☩「北アフリカ砂漠で、世界で相次ぐ熱波や洪水で、ウクライナで、苦しむ人たちに緊急の支援を」教皇が訴え

Migrants from sub-Saharan Africa on the Libyan borderMigrants from sub-Saharan Africa on the Libyan border  (AFP or licensors)

(2023.7.23 Vatican News  By Thaddeus Jones)

 教皇フランシスコは23日、年間第16主日の正午の祈りに続く説教の中で、世界の指導者たちに対し、北アフリカの砂漠に取り残された移民たちの緊急援助に努めるよう求められるとともに、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナの和平実現に、世界中で熱波や洪水を起こしている異常気象現象と地球温暖化への対処に、全力を挙げるよう呼びかけられた。

 教皇はまず、数千人が数週間にわたって砂漠に閉じ込められたり、置き去りにされたりしてひどい苦しみを味わっているアフリカ北部の移民の悲惨な状況がますます悪化している問題を取り上げ、 「特に欧州、アフリカ各国政府首脳の方々に、苦しみの極みにある兄弟姉妹に対する緊急の救済と支援をお願いします」と訴えられた。

 そして、「地中海が再び『死と非人間性の劇場』とならないように。主がすべての人の心を照らし、友愛、連帯、進んで迎え入れる気持ちを呼び起こしてくださいますように」と祈られた。

 また、熱波や洪水など異常気象に苦しむ人々にも思いをはせられ、「多くの国が壊滅的な火災を伴う異常な熱波、大雨や洪水を経験しています」としたうえで、特に現在、大洪水で打撃を受けている韓国を例に挙げ、苦しんでいる人々、被害者や被災者を支援している人々への親密さを表明された。

 また、 「各国指導者に対し、汚染の排出を制限するためにより具体的な対策をとるよう、改めて訴えます。これは緊急の課題であり、先延ばしはできません。すべての人に関わることです。私たちの共通の家を守りましょう!」と呼び掛けられた。

  最後に、教皇は、ウクライナ南部オデッサで23日未明、ロシア軍による大規模なミサイル攻撃があり、ウクライナ正教会(モスクワ聖庁)の大聖堂などが破壊され、子供を含む多数の死傷者が出ていることに心を痛められ、「苦しみを続けるウクライナに一日も早く平和が戻るようを祈り続けることを、世界のすべての人々に求められた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年7月23日