老たち」を任命していることが書かれており、彼らは年齢よりもリーダーとして成熟しているか、あるいは適格かどうかで選ばれていた、と指摘している。彼らは複数の男性で構成され、外部から派遣されるのではなく、共同体のメンバーの中から選ばれ、家庭を持ち自分の本来の仕事を続けながら、パートタイムで共同体の管理運営をしていた。このことは、何世紀にもわたって、地域の共同体のメンバーの中から選ばれた地域のリーダーが存在し、その存在価値が証明されていたのだ、としている。
教皇フランシスコは、既婚者の司祭叙階についての議論を始めることに前向きのサインをたくさん出しており、現場の教会にそうした提案を出すよう促してさえいる。さきに挙げたブラジルのジングウ教区長のエルウイン・クロイテル司教によると、2014年4月に教皇に個別謁見した際、司祭不足がどれほど中南米の教会に影響を与えているかについて意見を交わし、教皇はメキシコのある教区では小教区がミサを捧げるために叙階されることが必要な助祭によって管理運営されている例もある、彼の提案はいくつかの「興味ある仮設」のひとつであり、ローマに持っていけるような大胆で具体的な提案をブラジルの司教会議としてまとめるように求めた。
こうしたクロイテル司教の考え方を支持するブラジルの神学者、アントニオ・ホセ・アルメイダは,最近出した著書「新たな司牧のあり方」で、ホンジュラスでは、「御言葉の代理人」が4万人、チアパスには400人の既婚の地域助祭がおり、使徒言行録に基礎を置いた長老的役割の人々が登場する兆候が見られる、としている。
アルメイダはブラジルの教会の代表にこの問題を反映するように助言している。その中には、教皇に近い二人の枢機卿も含まれている。もし、彼らが、「地域長老」を叙階は司祭不足の解決だけではなく、聖霊が教会に出している合図だと結論すれば、教皇がこの問題を討議するシノドスを招集する可能性が極めて高くなるだろう。ロビンゲルは英語版の新作、「The Empty Alter(空の祭壇)-教区司祭の不足についての議論を助ける絵入りの本」を近く刊行する。早めにシノドスの準備をしようとする方には、必読の書になるだろう。
