☩「イエスと共に夢を見、人生をしっかりつかむように」-「王であるキリストの主日」「青年の日」ミサで若者たちに

 

Pope Francis during Mass in St Peter's BasilicaPope Francis during Mass in St Peter’s Basilica  (ANSA)

(2021.11.21  Vatican News staff reporter)

   教皇フランシスコは21日、「王であるキリストの主日」と世界の各教区の「世界青年の日」を迎えた聖ペトロ大聖堂でのミサの説教で、「すべてが壊れても、しっかりと立ち、近道を選ばず、虚偽を捨て、勇気をもって波に逆らって進むように」と若者たちを激励された。

 教皇は、この日のミサで朗読された聖書の箇所をもとに説教を始められ、「第一朗読(ダニエル書7章13-14節)でダニエルによって預言され、第二朗読(黙示録1章5-8節)で聖ヨハネが語った「天の雲に乗って来る方」と、福音書朗読で(ヨハネ18章33b-37節)で描かれた、ピラトに『私は王である』と告げられたキリスト。2023年のリスボンでの世界青年の日、世界大会に向けて旅する若者たちに、このイエスの二つのイメージを心にとめることを勧められた。

 そして、この二つのイメージのうち最初の「雲と共に来られるイエス」は、「世の終わりに、キリストが栄光のうちに来られることを思い起こさせます」とされ、「私たちの人生の最後の言葉はイエスに帰することを、私たちに気づかせます」と語られ、さらに、「イエスは私たちを安心させるために 『雲と共に』来るのです。こう言っておられるようですー『嵐があなたの人生に覆いかぶさるとき、私はあなたを放っておかない。私はいつもあなたと共にいる。私は、晴天を取り戻すために来る』と」と説かれた。

 また、教皇は、「預言者ダニエルは、『夜の幻を見ていた時、主が天の雲に乗って来たのを見た』と、私たちに告げています」とされたうえで、若者たちに「あなたがたも、『夜の幻』を見るように。つまり、『暗闇の中にあっても、目を輝かせていなさい。心に抱くかも知れない闇、自分の周りいたるところで目にする闇の中でも、光を探し求めることをあきらめないように」と助言された。

 さらに教皇は若者たちに、「あなた方は、わくわくするような、でも困難な仕事を任されています。周りのすべてが崩れてしまっているように見えても、背を伸ばし、しっかりと立ちなさい。暗視鏡で物を見る用意をした歩哨になりなさい。廃墟の中の建設者になりなさい。夢を見ることができるようにしなさい」と励まされた。

 そして、「あなた方が夢を見るとき、皆があなた方に感謝します。なぜなら、あなた方がイエスを、自分の人生の夢にし、喜びと周りに広がる熱意で包む時、私たちに善を施してくれるからです…。あなた方に感謝します。なぜなら、目先の利益だけを考え、壮大な理想を抑え込む傾向のある世界で、あなた方は夢を見る力を失っていないからです。このことは、私たち大人、そして教会の助けになります」と強調。

 次に、イエスの二つ目のイメージ、ピラトに「私は王だ」と答えられたイエスについて、教皇は「私たちは、この場面で示された『イエスの決意、彼の勇気、彼の完全な自由』に心を打たれます」とされ、 「イエスは彼の真の姿を隠したり、この世においでになった意図を隠したりなさらず、ピラトが残した(処刑を避ける)余地さえも生かそうとはなさいませんでした…。真理から生まれる勇気をもって、『私は王だ』と答えられた。ご自身の人生に責任をとられたのです」と語られた。

 そして、「イエスに従い、内面的に自由であることで、私たちは人生を『あるがまま』に見、『きらびやかだが、すぐに消え去る、ひと時の流行と消費者主義の陳列』に幻惑されることがなくなります…。友達の皆さん。私たちは、この世の魅惑的は歌手たちにうっとりとするためではなく、全力で生きるために、命を懸け、命をすり減らすために、この世にいるのです…。そうすることで、イエスの自由を手に、流れに逆らって泳ぐのに必要な勇気を奮い起こすのです」と強く説かれた。

 最後に教皇は次のように若者たちを激励して、説教を締めくくられたー「これから歳を重ねても、夢を見続けるように、『自由で、真正であり、社会にとって欠かせない良心』であるように」と若者たちに求め、「真実に情熱を注いでください。そうすれば、あなた方は夢をもって、こう言うことができるでしょうー私の人生は、世の考え方にとらわれない。私は自由だ。それは、私がイエスと共に、正義、愛、そして平和に君臨しているからだ』と」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年11月21日