♰「ミャンマー国民の願いが押しつぶされぬように」教皇、死者への哀悼と当事者の和解訴えーだが3日は死者38人以上と最悪の事態に

(2021.3.4 カトリック・あい)

 教皇フランシスコは3日の水曜恒例の一般謁見で、軍のクーデター後、多数の死傷者を出す騒乱が続いているミャンマー情勢に触れ、民主政治回復と指導者たちの回復を求める民衆と治安部隊の衝突で多くの人命が失われていることに深い悲しみを示された。そして、当事者たちに「抑圧よりも対話が、不和よりも調和が勝ること」を強く認識するように求めた。

 また教皇は、国際社会に対しても、「ミャンマー国民の願いが、武力によって押しつぶされないように、働きかける」ように訴え、「『出会いと和解』が『憎しみと不正』に取って代わる未来」への希望が、この国の若者たちに与えられるように祈られた。

 さらに、教皇は、先月の駐バチカン外交団との新年会見でも述べたように、ミャンマーでここ数年進展した民主化の歩みが再び始まることを希望するとともに、軍が逮捕・拘禁している民主政治指導者たちの釈放をアピールされた。

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 だが、教皇がミャンマーについて言及されたこの3日には、少なくとも38人が死亡する、2月1日の軍事クーデター発生以後の最悪の日となった。各国の報道機関が4日伝えるところによると、国連のクリスティン・ブルゲナー事務総長特使が現地からの情報として明らかにしたもので、治安部隊は、抗議行動を続ける市民たちに対して、実弾などを発砲している。クーデターが起きた2月1日以来の死者は50人を超え、けが人も多数に上っている、という。

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2021年3月4日