☩「神の御言葉で、悪の誘惑に対抗しよう」教皇、四旬節第一主日の正午の祈り

(2022.3.6  Vatican News staff reporter)

   教皇フランシスコは6日、四旬節第一主日の正午の祈りの説教で、世界の信徒たちに「私たちの人生の旅について来る」誘惑に注意を怠らないように警告され、「悪と合意しない」イエスに目を向けるように勧められた。

 説教で教皇は、この日のミサで読まれたルカ福音書の箇所ーイエスが霊によって荒れ野に道日から、40日の間、悪魔から試みを受けられたーを取り上げ、「”荒れ野”は、真の自由を選択することを学ぶための、悪の誘惑に対する闘いを象徴しています」とされ、さらに、イエスが、どのようなメシアであろうとするのかを、ことをはっきりと断言されるのは、「まさに、この『霊的な戦い』を通してなのです」と説かれた。

*誘惑との戦い さらに教皇は、イエスが荒れ野で、悪魔の誘惑と戦われる場面に注意を向けられ、「悪魔がどのようにして、イエスを誘惑するのか。『あなたが神の子なら、その力を使ってください!あなたがそれで何を得られるのか考えてください』と言って誘うのです」とし、「これは『心の奴隷』、つまり、すべての価値を、物、権力、名声を手に入れることに矮小化しようとする試みです」と語られた。

*イエスは神の言葉で対抗された

 このような悪魔の挑戦に対して、「イエスは勝利の法則ーつまり、神の御言葉で対抗されます。『自分に都合よく神を利用してはならない』『特権を得るために自分の地位を利用してはならない』と」と説かれ、さらに、「幸福と自由の意味は、『所有する』ことではなく、『共有する』ことにあります。他者を利用するのではなく、他者を愛すること。権力に執着せず、奉仕の喜びの中にあることです」と強調された。

*「人生の旅について来る誘惑」に警戒せよ

 教皇はまた、「人生の旅について来る誘惑」につい信徒たちに注意を与えられた。「私たちは警戒しなければなりません。でも、恐れることはない。それはすべての人が経験することです」としつつ、「それでも、しばしば、”善”を装って近づいて来るので、注意が必要です。狡猾な悪魔は常に私たちを欺瞞します。神聖な、明らかに宗教的な動機で偽装する方法さえ熟知しているのです」とされ、「イエスは悪魔と言葉を交わされたことはありません。私たちも、言葉を交わさないように」と注意された。

 さらに、「私たちが悪魔のお世辞に乗せれるなら、私たちは”善意”で偽装することで、自分の虚偽を正当化することになります… 私たちを誘惑しようとする悪魔と言葉を交わしてはなりません。『それは深刻ではなく、誰もがそうしているのだから』と自分を納得させるような『良心の眠り』に陥ってはなりません」とも警告された。

イエスに目を向ける

 説教の最後に教皇は、「妥協を求めず、悪との合意をしないイエス」に目を向けるように、信徒たちに勧められた。「イエスは、悪魔よりも強い神の言葉で悪魔に対抗し、誘惑に打ち勝たれます」。

 そして、「この四旬節が、私たちにとって、(試練を受ける)荒れ野で過ごす時ともなりますように」と願われるとともに、 「沈黙と祈りに、少しばかり時間をかけましょう。それは私たちに良いことです。沈黙と祈りの中で、私たちは立ち止まり、心の中で動いているものー内なる真理を見て、…祈りの中で、神の御言葉の前に身を置き、私たちを奴隷にしようとする悪と正面切って戦い、心の自由のために戦いましょう」と勧められた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2022年3月6日