☩「世界で続く戦争が人々を破壊している、人類にとっての敗北だ」教皇、正午の祈りで

(2024.1.28 Vatican News   Deborah Castellano Lubov)

 教皇フランシスコは28日の正午の祈りの後の説教の終わりに、ミャンマー、中東、ウクライナ、ハイチ、イスタンブールで人々が苦しみに遭わされ続けていることを強く非難し、平和の道を追求することを改めて訴えられた。

*ミャンマーの人々に支援物資が届くように、平和が実現するように

 「戦争は人々にとって災害であり、人類にとっての敗北です」とされた教皇は、まず、ミャンマーに焦点を当て、人道支援の促進と対話の道を追求するよう訴え、 「ここ3年間、ミャンマーの人たちの特徴である笑顔は、痛みの叫び声と武器の騒音に取って代わられてきました。この国の司教らと声を合わせ、破壊兵器が、人道と正義を成長させる道具に変えられるように祈ります」と語られた。

 そして、「ミャンマーの地が友愛的和解という目標に到達」することができるよう、関係者全員に「対話のステップを踏み、理解を身につける」よう呼びかけられ、 「すべての人の必需品を確保するために、人道支援物資が現地に届くようにしてください」と訴えられた。

  3年前に軍事クーデターで民主政権を打倒し、権力を握ったミャンマー国軍は、抵抗勢力との間で内戦を繰り広げ、多くの一般人が犠牲になり続けている。

Pope Francis makes appeals during Sunday Angelus, along with young people of the 'Caravan of Peace'

*パレスチナ、イスラエル、ウクライナにも平和を

 続いて教皇は、人道危機が続く中東に目を向け、 「中東、パレスチナ、イスラエル、そして戦闘が行われている地域で、人々の尊厳が守られるように!」 と訴えられた。

 また、ロシアによる侵略が続くウクライナについても、「私は常に、この戦争によってもたらされているすべての犠牲者、特に一般人の方々のことを心から思います」とされ、平和を求める彼らの叫びを聞いてください。暴力に疲れ、人々にとって災害であり、人類にとっての敗北である戦争を止めたい、と願う人々の叫びを!」と呼びかけられた。

*ハイチは新たな支援を必要としている

 教皇は、ハイチのために祈るよう求められた。ハイチでは、先に武装組織によって修道女たちが拉致され、先日になって解放されたが、依然として暴力と緊張が高まっている。「私は、今も各地で拉致され、囚われているすべての人々の解放と、すべての暴力の終結を求めます。 国の平和的発展に対する彼らの貢献には、国際社会からの新たな支援が必要です」 と訴えられた。

*イスタンブールの教会への武力攻撃

 教皇はまた、イスタンブールのカトリック教会が28日のミサ中に武装集団によって襲撃され、一人が殺害、数人が負傷したことも取り上げ、哀悼の意を表明された。

*28日の世界ハンセン病デーに

 最後に教皇は、28日が世界ハンセン病デー(WLD)に当たっていることに注意を向けられた。世界ハンセン病デー (WLD) は 毎年1月の最終日曜日 とされており、今年のテーマは「Ending Stigma, Embracing Dignity (恥辱に終止符を打ち、尊厳を抱く) 」。教皇は、 「この病気に罹患した人々の救済と社会復帰に携わるすべての人々を励まします。この病気は減少傾向にあるものの、依然として恐れられており、最も貧しい人々や最も疎外された人々に影響を与えています」と語られ、この日の意義を強調された。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年1月29日