☩「信仰の伝承の世代間”断絶”を、福音宣教の喜びを再発見する契機とすべきだ」教皇、バチカン教理省総会で出席者たちに

(2026.1.29 Vatican News  Deborah Castellano Lubov)

 教皇レオ14世は29日のバチカン教理省の総会での挨拶で、「『信仰の伝承』が、現代において極めて緊急の課題となっている」と指摘。カトリック信徒間の世代間伝承の「断絶」を、教会の命と使命の核心である「福音宣教の甘美で慰めとなる喜び」を再発見させる契機とすべきだ、と強調された。Pope Leo XIV addresses participants in the plenary assembly of the Dicastery for the Doctrine of the Faith

 挨拶で教皇はまず、「皆さんが果たしておられる貴重な奉仕をよく認識しています」と述べられた。そして、教皇フランシスコが出されたバチカン改革のための使徒憲章「Praedicate Evangelium(福音を宣べ伝えよ)」に記されているように、教理省の人々の使命は「信仰と道徳に関するカトリックの教義の完全性を促進し、保護することにより、教皇と司教たちが全世界に福音を宣べ伝えるのを助けること」であり、教理省は「信仰の宝庫に依拠し、新たな疑問に直面しながらその理解を深めることで、その使命を果たします」と説かれた。

 さらに、「皆さんの任務は、しばしば極めて微妙な問題について司牧的・神学的指導を通して、教会の教義に関する明確な姿勢を提供することにあります」とされ、教理省が近年公表した文書に敬意を表しつつ、「こうした膨大な作業は、聖なる忠実な神の民の霊的成長に確かに大いに役立つことでしょう」と評価。

 「私たちが生きるこの大きな変革の時代において、あなたがたの作業は、特に歴史の舞台に現れる数多くの新たな現象に関して、信徒に教会からの時宜を得た明確な言葉を提供するものであり、司教たちが司牧活動を行う上での貴重な指針となり、神学者たちが研究と福音宣教の奉仕を行う上でも役立っています」とされたうえで、今総会が「現代において極めて緊急を要する課題である『信仰の伝承』」をテーマに、実りある議論を開始したことを特に高く評価された。

 

 続けて教皇は、「確かに、ここ数十年、カトリック信徒の間で、キリスト教信仰の世代間伝承に断絶が生じている事実は無視することができません。特に古くから福音化された地域では、福音をもはや自らの存在の根本的資源とは捉えない人々の数が増えており、特に若い世代においてそれが顕著になっています」と指摘。多くの若者が神や教会に関心をもたないまま人生を送っている現状を嘆きつつ、「これは私たち信徒に深い悲しみをもたらしていますが… キリストの花嫁である教会の生命と使命の核心にある『福音宣教の甘美で慰めとなる喜び』を再発見する契機とすべきです」と促された。

 そして、1月7日から8日にかけて開かれた臨時枢機卿会議で、枢機卿たちが「自己にのみ目を向けるのではなく、他者と向き合い、宣教的な教会を求める」ことを表明したことを取り上げ、また、前任者のベネディクト16世とフランシスコの両教皇が繰り返し強調されたように、何よりも「『魅力の力』によって福音を宣べ伝える教会」の必要性を改めて訴えられた。

 

 教皇はまた、キリストの体の生活の基盤は「御子において人間となられた父の愛であり、聖霊の賜物によって私たちの中に現存し働きかけている」と指摘しつつ、「それゆえ。人を惹きつけるのは教会ではなくキリストなのです… もしキリスト者や教会共同体が人を惹きつけるなら、それはその『導管』を通して、救い主の御心から湧き出る愛の生命の樹液が流れているからです」とされ、「教会は、自己主張や偏狭さを排して、キリストを宣べ伝え、各人は教会の中で常に自らを『主のぶどう畑における単純で謙虚な労働者』と認識せねばなりません」と諭された。

 

 挨拶の最後に教皇は、「もう一つの奉仕」について言及された。それは、「バチカンの各省が管轄する犯罪事件に対処するよう召された司教や総長たちを、あらゆる厚意と判断をもって迎え入れ、伴走するという、私が感謝をもってあなたがたの配慮に委ねる奉仕」であり、「これは、司牧活動の中でも極めて繊細な領域であり、正義と真実と慈愛の要求が常に尊重され守られることが不可欠です」と強調された。

 そして、前任者たちが教理省および教会全体に「特に謙虚で控えめな形で」貢献したことに改めて感謝を表明し、使徒的祝福を授けられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
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2026年1月30日