♰「一番重い仕事を神に委ねるにも、勇気が必要」教皇、マダガスカルの女子修道院で

 

教皇フランシスコ、マダガスカルの観想修道女たちと 2019年9月7日 アンタナナリボ・女子カルメル会修道院で教皇フランシスコ、マダガスカルの観想修道女たちと 2019年9月7日 アンタナナリボ・女子カルメル会修道院で  (Vatican Media)

(2019.9.7 バチカン放送)

 マダガスカルを訪れた教皇フランシスコは、9月7日、首都アンタナナリボの女子カルメル会修道院で、昼の祈りを修道女らと共にされた。

 同修道院の聖堂で行われた教皇との集いには、マダガスカル全土の様々な観想修道会から、およそ100人の修道女たちが参加し、昼の祈りを唱和。

 祈りに続いて行われた講話で、準備した原稿を用いず、修道女たちに語りかけた。「主に従うには、常に勇気を必要とする。一番重い仕事は神がしてくださるとしても、それを神に委ねるにも、勇気が必要です」と話され、ご自分の司祭生活を支えてくれたある若い修道女の話しをされた。

 その若い修道女は、ある夕方、一人の高齢の修道女が食堂に歩いて行くのを助けていたが、関節痛を患い、とても気難しいその修道女の世話は、並大抵の忍耐ではできないことだった。それでも、彼女は、微笑みながら、すすんで世話を引き受けていた。「これはおとぎ話ではありません。本当にあった出来事… 彼女の名は、『幼きイエスのテレジア』です」と明かされた。

 教皇は、カルメル会修道女、リジューの聖テレーズ(1873-1897)の生涯を振り返りつつ、共同生活を愛をもって生きるためのヒントを示され、「大きなことも、小さなことも、愛を持って行う」「完徳への道は、従順の道の小さな一歩一歩にある」「小さな一歩をしるすための勇気、『自分の小ささを通して神は世の救いを完成させられる』と信じる勇気を持つ」「奉献生活に忍び寄る世俗に注意する」「長上への従順は、イエスへの従順、愛への従順」などを挙げられた。

 そして講話の最後に、「今、小さきテレジアは、高齢の修道女ではなく、高齢の私に付き添ってくださっています」と語り、この講話を通して、「聖女が誠実な友として、私自身の司祭生活のあらゆる歩みを共にしてくれたことを証ししたかったのです」と話された。

 マダガスカルに、ベルギーから最初の女子跣足カルメル修道会の修道女たち10名が到着したのは、1921年。修道女たちは、1927年に、アンタナナリボのアンパサニマロ地区に共同体を作り、1937年に今日の修道院の礎石を据えたが、完成を見たのはさらに20年後のことだった。現在、共同体は、志願者、修練者を含めて17名で構成されている。

(編集「カトリック・あい」)

 

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2019年9月8日