・ 「教皇訪日への強い期待とキリシタン文化へ高い関心を知った」-バチカン図書館館長が訪日の印象

バチカン図書館館長チェーザレ・パシーニ師バチカン図書館館長チェーザレ・パシーニ師  (AFP or licensors)

(2019.11.4 バチカン放送)

 大分市で開かれた「マレガ・プロジェクト国際シンポジウム」出席等のため10月末、日本を訪れたバチカン図書館館長のチェーザレ・パシーニ師が帰国後、バチカンニュースのイタリア語放送を通し、「マレガ文書」や、11月23日から26日に予定される教皇フランシスコの訪日について語った。

 マレガ文書は、サレジオ修道会のマリオ・マレガ神父(1902-1978)が、戦前大分県で収集し、戦後バチカンに送った古文書史料群。シンポジウムでは、その修復や研究の進展などが発表された。

 パシーニ館長は今回の訪日について「『訪問者に対する心遣いや和やかさを表すしるし』である素晴らしい『もてなし』の伝統に、いつもながら感銘を受けた」と述べたうえで、臼井市、大分市、長崎市への訪問を通じて、マレガ文書の保存、研究が日本の関係者との協力で、順調に進み、成果をあげていること、バチカン図書館では、すでに同文書の修復、整理、デジタル化を終え、さらなる研究の進展、データベースに基づく文書の組織化を待つ段階であることを明らかにした。

 まら日本の関係者からはこの文書の保存・研究に積極的な協力を受け、「日本の人々のカトリック教会に対する対話と尊重への気持ちを感じた」と語るとともに、日本の人々にとっても、マレガ文書が当時の社会の断面図を知るためのさらなる研究を刺激することを希望した。実際、九州訪問中に、日本の人々のキリシタン文化や遺跡に対する大きな関心を感じた、という。

 教皇フランシスコの訪日については、日本の人々の関心が高まっており、「今回の大分での会議や、バチカン使節への丁重な歓迎も、訪日する教皇に対する敬意の現れと感じた」と述べ、九州訪問が「教皇の訪日を待ち望み、長崎での教皇ミサや他の行事に参加を希望する人々の熱意はもとより、キリスト教に対する人々の広い興味にも触れることができる機会」となった、と振り返った。

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2019年11月6日