♰ 「兄弟姉妹の絶望の叫びに耳を傾けて」教皇、難民たちとの集いで

 

教皇フランシスコと難民たちとの出会い 2019年12年19日教皇フランシスコと難民たちとの出会い 2019年12年19日  (Vatican Media)

(2019.12.19 バチカン放送)

 教皇フランシスコは、12月19日、ギリシャの難民キャンプからローマに到着した難民たちとの集いをもたれた。お会いになったのは、最近、レスボス島のモリア・キャンプから「人道回廊」によって、ローマに到着した33人で、うち14人は未成年者、十数人はキリスト教徒。難民の救援にあたるグループや聖エジディオ共同体のメンバーも参加した。

 集いでは、関係者から、アクリル素材で包まれ十字架にかたどられた一枚の救命胴衣が教皇に託された。この救命胴衣は、今年7月、海上で行方不明になった一人の難民が身に着けていたもので、胴衣だけが地中海を漂流しているのを発見された。

 教皇はこの「十字架を背負う救命胴衣」を、「不正義によって祖国を離れざるを得ず、不正義によって旅の果てに海で命を落とした多くの犠牲者たちの苦しみの象徴」とされた。そして、その十字架の透明さは、私たちに、常に真理を注意深く見つめ、探し求めるよう促し、その光は復活における私たちの信仰を励ましています」と述べられた。

 そして、「『人命を救うことは、信仰を持つ人、持たない人を一致させる倫理的義務』だということを、目と心を開いて思い出すよう、この救命胴衣を今回の集いが行われた場所に掲げたい」と強調。

 「どうして多くの兄弟姉妹の絶望の叫びに耳を傾けないでいられるでしょうか。私たちの怠りは罪です」とされ、「無関心でいることをよしとせず、困難にある人を助ける決意を持った人々」に感謝されたたうえで、「難民船を阻止することだけでは問題は解決しません」と語られた。

 また教皇は具体的な対応として、「リビアの難民収容キャンプを空にすることを目指し、移民の取り引き・搾取をする者を糾弾し、追跡し、人命を経済利益よりも優先させること」を挙げられた。

(編集「カトリック・あい」)

 

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2019年12月20日