☩教皇「聖なる地が暴力的対立でなく、出会いと祈り、平和の場となるように」

(2021.5.11 カトリック・あい)

 教皇フランシスコは9日の正午の祈りで、エルサレム、アフガニスタン、コロンビアの情勢に触れ、これらの地に平和を希求された。

 エルサレムのイスラム教とユダヤ教双方の聖地「神殿の丘」などでパレスチナ人とイスラエル警察の衝突が続き、多くの負傷者が出ている情勢を深く憂慮した教皇は、「この聖なる地が、暴力的な対立の場ではなく、出会いと、祈り、平和の場となる」ように強く願われた。そして、「この聖なる都の他宗教的・多文化的なアイデンティティーが尊重され、兄弟愛が争いに勝る」ように、可能な解決策を共に追求する努力を訴えられた。

 イスラエルの現地メディアなどの報道によると、エルサレムのイスラム教とユダヤ教双方の聖地「神殿の丘」など複数の箇所で、パレスチナ人とイスラエル警察の衝突が続き、パレスチナ赤新月社(赤十字に相当)ではパレスチナ人の負傷者だけで10日現在は331人に上っている。さらに、10日夕にはパレスチナ自治区ガザからイスラエルに向けて約40発のロケット弾が発射され、一部はエルサレム郊外に着弾。ガザに近いイスラエル南部では、イスラエル人1人が軽傷を負った。ガザを実効支配するハマスが発射を認める声明を出した。イスラエル軍は報復としてガザを空爆。子ども9人を含む⒛人の死者が出ている。

 また、教皇は、アフガニスタンの首都カブールで8日発生した爆破テロで犠牲になった多くの女子生徒たちを悼まれ、その一人ひとりと遺族のために祈るよう、信徒たちに呼びかけ、アフガニスタンの平和を神に祈られた。

 コロンビアで、反政府デモ隊と治安部隊が衝突し、死傷者が出ている事にも触れ、正午に祈りに集った多くのコロンビア人たちと共に、同国の平和を祈られた。

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2021年5月11日