ガランティーノ司教によれば、この本の第一の主題は、教皇が力を入れようとする「高齢者と若者の関係」だが、ほかにも重要なテーマが四つある、という。教皇は「"親の世代"を迂回」しており、若者たちは常に守られ、保護されてねばならない、とは考えていない、と言い、学校で何があろうと子供たちを守り、彼らの欠点に盲目な多くの親たちを実例として挙げた。
さらに、この本で教皇が示されている「自分が老いていくのを受け入れず、永遠に若くあり続けたいと望む大人たち」に関する啓蒙的で、容赦のない現状分析を挙げ、「教皇は、『子供のように振る舞いたがる大人たちが多すぎる』と言われているが、そのような振る舞いは悪魔の戯言です」と言う。教皇はこの本で、「大人がどうやって子供と競えるのか、理解できません」と語っている。
また、教皇は大人による過ち-教会における過ちも含めて-にも触れ、彼らは自分たちが価値を置く世界-消費主義、ゴシップ、誤った市場システム、傷められる地球など―から離れることがなかった、とも指摘している。「教会にもそうなった責任があります。しばしば"葬式"のように受け取られ、人を引き付ける魅力に欠けていました」と司教は付け加えた。
本の最後に、教皇はまた、政治的なリーダーシップの重要性について語っている。「統治は私たち一人ひとりに奉仕するものです。誰一人忘れることなく」と強調し、リーダーにとって最悪の過ち、あるいは罪とは何か、とのレオンチーニ氏に問いに対しては「最悪は"自分自身を破壊する"こと。次に"愚かであることを認識しない”ことです」と答えている。
そして司教は「この80歳の人物は、私たちすべてに、ひたすら、ともに歩むように働きかけている」と述べ、この本が読者に伝えようとしているのは「若い人々の心を理解するのに、歳は重要ではない」こと、とした。彼によれは、教皇は"使い古した政治的に正確な手立て"を超え、信仰を眠らせ、霊的な空洞状態にある人々の心に直接訴えかける言葉とコミュニケーションを使っている、と言う。「彼は、私たちの目を覚まし続けておられます。例外なしの教理を心配して信念を曲げることはされません。私たちを理解させる、特に福音を私たちのものにすることのできる対話のスタイルをとり続けています」と強調する。
また、レオンチーニ氏はこの記者会見で、彼が教皇と交わした対話の経験から、教皇のコミュニケーションのなさり方を考察し、自分が教皇に「あなたが最も恐れておられるのは何ですか」と聞いた時に、教皇が「それは、愛されていない、ことです」とお答えになったことを思い返した。そして、さらに「そのような恐れを、どのようにして乗り越えるのですか」と質問したところ、教皇はこうお答えになったという。「真実を求めることで乗り越えた、と思います。もし人々が、私の本当の姿を愛してくださったら、私は愛されないことが決してないでしょう」。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
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