☩教皇キプロス訪問-正教会代表とお会いに「同じ”子”として”母なる教会”に向かって進もう」

教皇フランシスコ、キプロスで正教会のクリソストモス2世大主教を表敬訪問 2021年12月3日教皇フランシスコ、キプロスで正教会のクリソストモス2世大主教を表敬訪問 

(2021.12.3 バチカン放送)

 キプロスを訪問2日目の2日朝、教皇フランシスコは、正教会のクリソストモス2世大主教をニコシア市内の大主教館に表敬訪問され、私的な会話を交わされた。

また、教皇はこの訪問で、次のように記帳された。

「歴史と信仰の真珠、キプロスへの巡礼者として、謙遜と勇気をもって神に祈ります。共に完全な一致に向けて歩み、使徒たちの模範の上に、兄弟愛に満ちた慰めのメッセージと、生き生きした希望の証しを世界にもたらせますように。

 大主教座下、人々の中で母なる教会についてお話しくださることに感謝いたします。これは私たち司牧者が通るべき道です。共にこの道を歩んで参りましょう。対話についてお話しくださったことに深く感謝します。わたしたちは常に対話の道を進まなければなりません。それは険しく忍耐を要する歩みですが、確実な歩みです。それは勇気ある歩みです。『率直さと堅忍』」。

クリソストモス2世大主教への表敬訪問に続き、教皇は正教会の主教座聖堂を訪れ、聖シノドの主教たちに迎えられた。

  教皇はこの出会いで、「かつてキプロス島で宣教した使徒パウロが、やがてはローマに到達することになる、その生涯の足跡を振り返りつつ、キプロスとローマの教会が共通の使徒的起源で結ばれていること」を指摘。「福音への熱い情熱という一本の道でつながる二つの教会が、さらなる兄弟愛と完全な一致を求めて同じ道を共に歩むこと」を願われた。

 また、キプロス出身で、同島の布教に大きく貢献した聖バルナバに触れた教皇は、「レビ族の人で、使徒たちからバルナバ –『慰めの子』という意味– と呼ばれていた、キプロス島生まれのヨセフ 」(使徒言行録4章36節)の聖霊と信仰に満ちた人となりを思い起こされた。

 そして、「すべての真の慰めは、慰めにとどまらず励ましとなります」とされ、「慰めの子」バルナバは、「掟の遵守を繰り返し説くのではなく、人々と出会い、人々の必要に関心を持つことを通して福音を伝えるようにと、私たちを促しています」と話された。

 また、バルナバが「自分が持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた」(使徒言行録4章37節)ことに言及。バルナバのこの素晴らしい行為は、「交わりと宣教において活気を取り戻し、完全な一致を促進するために、私たちも自分を脱ぎ捨てる勇気を持つように、と教えています」と語られた。

 さらに「自分の持ちものを使徒たちの足もとに置いたバルナバは、皆の心の中に入って行ったのです」と述べ、「私たちもキリストの体の一部であることを再発見するために、兄弟たちの足もとに身をかがめるよう主から召されています」とも話された。

 教皇は、「クリソストモス2世大主教の言葉にあるように、教会は母である、と述べ、私たち皆を忍耐と優しさと勇気をもって引き寄せ、主の道を歩ませる母なる教会に信頼し、違いを乗り越え、同じ子として、母なる教会のある場所に向かって歩んで行きましょう」とと呼びかけられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年12月4日