(2023.7.30 Vatican News Thaddeus Jones)
教皇フランシスコは30日、年間第17主日の正午の祈りの説教で、主を探求し、主の無限の愛の宝を発見し、常に主を私たちの生活に迎え入れることの重要性について語られた。
この日のミサで読まれたマタイ福音書13章44‐52節では、イエスが、高価な真珠を探し、見つけると、持ち物をすっかり売り払って手に入れようとする商人のたとえ話をされる。教皇は、この商人に倣って私たち生活の中で実践できる商人の3つの行動―高価な真珠を探し、見つけ、最後にそれを、買い入れる-に注意を向けられた。
教皇は、「 出かけ、高価な真珠を捜し求める『進取の気性をもつ商人』の最初の行動は、「良い夢を育て」、何か新しいものを探そうとする、彼の強い熱意を示しています。その商人は、自分が既に持っている物に満足せず、もっと大きな可能性があることを知っているのです」と語られ、「このような探求心と意欲は、私たちが、主の新しさを探求する際に必要なこと。なぜなら主は、同じことの繰り返しでなく、常に『人生の現実」を新しくされるからです」と説かれた。
次に「見つける」について、教皇は、「この商人は、高価な真珠を見つける 鋭い目を持ち、見分け方を知っていたので、探しているものを見つけることができたのです。彼は、さまざまな品物で満たされた魅力的な東洋の市場に出かけ、そこにあるすべてのものを注意深く調べ、識別する人にもたとえられます。私たちは、たくさんの何の役にも立たない物の中から、人生にとって価値のある宝石を見つけ出す訓練をする必要があります」と指摘。 「人生は、日々、神との出会い、他者との出会いとい”貴重な真珠”を私たちに与えてくれます。つまらない事柄や、心を空っぽにする娯楽に自分の時間と自由を無駄にしないようにしましょう!」と呼び掛けられた。
そして、商人の最後の行動―持っている物をすべて売り払い、その真珠を買ったこと-について、教皇は、「その真珠が持つ計り知れない価値が、自分のただ一つの財産、自分の今と将来の人生の意味そのものだ、ということを理解しているからです。そして、この商人の行動は、主イエス-人生の高価な真珠、探求され、見つけられ、自分のものにされるべきもの-を、進んで受け入れるように、私たちが招かれている、ということを私たちに語っているのです」とされ、「キリストに出会うと、人生は変わります。神の愛を抱くことに、人生の究極の意味を見出します」と強調された。
最後に教皇は、 この賢い商人の3つの行動を改めて振り返り、「私たちは、自分の人生で本当に何を求めているのか。神を探求し、善を行う努力をしているのか」を自問するよう、信徒たちに求められ、「本当に善いもの、神から来るものは何か、自分の心を空っぽにするのは何か、脇に置く必要があるのは何か、を識別する訓練をする」よう勧められた。さらに、「自分の人生を見つめ、主―今もいつも、私たちの最も偉大な善―を人生の中心に置くために、すべてを犠牲にするかどうか」を考えるよう示唆された。
そして、聖母マリアに、心を込めて主を探し、見つけ、私たちの生活に迎え入れることができるよう、助けを願われた。
また、正午の祈りの後で、教皇が、「世界青年の日」リスボン大会出席のため8月2日からポルトガルを訪問されることに関連して、 「あらゆる大陸から来た非常に多くの若者が、神と兄弟姉妹との出会いの喜びを経験すること」への期待を表明され、大会参加者と世界のすべての若者を、キリストの道を導く輝く星である聖母マリアに託された。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)