☩教皇「シノドスの実りは既に”発酵”を始めている」閉幕後の正午の祈りで

 (2018.10.28 バチカン放送)

 「若者、信仰そして召命の識別」をテーマとした世界代表司教会議(シノドス)第15回通常総会の閉会ミサが28日、聖ペトロ大聖堂で行われ、続いて正午に行われたお告げの祈りで、教皇は1カ月近くにわたるシノドスの歩みを振り返られた。

 教皇は、多くの作業を要したシノドスの日々を「慰めと希望の時」「耳を傾ける時間」だった、と表現され、シノドスに費やされた努力が日々慰めへと変容していったのは、特に教皇や参加司教たちが「活発で刺激に富む若い人たちと共に過ごし、彼らの生き方や、その貢献に接したからです」とし、シノドス参加司教たちの発言によって、若い世代の多様的な現実が、それぞれの大陸や人間的・社会的に異なる状況を通しながら、会議の中にもたらされた、と語られた。

 また、今回のシノドスは、「耳を傾ける」という本質的な態度をもって「今日の時のしるしを読み取るものでした」とされ、「神のみ言葉と聖霊の光に照らされた『共同体的な識別』の作業、すなわち、『様々な現実の声や顔を集め、これらの現象の豊かさ、複雑さを考慮した上で、福音の光のもとにそその解釈を試みた』ことは、主が教会に与えてくださった大きな恵みでした」と評価された。

 そして、シノドスの意義について、「ぶどうの収穫後、樽の中で発酵が始まるように、シノドスの作業の実りも既に”発酵”を始めています」「若者をテーマとしたこのシノドスは、よい収穫をもらたし、よいぶどう酒を約束するものです」と語られた。

 さらに、「今回の会議の最も重要な収穫は、準備段階から適用を試みた方式、その『シノドス的な形態』にあります」とされ、「文書の作成は、もちろん貴重で有益なことですが、それ自体を主目的とせず、文書そのものよりも、『若者と年長者が、現実に即した司牧的選択に到達するために、傾聴と識別のもとに共に働くというやり方を広めること』が、このシノドスにおいて最も重要な狙いなのです」と強調された。

 最後に教皇は「シノドスの恵みを神に感謝するとともに、ここで体験したことを、恐れることなく、共同体の日常生活に導入できるように」と聖母の助けを願われた。そして、全世界の若者たちとともに歩み続けることができるよう、聖霊がその叡智ある想像力をもって、シノドスの実りを成長させてくださるように」と祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

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2018年10月30日