☩「神は決してご自身の子供たちを見捨てない」-7月28日「世界祖父母と高齢者の日」へメッセージ

Pope Francis greets the elderly during the World Day for Grandparents and the Elderly, 2023Pope Francis greets the elderly during the World Day for Grandparents and the Elderly, 2023  (Vatican Media)

*高齢者の孤独への恐れ

 

そして、「聖書には、『人生のあらゆる段階における神の近さへの確信』と、『老年期や苦しみの時に見捨てられることへの恐怖』の両方が書かれていますが、これらの言葉は、明白な現実を反映している… 高齢者や祖父母としての私たちの生活には、孤独が暗いものとして付きまとうことがよくあります」と指摘。「この孤独には多くの理由があります。多くの場所、特に貧しい国では、子供たちが強制移住させられているため、高齢者が孤独を感じている」とされ、戦争で荒廃した国に取り残された高齢者の状況を、「放棄と死が最も支配的であるように見える地域での唯一の生命のしるし」とされた。

また、「高齢者を『若者の生命力を奪うために魔術を使っている』と疑い、若者たちに影響を与える運命の責任を負わせる、世界の一部地域の文化の風潮」を非難され、「高齢者が『若者の未来を奪っている』という非難は、今日どこにでも存在します。最も先進的な社会においてさえ、別の装いで現れています」と指摘された。

*高齢者の人生を巡る”陰謀”

 今回選ばれたテーマに関連して教皇は、テーマに引用した詩編の箇所(71節)は「高齢者の人生をめぐる”陰謀”について述べています」とされ、「高齢者の遺棄は偶然でも必然でもなく、政治的、経済的、社会的、そして個人的な決定など、『それぞれの人の尊厳を認めない決定』の結果。現代社会では、多くの女性と男性が、可能な限り独立した、他人から切り離された人生の中で個人的な充足を求めています。その中で、孤独と放棄は、今日の社会情勢において繰り返し起こる要素となっているのです」と語られた。

 教皇は、旧約聖書ルツ記の1章から始まるナオミの物語を取り上げられた。

 二人の息子と夫に先立たれ、年老いたナオミは、息子たちの二人の嫁に、自分のもとを離れ、それぞれの実の母の家に帰るように言った。 ナオミは自分自身が重荷になっていると考えており、一人になるほうがいい、と思ったのだ。二人の嫁のうちの一人は彼女の言うことを聞いたが、教皇は、「もう一人の嫁、ルツは、『あなたを見捨て(るような)、ひどいことをさせないでください』(ルツ記1章16節)と言いました。ルツは、習慣や伝統的な思考パターンに挑戦することを恐れなかったのです」と指摘された。

 メッセージの締めくくりに教皇は、「孤独と放棄につながる自己中心的な態度の代わりに、『私はあなたを捨てません』と言う勇気を持つ、広い心と喜びに満ちた顔で、別の道を歩み始めましょう」と世界の全ての人に呼びかけられ、愛する祖父母や高齢者、皆の近くにいるすべての人たちに祝福と祈りを贈られた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2024年5月15日