2025年5月10日 (土) 週刊大司教第208回:復活節第四主日C
復活節第四主日です。
教皇選挙については、できる範囲で別途記します。以下、本日午後6時配信、週刊大司教第208回、復活節第四主日メッセージです。
【復活節第四主日C 2025年5月11日】
ヨハネ福音は、羊飼いと羊のたとえ話を記しています。「私の羊は、私の声を聞き分ける」と主は言われます。復活の命への希望へと招いてくださる羊飼いである主イエスは、私たち羊をよく知っておられます。先頭に立って常に旅路をともに歩んでくださいます。そして常に呼びかけておられます。
問題は、先頭に立って私たちを導いてくださる羊飼いとしての主の声を、果たして私たちがしっかりと聞き分けているのかどうかでしょう。
現代社会はありとあらゆる情報に満ちあふれ、人生の成功の鍵という魅力的な誘惑で満ちあふれています。選択肢があればあれほど、決断が難しくなり、多くの人がその波間を漂いながら時を刻んでいます。その中で、希望の道へと招いてくださる牧者の声に耳を傾けることは、容易ではありません。
それだからこそ、故教皇フランシスコは”シノドスの道”の歩みを最優先事項とされていました。教会は、2028年の予定されている教会総会に向けて、”シノドスの道”を共に歩みながら、互いに支え合い、耳を傾け合い、祈りのうちにその導きを識別しようと努めています。羊飼いの声を聴き分ける羊となろうとしています。
復活節第四主日は、世界召命祈願日と定められています。この祈願日は、教皇パウロ六世によって、1964年に制定されました。元来は司祭、修道者の召命のために祈る日ですが、同時に、シノダル(共働的)な歩みを続ける教会にあっては、すべてのキリスト者の固有の召命についても、黙想し、祈る日でもあります。牧者の声を識別する役割は、すべてのキリスト者の務めであるというのが、シノダルな教会の一つの特徴です。
今年の祈願日のメッセージを事前に用意されていた故教皇フランシスコはその中で、「召命とは、神が心に授けてくださる尊い賜物であり、愛と奉仕の道に踏み出すべく自分自身の殻から出るように、という呼びかけです。そして、信徒であれ、叙階された奉仕者であれ、奉献生活者であれ、教会におけるすべての召命は、神が、世に、そしてご自分の子ら一人ひとりに、糧として与えてくださる希望のしるしなのです」と語っておられます。
その上で、世界がめまぐるしく変わる中で翻弄されて道を見失っている若者たちに、特にこのように呼びかけておられました—「立ち止まる勇気を出して、自らの内面に聞き、神があなたに思い描くものを尋ねてください。祈りの沈黙は、自分自身の人生においての神からの呼びかけを読み取るために、そして自由意志と自覚をもってこたえるために、欠かすことができません」と。
第二バチカン公会議の教会憲章に、信徒の召命について、「信徒に固有の召命は… 自分自身の務めを果たしながら、福音の精神に導かれて、世の聖化のために、パン種のように内部から働きかけるためである」(31項)と記されています。
牧者であるキリストの声は、私たちだけでなく、すべての人に向けられています。それを正しく識別するために、キリスト者の働きが必要です。「自分自身の務めを」社会の中で果たしながら、「パン種のように内部から働きかける」召命を生きる人が必要です。「福音の精神に導かれて、世の聖化」のために召命を生きる人が求められています。
(編集「カトリック・あい」=このメッセージは、教皇フランシスコが帰天される前に用意されたものと思われます。今の時点に合わせて手直しをしてあります)
