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(2017.5.19 Junno Arocho Esteves AUTHOR CRUX) 教皇フランシスコは19日、お住いの「聖マルタの家」でのミサの説教で、「教義がイデオロギーになる時」の危険について警告された。「キリスト教共同体を分裂」させる者は「彼らの心が聖霊の業に対して閉じられている」からそうするのだ、と付け加えられた。
ローマ発-「教義をイデオロギーに変えるキリスト教徒は人々の魂を動転させ、教会を分裂させる重大な誤りを犯します」と教皇は語られた。教皇は、教会のそもそもの始まりから、「権限を持たず」に説教をし、「明らかにされていないことを狂信」してしまう人がいた、としたうえで、「これは問題です。イエスが『聖霊があなたを教え、私が教えたことを思い起こさせる』と語っているように、教会の教義は福音書からもたらされ、聖霊によって吹き込まれたのです。その教義がイデオロギーになった時・・。これがそのようにした人々の最大の過ちです」と指摘された。
教皇はこの日のミサの第一朗読、使徒言行録15章22節~31節を取り上げた。この箇所では、使徒や長老たちが長い論争の末に、「モーゼの習わしに従って割礼を受けなければ、救われない」とユダヤ人の慣行に従うように命じられて困惑するキリスト教に改宗した異邦人を支えるために代表を送った。使徒たちは異邦人たちに「『偶像に供えたものと、血と、絞め殺したものと、律法に背くような結婚を避ける』ということ以上に、あなた方にどんな重荷も負わせない、というのが、聖霊と私たちの決定だ」との判断を伝えた。
異邦人たちをどのように扱ったらいいか、に関する最初の論争は、「この問題を議論することを希望する使徒たちのグループと、問題を作り出そうとするグループの間で行われた」と教皇は語り、「後者のグループが教会を分裂させてしまった。彼らは『使徒たちが説くことは、イエスが話されたことではない、それは真理ではない』と言い、不一致の種を撒き、教会共同体を分裂させた。彼らの心が聖霊の業に対して閉じられていたから、そうしたのです」との見方を示され、「このような人々は、信仰者ではなく、イデオロギー(特定の観念)の信奉者なのです」と言明された。
さらに教皇は「ペトロはじめ使徒たちが異邦人に送った言葉は、すべてのキリスト教徒に対する『イデオロギーの信奉者の意見』に恐れを抱くことはない、という励ましの言葉です」と述べ、「教会には権威がある。それは教皇と司教たちの持つ権威ですが、『イエスが説かれ、聖霊が説き、助けられる道』に沿ったものでなければなりません」と強調され、「教義はキリスト教共同体を結びつけます。なぜなら、『イデオロギーは分裂』をもたらしますが、教義は『常に開かれており、自由だから』です」と締めくくられた。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
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