Pope Leo XIV greets participants in the Jubilee of Roma, Sinti, and Traveller Peoples (@VATICAN MEDIA)
(2025.10.18 Vatican News Devin Watkins)
教皇レオ14世は18日、バチカンのパウロ6世ホールで「ロマ・シンティ・移動する生活を送る人々の聖年」の記念式典を行われ、移動する人々に対する教会の司牧的配慮を表明されるとともに、家族・労働・祈りの尊厳を受け入れるよう、参加者たちに求められた。
参加者たち、とくに子供たちや若者たちからの質問に答えられた教皇は、世界中で続いている戦争に関しての問いに、「平和は確かに実現可能だと信じるように」と呼びかけ、まず、自分自身、家族、周囲の人々との平和を築くよう促された。
そして、「私たちは皆、戦争のない世界に住みたいと願っています。そして常に平和の推進者、架け橋の建設者となるよう努めなければなりません。平和が可能であること―それは単なる夢ではなく、私たちが平和の中で生きられるのだと、自らを確信させながら」と語られた。
教皇は、この聖年のテーマを思い起こされた— 「希望は歩み続ける—わが父と母はアラムの放浪者だった」(申命記26章5節参照)。そして、「今日、あなたがたが教皇にもたらす贈り物—揺るぎない信仰、神のみへの揺るがぬ希望、社会の周縁で生きる困難にも屈しない確固たる信頼—によって、私たちは皆、自らの旅路を新たに感じている」と述べられた。
教皇は、この聖年行事が1965年に教皇パウロ6世がポメツィアで移動民と歴史的な会合を持ち、聖母の像を「ロマ、シンティ、旅する人の女王」として戴冠してから60年後に開催されることを想起。司牧者を通じて彼らの共同体と共に歩む、という教会の願いを改めて表明された。 「移動する人たちは三つの本質的真理を証ししています… 神のみを信頼すること、世俗の富に執着しないこと、そして言行を通じて模範的な信仰を示すこと、です」。
また教皇は、彼らの民族が千年以上も巡礼者・遊牧民として移動を続けてきた、と指摘。「他の人々が自分たちの社会から彼らを排除し、都市の周辺部へ追いやった結果、権利・教育・文化から締め出されてきました…しかし、あなた方を疎外し、安らぎも歓迎もない放浪者とした社会モデルこそが、過去一世紀にわたり世界規模で最大の社会的不正を生み出したのです。個人や民族間の巨大な経済格差、未曾有の金融危機、環境災害、そして戦争です」と強調。
さらに、ロマ、シンティ、旅する人々に、2019年に教皇フランシスコが彼らに向けて発した呼びかけに耳を傾けるよう促された。フランシスコ教皇は、彼らに恨みを抱くことなく、「家族の尊厳、労働の尊厳、日々の糧を得る尊厳、そして祈りの尊厳」をもって前進するよう求めていた。
「労働の尊厳と祈りの尊厳が、不信と恐怖の壁を打ち破る力となりますように」と願われた教皇は、「移動生活を送る民族は教会における福音宣教の使命を受け入れる必要があります」と述べ、自らの文化の美しさを示すよう呼びかけられた。さらに、「今まさに進行中の時代の変革の主人公となりなさい… どこに住んでいようと、善意ある人々と共に歩み、相互不信を乗り越え、自らの文化の美しさを示し、信仰と祈り、そして誠実な労働から得られるパンを分かち合いなさい」と訴えられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
「カトリック・あい」注:「Roma(ロマ)」とは、インドを起源とする少数民族。現在、欧州を中心に世界中で暮らしている。かつて「ジプシー」などと呼ばれていましたが、これは差別的なニュアンスを含むため、「ロマ」という呼称が正式なものとして定められている。また「Sinti(シンティ)」は、ロマ人のグループの一つ。主にドイツ、フランス、イタリア、中欧に居住している。伝統的に移動生活を送っていたが、現在では定住している人が大半。ナチス・ドイツ時代に迫害を受けたが、シンティ・ロマの運動などを通じて権利回復が進められた。