(2024.6.6 バチカン放送)
教皇フランシスコは6日、バチカン聖職者省の定例総会の参加者とお会いになり、総会の3つの重要テーマである「司祭の生涯養成」「召命の促進」「終身助祭」について、それぞれ助言された。
「司祭の生涯養成」については、「司祭も主に続いて歩む弟子であり、その養成は恒久的な歩みであるべきです」とされ、「特に、目まぐるしく変化する今の世界では、『神学校で一度、養成するだけで、すべての基礎を据えるのに十分』と思い込むべきではありません」と忠告。
「福音宣教にふさわしい方法を探し、現在の新しい問題に対応するために、人間的な成熟と霊的な成長を促すプロセスで、神学校がすでに持っている要素を強化、発展させることが求められています」と強調された。
また教皇は、「司祭は独りでは歩めません」とされたうえで、「個人生活、司牧生活の”嵐の海”では、寄り添いと帰属の感覚を持つことが”救命具”になります」と指摘、そのために「司教、司祭、修道者、教会の組織や、運動グループなどと兄弟的なネットワークを作ることが必要です」と語られた。
「召命の促進」に関しては、「世界の多くの場所で、司祭や修道者への召命の減少が見られ、召命の火がほとんど消えそうな国々もある」と憂慮され、さらに、「努力と使命を伴う結婚の召命も、減少傾向にあること」にも言及された。
しかし、「多くの若者にとって『自分の人生を徹底的に捧げる』という未来の可能性が消えつつある状況を、ただ諦めをもって眺めではならず… この問題について共に考え、司祭への召命を地方教会と協力しながら育てていく必要があります」と説かれた。
「終身助祭」については、「昨年10月の世界代表司教会議総会の第一会期の総括資料で、第二バチカン公会議以降の助祭職のあり方について、そのさまざまな役割がどのように生かされているか吟味するよう提案されていまする」と指摘され、「終身助祭」のあり方などについて、聖職者省が一層の考察と取り組みを行うよう求められた。
(編集「カトリック・あい」)