(2025.10.30 バチカン放送)
集いには、地元イタリアをはじめ、欧州、ラテンアメリカなどから中学生と高校生を中心に約8500人の生徒が、メイン会場のパウロ6世ホール内だけでなく、同ホールのエントランス・ギャラリーや、ホール前の広場に設けられた臨時の会場からも参加した。
教皇はまず、ホールの外から大型スクリーンを通して参加する生徒たちとお会いになり、「メキシコ!」「ローマ!」「ポーランド!」と、青少年たちの出身国や所属教区の名を呼んで歓迎しつつ、「福音は『後にいる者が先になる』と言いますが、今日はその通りになりました」と話された。
続いて、謁見ホールのエントランスの生徒たちにも同様にお会いになった後、メインホールに入場されると、若者たちの割れんばかりの歓声がわき起こり、元気あふれる生徒たちを前に、教皇は「皆さんとの出会いを心待ちにしていました… 皆さんのような生き生きとした若者たちに、数学を教えていた日々を、思い出します」と語りかけられた。
そして、この聖年中の9月に列聖された若き聖人ピエル・ジョルジョ・フラッサーティの「信仰なく生きることは、生きるのではなく、生き延びるに過ぎない」と「高きに向かって」という2つの言葉を挙げながら、「精一杯生きる勇気を持ち、常に高みを目指しつつ、歴史の闇の中に希望の光を灯してください」と願われた。
教皇はまた、前任の教皇フランシスコが始められた「グローバル教育協定プロジェクト」と、普遍的兄弟愛の推進において若い世代の参加を促す「教育・文化分野で働く人々のネットワーク」に言及され、「教育の受け手であると同時に主役となり、教育の新しい季節を切り開くために皆で一致し、真理と平和の信頼できる証し人となって欲しい」と希望された。
さらに、「宇宙の星の数は1000兆個とも言われ、条件のよい空で肉眼で見える星はおよそ5000個です」とされ、広大な宇宙へ、若者たちに心の眼差しを向けるよう促された。
続けて、「宇宙にある多くの星の中でも、私たちが見ているのは、近くにある星座たちであり、私たちに進むべき方向を示してくれる存在です」と語られ、「こうした星の集まりの中にも特に、指針・道しるべとなる星がありますが、皆さんの人生にとっての”導きの星”は、ご両親や、先生、司祭、よい友人たちです」と指摘。
また、「星は、一つでは遠くに留まっていますが、他の星と一緒になり、星座を形作るように、皆さんも一人ひとりが一つの星であり、皆と一緒になって、未来の方角を指し示すように招かれているのです…私たちは、『神のきらめき』としての星。教育とはこの恵みを育むこと。教育は、高きを見つめるように私たちに教えます」と説かれた。
今日の教育が取り組むべき新たな課題として教皇は、「デジタル教育」を挙げられ、「テクノロジーを賢明さを持って利用すること。テクノロジーに自分が利用されないように」と促されるとともに、AI(人工知能)についても、「情緒的、霊的、社会的、エコロジー的知性の構築に努め、デジタル環境に人間性をもたらし、兄弟愛と創造性の空間を築くことが必要です」と語られ、「インターネットに隷属せず、それを善のために活用し、美しい信仰を情報技術への情熱と結びつけた聖カルロ・アクティス」を見習うべき模範として示された。
教皇は平和教育の重要性にも触れ、「平和のためには、武器を使わないようにするだけでなく、心の武装を解くことが必要です」と強調され、「家庭や、学校、スポーツ、友人間など自分が置かれた場所で、また異なる文化との出会いの中で、平和を作り出す者となるように」と求められた。
挨拶の最後に教皇は若者たちに、「皆さんの眼差しが、淡い希望を託す流れ星ではなく、より高くへ、『正義の太陽』であるイエス・キリストへと向かうように。イエスは皆さんの人生の道のりを常に導いてくださいます」と励まされた。
(編集「カトリック・あい」)