+「喜びの時も、苦しみの時も、イエスに耳を傾けて」ローマの小教区司牧訪問で

ローマの小教区を訪問した教皇フランシスコ

(2018.2.25 バチカン放送)

 復活祭に向けた準備の時、「四旬節」を迎えているが、教皇フランシスコは25日、ローマ市郊外のポンテ・マンモロ地区にある聖ジェラシオ1世教会を司牧訪問され、信者たちを励まされた。

 教会が保護者とし、その名をいだく聖ジェラシオ1世(聖ゲラシウス1世)は、カビリア(アルジェリア)の出身の、5世紀末の教皇。小教区は、1950年代から70年代の間に発達した住宅街の中に1972年に創設され、そのシンボルである教会は、1992年に献堂された。

 教皇はこの日、教会付属の運動場で初聖体準備中の子どもたちや、オラトリオで活動する若者たちと交流された。あいにくの雨となったが、教皇は子どもたちに「天気には雨や曇りや晴れの日があるように、人生にも雨の時も晴れの時もあります」と語りかけられ、「重要なのは、人生のどのような空模様の時でも、イエスと常に一緒に前進するです」と強調された。

 続いて、教会付属の集会室で病気の人やお年寄りとお会いになり、教会への貢献に感謝を述べられ、「人々への愛情や、祈りをもって、熾火(おきび)のように信仰の火を保ち、証し続ける人々を世界は必要としています」と語って、皆を励まされた。

 また、この教会で支援を受けている2人のガンビア出身の青年や、イタリア中部地震の被災者家族とも言葉を交わされ、数人の信者たちの告解を聴かれた後、ミサを捧げられた。

 ミサの説教で教皇は、この日の福音朗読箇所、マルコ福音書の「イエスの変容」(9章2-10節)を観想され、イエスは変容のエピソードで、弟子たちに、天における、栄光に輝くご自身の姿を前もって現されたが、「それは、メシアの『受難』と『十字架上での死』というつまずきに、弟子たちが耐えるようにとの準備でした」と話された。

 弟子たちはイエスに、勝利に満ちた解放者であることを期待していたが、イエスは十字架という辱めを通して勝利されることになっていた。これは弟子たちには耐えられないことであり、そのためイエスは十字架の後に来る栄光を先立って弟子たちにお見せになった。

 ここで、教皇は2つのメッセージを示された。ひとつは、「イエスは、私たちが試練に耐えられるように、常に準備してくださる・・苦しみや困難の時にも、前に進む力を与えてくださり、私たちを決して見放されない」ということ。もうひとつは、イエスが変容された際に弟子たちが聞いた「これは私の愛する子。これに聞け」(マルコ9章7節)という神の言葉。「喜びの時も、苦しみの時も、人生のあらゆる時に立ち止まり、イエスに耳を傾けるなら、イエスは常に私たちがすべきことを教えてくださる」ということ。

 「試練の中に、イエスの栄光を思い出す」ことと、「人生の様々な時に、私たちの心に語りかけるイエスに耳を傾ける」こと。この二つを心に留めて四旬節を過ごすように、信者たちに勧められた。

(バチカン放送日本語版をもとに『カトリック・あい』が編集しました)

 

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2018年2月27日