教皇レオ14世が22日、枢機卿やバチカン諸機関の責任者たちに、降誕祭前の挨拶の交換をされた。 降誕祭を控えたこの時期に、教皇が、日頃の協力者であるバチカンで働く枢機卿をはじめ高位聖職者、教皇庁諸機関の責任者らと挨拶交換を行うことが恒例となっている。
「祝福の間」で行われたこの集いでは、枢機卿団主席、ジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿が、一同を代表してレオ14世に挨拶。これを受ける形で、教皇は就任後初めて迎える降誕祭前のこの集いで、協力者らへの感謝と共に、教会のさらなる宣教性と一致を励ます言葉をおくられた。
挨拶の冒頭で教皇は、今年帰天された前任者フランシスコ教皇を偲ばれ、「故教皇の預言的な声、司牧の姿勢、豊かな教えは、近年の教会の歩みを特徴づけると共に、神の慈しみを中心に据え、福音宣教を推進させ、喜びに満ちた、すべての人を温かく迎え、最も貧しい人々に寄り添う教会となるように、私たちを励ましてくれした」と振り返られた。
そして、故教皇の使徒的勧告『福音の喜び』を取り上げ、教会活動の基礎にある二つの側面として、「宣教」と「一致」を提示。「教会は、神の愛の福音をすべての人に伝えるために、キリストから聖霊の賜物を受けており、外へ、世界へと向かうその性質のために、本来宣教的な存在です」と話された。
さらに、この使徒的勧告は、「教会の宣教的変革を励ましながら、その教会の尽きることのない力を、『行きなさい』という、復活されたキリストの派遣の呼びかけの中に見ています… 教会のこの外へと向かう使命は、神ご自身がまず、私たちに向かって歩み寄られ、キリストにおいて、私たちを探しに来られたことから生じているのです」とされ、「最初の偉大な『脱出』は、私たちに会いに来られるためにご自分から外に出られた、神ご自身のそれであり、主の降誕の神秘は、御子の使命がこの世への来臨にあることを告げています」と指摘。
「こうして、イエスの地上での使命は、聖霊によって、教会の使命の中に引き継がれ、私たちの信仰生活はもとより、教皇庁の仕事の識別の基準になっているのです」と強調された。
そして、「私たちは皆、キリストの使命に参与するよう招かれており、教皇庁の仕事もまた、この精神から活力を得て、地方教会とその牧者たちに奉仕するための、司牧的配慮を促進しなければなりません…通常の運営だけでなく、今日の教会的、司牧的、社会的挑戦に目を向けた、宣教的な教皇庁が必要とされているのです」と説かれた。
同時に、教皇は、教会生活において、「宣教」と密接に結びつくもう一つの側面、すなわち「一致」の重要性に目を向けられ、「降誕祭は、イエスが御父である神の真の御顔を、私たちに啓示するために来られたことを思い起させます… それは、私たち皆が神の子となり、そしてそれによって互いに兄弟姉妹となるためでした」とされたうえで、「この『一致』という課題は、教会の中において、また外において、これまでになく重要となっています。教会内の一致は、常に私たちの回心を求める課題であり続けます」と言明。
そして、「しばしば表面的な平穏さの陰で、『分裂の亡霊』がうごめき、私たちを二つの極端な傾向、すなわち、『違いを活かさずに、すべてを画一化』するか、あるいは反対に、『一致を追求せずに、多様性や様々な見解を過度に強調』するかの間で、揺れ動く誘惑に陥らせます」とされ、「これらによって厳格主義やイデオロギーの犠牲とならないように」と警告された。
さらに、「私たちはキリストの教会、その肢体、その体です。私たちはキリストにおいて兄弟姉妹です。多様で、異なっていても、キリストにおいて一つなのです… 教皇庁において、キリストの交わりの構築者として、皆がそれぞれの賜物と役割に応じて、同じ使命に協力し合い、共に歩む教会を形作ることが求められているのです」と強調された。
一方で、教皇はこの「一致」が教会の外で、すなわち、不和や、暴力、紛争に傷ついた世界、攻撃性や怒りの増加を目の当たりにする世界においての「平和のしるし」ともなり得る、と指摘。 「教皇庁の仕事、教会全体の活動を、この広い視野の中で考えるようにしましょう… 私たちは『自分の菜園の世話をする小さな庭師』ではなく、神の御国の弟子、証人として、キリストにおいて、様々な民族、宗教、あらゆる言語や文化を持つ人々の間で『普遍的な兄弟愛のパン種』となるよう召されているのです」と訴えられた。
「『宣教』と『一致』は、キリストを再び中心に据えることで可能となります。今年の聖年は、キリストだけが決して失われることのない希望だ、ということを私たちに思い起させてくれました」と振り返られた教皇は、「まさにこの聖年に、キリスト者たちを信仰の根源に立ち返らせるニケア(ニカイア)公会議開催1700周年と、キリストを見つめ、教会を強固にし、現代人の喜びや希望、悲しみや苦悩に耳を傾けながら、教会を世界との出会いへと押し出した第二バチカン公会議閉幕60周年が記念されたこと」にも言及。
聖パウロ6世の使徒的勧告『福音宣教(Evangelii Nuntiandi)』でも強調されている「宣教」と「一致」の重要性を改めて示された教皇は、「一人ひとりの働きは、全体にとって重要であること、一致において表されるキリスト者としての生き方の証しこそが、私たちが捧げられる最も重要で最も偉大な奉仕であること」を、教皇庁での奉仕においても忘れないように、と参加者たちに強く求められた。
(編集「カトリック・あい」)