
教皇レオ14世は5日の水曜恒例の一般謁見で、参加した信者たちの注意を、世界の多くの武力紛争の中で苦しみを続ける人々に向けられ、「戦争に苦しむ国々の人々のために、私と一緒に祈るように。特に長年の内戦と内乱に荒廃したミャンマーの人々ために祈るように」と呼びかけられた。
そして、ミャンマーについてはさらに、世界の国々、国際機関などに対てし「ミャンマーの人々を忘れず、必要な人道的支援を提供するように」と求められた。
教皇のミャンマーへの祈りは、同国が世界最悪の人道危機の一つに直面し続ける中で捧げられた。
・・・・・・・・・・・
国民の民主的な選挙で選ばれた政権をクーデターで奪った軍による支配からほぼ5年が経過したこの国では、国軍と民主化勢力、民族武装組織との戦いが続き、すでに数千人が死亡、300万人以上が故郷を離れ避難を余儀なくされている。
空爆や戦闘で多くの町や村が破壊され、数百万人が食料・医薬品・住居の欠乏状態に陥っている。国連はミャンマー人口の半数以上が人道支援を必要としていると推定している。
*ロヒンギャの人々への弾圧がミャンマーの人々全体に広がっている
だが、ミャンマーの深刻な状況は2021年のクーデター以前から続いていた。とくに、イスラム派の少数民族、ロヒンギャの人々は、組織的な暴力の被害に遭い続け、2017年8月にミャンマー軍が開始した作戦で、広範な殺害、性的暴力、拷問、村全体の破壊がなされた。そして2018年初頭までに、70万人以上のロヒンギャが隣国バングラデシュへ逃亡し、それ以前の迫害で避難した人々に加わった。ミャンマー・ラカイン州に残留する者たちは、移動の深刻な制限、市民権の剥奪、人種差別的な状況下での生活を今も強いられている。
この暴力は主に、後に2021年に権力を掌握した同じ軍部によって実行された。しかし、それ以前の文民政府も事実上、事態を放置し、国連のミャンマー調査団は、軍の行動を「ジェノサイド(集団虐殺)の意図」を持って行われた、と非難したが、責任を負うべき人々は、責任を問われないまま、現在に至っている。そして今、ミャンマー国軍はロヒンギャに対して用いたのと同じ残忍な戦術を、今度はミャンマーの全人民に対して用いている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)