☩「子供たちこそ、未来を保証するメッセージだ」-教皇、パナマ訪問を振り返って

(2019.1.30 バチカン放送)

 教皇フランシスコは30日、バチカンのパウロ6世ホールで、水曜恒例の一般謁見を行われ、パナマ司牧訪問について報告された。

 カトリックの若者たちの祝祭「世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)大会」などパナマで受けた温かいもてなしに感謝を述べた教皇は、人々の歓迎の中でも、特に子どもを腕に高く掲げた多くの両親たちの姿を思い起こされ、「この子は私の誇り、私の未来です」と言っているかのような両親たちに人間としての尊厳を見出す一方で、人口減少という「冬」を体験している欧州に対して「子どもたちこそが未来の安定を保証するというメッセージを感じた」と語られた。

 また、WYD大会に先立って行われた「先住民族の若者たちの集い」を「ラテンアメリカの教会の多様性を示す重要な行事」とされ、大会のため世界中から集った国籍も言語も異なる若者たちの喜びにあふれたシンフォニーは「民族間の出会いに自らを閉ざす、今日の紛争的な国家主義に対抗する、預言的なしるしとなりました」と評価された。

 そして、「私は主の仕え女です。お言葉どおり、この身に成りますように」(ルカ福音書1章38節)という受胎告知を受けたマリアの言葉をテーマにした今回の大会は「マリアのように神に『はい』と答えるように、新世代の人々をを励ますものとなりました」。 特に大会の行事の一環として行われた「十字架の道行き」は「十字架を担ぐイエスの後をマリアと共に歩むことが、忍耐強く、静かな、具体的な愛の学び舎となることを教えることになりました」と強調された。

 また、大会記念ミサの前夜祭では、神のご計画に「はい」と答えることによって世界の歴史に影響を与えることになったマリアを、神の「影響を与える者」として若者たちに示した、とされ、大会閉会の記念ミサでは若い人たちに、「『明日』ではなく『今』、『いつかそのうち』ではなく『今、福音を生きるように』と促しました」と話された。

 さらに、訪問で印象深かったこととして、パナマの少年刑務所で赦しの秘跡、エイズ患者のファミリーホームの訪問をあげ、中米諸国の司教たちとの出会いでは、聖オスカル・ロメロ大司教を模範として示し、パナマ大司教区のカテドラルでは、新しい祭壇の聖別式をとり行ったことなども振り返られた。

(編集「カトリック・あい」=聖書の日本語訳は昨年12月創刊のカトリックとプロテスタント諸派が協力して原典から訳出した「聖書協会共同訳」を使用しています)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年1月31日