「イエスの死からの復活を確信して・・」復活の主日に(Crux)

(2017.4.16 Crux バチカン特派員 Inés San Martín)fantasy

‘The resurrection is not a fantasy,’ Pope Francis insists on Easter Sunday

Pope Francis celebrates Easter Mass, in St. Peter’s Square, at the Vatican, Sunday, April 16, 2017. (Credit: AP Photo/Andrew Medichini.)

  復活の主日の16日、教皇フランシスコはミサの中で、いかにも「フランシスコ」らしいなさり方で、〝しきたり″を破る即興の説教をされた。教皇は非公式の場であらかじめ用意した台本をお使いにならずにお話になることがよくあるが、16日のように特別な祭日のミサで、即興の話をされるのは極めて珍しいことだ。

 説教で教皇はまず、「イエスは死者の中から蘇られました」「これは夢物語ではありません。(教皇の周りに飾られた花々を指さして)たくさんの花を使ったお祝いごとでもありません。花は素晴らしいが、(復活は)もっと素晴らしいのです」と前置きされた。

 そのうえで、カトリック教会は「私たちが抱く不信、閉じられた、怖れに満ちた人々の心」に直面している、と本論に移り、「心を落ち着かせなさい。主は蘇られたのです」と続けられた。「しかし、もしイエスが死から蘇られたのなら、どうして、このように様々な悲劇-病気、人身売買、搾取、戦争、破壊、心身障害、他者への復讐、嫌悪-が起きるのでしょうか?」「主はどこにおられるのでしょうか?」と大きな声で問いかけられた。

 そして、教皇は次のようなご自身の体験を語られた。それは、前日、土曜日のことだ。教皇は、重い病に侵されたエンジニアの若者に電話をかけ、そこで「あなたに起きていることについて、説明はつきません。十字架につけられたイエスをごらんなさい。神はご自分の息子と一緒に十字架につけられているのです。それ以外に説明のしようがないのです」と話した。これに対して、その男性は「わかります。でも、彼(神)は自分の息子に(『そうしてもいいか』と)たずね、息子は『はい』と答えましたが、彼は私には『これを求めているのか』とお聞きにはなりませんでした」と返事をしたのだという。「彼のこの言葉に、私は意表を突かれました。『今、世界で起きていることをうれしいと思いますか?そのような十字架を喜んで負いますか?』と聞かれた人は、私たちの中に誰もいませんから」。それでも、「今日も教会は言い続けます。『足を止めなさい。イエスは復活された』と」。

 教皇はこれまでも、即興の説教をしている。ご自分の宿舎「聖マルタの館」での毎朝のミサ、一般に知られない場でいつもそうしている。聖木曜日に刑務所や難民センターで、主の最後の晩餐のミサでの説教はいつも即興だし、2015年にフィリピンを訪問された時にも、嵐のさなかに行われたミサでも、そうした。それでも、今回のような荘厳な儀式を伴うような場では、台本から逸脱することはなかった。しかし、16日に教皇がなさったのはいわゆる〝説教″ではなく、全編が即興の話だった。

 そして、この説教で教皇は「小石であるあなた方にも、人生に理由がある。なぜなら、あなた方は要石にすがりついている小石、罪の害悪が捨て去った石、だからです」と述べ、「これほど多くの悲劇の最中に教会が語るのは-捨てられた石は・・ではなく、心の底から『イエスは蘇られた!』です」。

 教皇は説教の終わりに、ミサに参加した人々に、人生の日々の問題、病気、戦争、人類の悲劇について思いめぐらし、「謙虚な声で、花で飾り立てず、一人になって、私たちの前におられる神に『これ(今起きている悲劇)がどうなるか、私には分かりません。しかし、私は、キリストが蘇られたことを確信します』と語りかけるように求められた。

(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)

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2017年4月17日