☩「平和の神の言葉を押し殺すな、戦争は敗北だ」教皇、中東危機拡大が切迫する中で

(2024.8.4 Vatican News   Michele Raviart )

 中東での新たな戦乱の危機が迫る中で、教皇フランシスコは4日、年間第18日の正午の祈りで、聖地での平和を呼びかけ、暴力を非難するとともに、ベネズエラでの対話を促し、インドの洪水被害者のために祈り、新たに列福されたレバノン人のステファノ・ドゥアイを称えられた。

*中東での血なまぐさい紛争をこれ以上拡大するな

 教皇は中東情勢と、紛争がガザとイスラエルから他の国々に広がる恐れが強まっていることを強く懸念され、「すでに特に暴力的で血なまぐさい紛争がこれ以上拡大しない」よう切望されている。

 この日の正午の祈りに続いて、教皇は、すべての犠牲者、「特に罪のない子供たち」と「パレスチナ、イスラエル、レバノンの人々」のために祈りを捧げ、先週ロケット弾攻撃で、サッカー場で遊んでいた12人の子供と若者が死亡した聖地のドゥルーズ教徒のコミュニティに哀悼の意を表された。そして、紛争当事者たちに「ガザとすべての前線での戦闘がの即時停止と、人質解放のために、対話を再開する勇気」を求め、「爆撃、殺人、暴力は何の役にも立ちません」と強調された。

 さらに、「標的を絞った攻撃、殺人は、決して解決にはならない。正義の道、平和の道を歩む助けにはならず、憎しみと復讐をさらに生み出すだけです。兄弟姉妹の皆さん、もうたくさんです!もうたくさんです!平和の神の言葉を押し殺してはならない。平和を聖地、中東、そして全世界の未来にしましょう!戦争は敗北です!」と強く訴えられた。

*ベネズエラで当事者全員が真実を求める必要

 また教皇は、マドゥロ大統領の再選をめぐる争いから「危機的な状況に直面している」ベネズエラの情勢に懸念を表明され、「私はすべての当事者に、真実を求め、自制し、あらゆる種類の暴力を避け、対話を通じて紛争を解決し、党派的利益ではなく国民の真の利益に配慮するよう心から訴えます」と述べられた。

*インドにおける豪雨の被害者たちに祈りを捧げる

 教皇は、インド、特に「豪雨に見舞われ、多数の土砂崩れを引き起こし、死者、多数の避難民、そして甚大な被害をもたらした」ケララ州の人々にも思いを寄せられ、「命をなくした人々と、このような壊滅的な災害の被害を受けたすべての人々」のために祈るよう、すべての人に呼びかけられた。

*ベイルート港爆発の被害者に対する正義と真実

 先週金曜日にレバノンで行われたマロン派の故ステファノ・ドゥアイ総主教の列福式を思い起こされた教皇は、ドゥアイ総主教が1670年から1704年までマロン派教会の指導者だった時期は「迫害を特徴とする困難な時代」であり、そうした中で「信仰の教師であり勤勉な牧者でもあった彼は、常に人々の傍らにいて希望の証人でした」と称えたうえで、「今日でも、レバノンの人々は大きな苦しみを味わっています。特に、ベイルート港爆発の犠牲者の家族のことが、私の頭に浮かびます。正義と真実がただちに実現するように」と願われた。

 また、4日は、聖ヨハネ・ビアンネを偲ぶ日であり、一部の国で教区司祭の祝日が祝われるが、教皇は「熱意と寛大さをもって、時には多くの苦しみの中でも、神と人々に身を捧げるすべての教区司祭」に親しみと感謝の意を表された。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年8月5日