Pope Francis speaks to CBS’s Norah O’Donnell. (Credit: 60 Minutes.)
(2024.5.20 Crux Staff)
教皇フランシスコは、19日夜に放映された米国テレビ局のCBSの人気番組「60 Minutes」に録画出演された。
*聖職者の虐待-赦さないだけでなく、防止ための条件整備が必要
その中でキャスターの質問に答える形で、移民・難民問題、代理出産の問題、聖職者による性的虐待問題などについて語られ、聖職者による性的虐待について「容認できません。聖職者である男性または女性が虐待を行った場合、法の全面的な強制力が彼らに降りかかります。 この点では大きな進歩が見られます」と指摘された。
さらに、この問題への教会の対処について「さらに努力を続けねばなりません。残念ながら、虐待による悲劇は甚大です。虐待に対しては、正しい良心、そしてそれを赦さないだけでなく、そのようなことが起こらないための条件を整える必要があります」と言明された。
*移民問題―国境閉鎖は狂気の沙汰。人道的配慮が必要
移民問題については、質問者が「私はテキサス州で育ちましたが、メキシコと国境を接し、カトリック慈善団体『Annunciation House( 受胎告知の家)』が不法移民に人道支援をしています。 テキサス州のケン・パクストン司法長官は『不法移民を支援した』としてこの活動をやめさせようとしていますが」と述べたのに対して、教皇は、これは「全くの狂気」だ、と語られた。
「国境を閉鎖し、人々をそこに残す、というのは狂気の沙汰です。移民は受け入れなければなりません。彼らが(メキシコに)送り返されることになるのかどうか、分かりませんが、それぞれのケースには人道的な配慮が必要です」と強調。
「なぜ移民の窮状に対して、これほど無関心な(人が多い)のか」との問いには、「はっきり言ってもいいですか? 人々は”手を洗っている”のです!(「イエスの血について自分には責任がない」ことを示すために群衆の前で手を洗った総督の)ピラトがたくさんいるのです。自分の周りに起きている戦争、不正、犯罪を目の当たりにして、『大丈夫、大丈夫』と”手を洗っている”のです」と批判。「心を頑なにして、無関心になる、ということが起きているのです。私たちは、心に感じるようにしなければなりません。人間の悲劇に対して、無関心ではいられない、と。無関心の”グローバル化”はとてもひどい病気です」と訴えられた。
さらに、教皇は「移民は国を成長させます。米国にアイルランド人が移住して、ウィスキーを持ち込んだとか、イタリア人が移住して、マフィアを持ち込んだとか…(笑)冗談です。 悪く取らないでください。 移民たちは時には大きな苦しみを味わうこともあります。 とても苦しんでいます」と付け加えられた。
*代理出産―ビジネス化はどんでもないこと、道徳原則により慎重に検討が必要