
教皇レオ14世は「聖家族の祝日」の28日、正午の祈りに先立つ説教で、「孤独や絶望、分裂、対立に彩られることが多い社会において、家族がいかに光となり得るか」を考察されるとともに、世界の平和のために、特に暴力的な紛争によって苦しむ家族のために祈り続けるように、と聖ペトロ広場に集まった人々に呼びかけられた。
「主の降誕の光のもと、平和のために祈り続けましょう。特に今日は、戦争で苦しむ家族、子供たち、高齢者、最も弱い立場にある人々のために祈りましょう。ナザレの聖家族の取り次ぎに共に身を委ねましょう」。
教皇は考察の中で、「紛争だけでなく孤立や不和にも彩られた現代社会において、キリスト教の家族が光となり得ること」を強調。
イエスの誕生直後にヘロデ王の迫害から逃れるため聖家族がエジプトへ逃れた出来事を挙げ、「残念ながら、この世には常に『ヘロデ』が存在します。『成功するためなら手段を選ばない』という神話、不道徳な権力、空虚で表面的な幸福、といった神話が蔓延し、孤独や絶望、分裂や対立という代償を払うことが多い。しかし、こうした”蜃気楼”に、キリスト教徒の家庭の愛の炎が消されてはなりません」と訴えられた。
そして、キリスト教徒の家族に対し、祈り、秘跡(特に告解と聖体拝領)を受け、「健全な愛情、誠実な対話、忠実さ、そして日常の言葉や仕草の簡素で美しい具体性」を育むことで、福音の価値を大切にするように、「家族が『希望の光』となり、『愛の学校』、『神の御手の中の救いの道具』となるよう二」と求められた。
この日のミサで読まれたマタイ福音書は、天使がヨセフに現れ、ヘロデ王が幼子イエスを探し出して殺そうとしているのでエジプトへ逃げるよう告げた様子を描いている。教皇はヘロデを「残酷で血に飢えた男」と表現し、「彼は深い孤独に苛まれ、王位を追われる恐怖に生きています」と指摘。 「彼の王国では、神が史上最大の奇跡を成し遂げておられる。そこでは救いに関するあらゆる古代の約束が成就しています。しかし彼は、王位や富、特権を失う恐怖に目がくらんでいるため、この奇跡を見ることができません」と述べられた。
そして、「まさにこのヘロデの心の硬さが、聖家族の臨在と使命の価値を一層際立たせています。暴君に象徴される専制的で貪欲な世界こそが、唯一の救いの答えが生まれる場所であり、揺りかごなのです。それは、見返りを求めず、一切の留保も、虚栄もなく、自らを人々に捧げる神の救いです」と説かれた。
教皇はまた、ヨセフが神の計画に従順であること、そしてエジプトにおいて「主がこの世に御自身を託された家庭の愛の炎が、全世界に光をもたらすために育ち、強さを増していく」ことを強調された。
説教の結びで、教皇は、マリアとヨセフの取り次ぎを通して、全世界のすべての家族が祝福されるよう主に祈られた—「キリストの模範に従うことで、主の臨在と限りない慈愛の効果的なしるしとなりますように」。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)