☩「戦争で引き裂かれたウクライナ、イスラエルとパレスチナのために祈る」教皇、一般謁見で

Israeli bombardment in Gaza

(2023.12.6 Vatican News  Michele Raviart & Linda Bordoni)](

 教皇フランシスコは6日の水曜恒例の一般謁見で、ウクライナ、イスラエル、パレスチナをはじめ、戦争の悲劇に苦しむ人たちのために祈ることを忘れないように、と願われた。

5週間にわたるイスラエル軍とイスラム過激派ハマスとの戦闘で、ガザ地区では1万6200人以上の女性、子供を含むパレスチナ人が犠牲になっている。イスラエルの人々も1200人以上が犠牲となり、240人がハマスによって拉致、監禁された。一時休戦で、約100人が解放されたが、戦闘再開で、さらなる犠牲者が出ている。

(写真右は、ガザ地区を攻撃するイスラエル軍)

Digging graves for victims of a Russian missile attack in Hroza, near Kharkiv

 また、教皇は、一般謁見に参加したポーランドからの巡礼者たちにあいさつされ、10日の待降節第2主日をポーランドの教会が「東方の教会への祈りと物質的な助けの日」としていることを思い起こされ、その働きに感謝された。そし、昨年2月のロシアによる一方的なウクライナ軍事侵攻で始まり、今も続くロシア軍とウクライナ軍の戦闘、260人以上の子供を含む少なくとも一万人の民間人が殺されているウクライナに思いをはせ、ウクライナの人々のために祈られた。

(写真左は、ハリコフ近くの村で、ロシアのミサイル攻撃の犠牲者のための墓を掘る人々)

 そのうえで、教皇は、「戦争は常に敗北である」とい信念を繰り返され、「戦争から私たちが得るものは、何もありません。戦争は、武器メーカーを除いて、誰にとっても敗北です」と改めて非難された。

 世界では、自然災害も相次いでいる。教皇は、謁見にメキシコの福祉活動団体、Fundacion Telethonのメンバーが参加していることで、10月25日にメキシコ・アカプルコを襲ったハリケーンで100人以上の死者・行方不明者で、何千人もが家を失うなどの被害を受けていることに思いをはせられ、彼らのために祈るとともに、同団体が被害者支援にさらに協力するよう求められた。

 また教皇は、8日に「無原罪の聖マリア」の祭日を迎えることにも言及され、「神の愛を信じ、『はい』という言葉で応じられたマリアから、神への完全な信頼学び、福音の善と愛をあらゆる場所で証ししてください」と信者たちに求められた。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年12月6日