☩「キリストと聖霊において、私たちは罪の灰から新しい命に生まれ変わる」ー灰の水曜日ミサ

(2024.2.15 バチカン放送)

 カトリック教会の典礼暦は14日、「灰の水曜日」を記念するととも復活祭前の準備期間「四旬節」に入り、教皇フランシスコは、ローマの聖サビーナ教会でミサを捧げ、この中で「灰の式」を行われた。

 「四旬節」は、キリストが公生活を始める前に、荒れ野で40日間の断食を行ったことを思い起こすもので、この四旬節の間、信者は、悔い改め、祈り、断食や節制、施しや愛徳の行為を通し、復活祭によりふさわしい形で与るための準備を行う。その初日となる「灰の水曜日」は、死と痛悔の象徴である灰を頭に受ける「灰の式」が行われる。

 14日午後、教皇はローマ市内アベンティーノ地区に向かわれた。アベンティーノはローマの「7つの丘」の一つで、競技場遺跡チルコ・マッシモをはさんでパラティーノの丘と向かい合っている。周囲には豊富な古代遺跡群、丘の上には中世紀を起源とする教会群がある。

 「灰の水曜日」の一連の儀式は、同地区にある聖アンセルモ教会での導入の祈りから始まり、ここから宗教行列が出発した。行列は諸聖人の連祷を唱えながら、聖サビーナ教会へ向かい、同教会で教皇によるミサが捧げられた。

 ミサの説教で教皇は、「施しをする時、祈る時、断食する時、人目につかないように隠れて行うように」と教えられるイエスの言葉(マタイ福音書6章 1-6. 16-18 節)を取り上げ、「『隠れて行う』『隠れたところに入るように』とのイエスの勧めは、ヨエル書の『今こそ、心から私に立ち帰れ』という主の呼びかけ(2章 12節)同様、私たちを『外側から内側への旅』に導くもの」とされ、「四旬節は、自分の虚飾を脱ぎ捨て、ありのままの姿に戻り、『自分が何者なのか』を自覚して、神の御前に心から立ち返る時なのです」と説かれた。

 そして、「『私たちは塵にすぎず、人間は息にも似た、はかないものだ』ということを思い起すために、祈りと謙遜の精神のうちに、頭に灰を受けましょう」と呼びかけられるとともに、「私たちは『神から愛された塵』です。神の恵みによって、私たちは、イエス・キリストと聖霊において、罪の灰から新しい命へと生まれ変わることができます」と強調された。

 教皇の説教に続き、灰を聖水で祝別し、信者の頭に灰を与える儀式が行われ、「灰の式」で教皇は、バチカンの裁判所の一つ、内赦院の院長マウロ・ピアチェンツァ枢機卿から最初に自らの頭に灰を受けられた。そして、教皇もまた、ピアチェンツァ枢機卿の頭に灰を置かれた。参加者たちが灰を受けた後、感謝の典礼が行われ、四旬節の到来を象徴する儀式は終了した。

(編集「カトリック・あい」)

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2024年2月16日