♰「教会広報であってはならないことは、『愛』を欠き、『宣伝』だけをすることだ」

 教皇フランシスコは23日、教皇庁広報省の定例総会を機会に、関係者とお会いになり、教会のコミュニケーションのあり方について考えを述べられた。

 謁見会場のバチカン宮殿の王宮の間には、新聞、放送、インターネット、出版などを通し、教皇庁の広報に携わるおよそ500名の関係者が集り、同省のパオロ・ルッフィーニ長官はじめ、顧問枢機卿の一人である大阪教区大司教の前田万葉枢機卿や、共にローマを訪れた同教区補佐司教、ホセ・アベイヤ司教も参加した。

 教皇は「神はあらゆるコミュニケーションの源です」とされ、「私たちは一人に留まることなく、神が人々に働きかける態度に学びながら、真理や正義、善や美であるものを伝えていかなければなりません」と強調された。

 そして、真の伝達者は、伝えるために自分自身のすべてをかけるが、中でも最も偉大なコミュニケーションは「愛」だ、と指摘され、「教会のコミュニケーションであってはならないことは、『宣伝』だけをすること」と語り、「教会は常にそれ自体の魅力と、証しによって成長しなくてはなりません」と説かれ、「善や美を伴わずに真理を伝えることはあってはならず、私たちのすべての行いは証しを伴うべきです」として、キリスト者の証し人、殉教者としての召命を指摘された。

 また、「世界の非キリスト教化、世俗化は、今日始まったことではなく、これまでも常に教会の脅威となってきました」と述べ、「諦め」という誘惑に陥らず、パン種や塩のように、小さくわずかな存在でありながらも、皆に福音を伝えるという姿勢をとるよう求められた。さらに、「教会のコミュニケーションで大切なのは『形容詞』ではなく『主語』です…「装飾にこだわらず、本質に根差した、簡素で、美しく、力強い広報」を強調された。

(編集「カトリック・あい」)

 

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2019年9月24日