教皇フランシスコは31日、2024年の大晦日にあたって、バチカンの聖ペトロ大聖堂で「神の母聖マリア」の祭日(1月1日)の前晩の祈り(第一晩課)の集いを行われた。2024年を締めくくるこの集いには、バチカンで働く枢機卿や司教らはもとより、ローマ市長ら地元行政の代表、そして多くの熱心な信者らが参加した。
説教で、教皇は2024年を特に「聖年準備の努力」という視点から振り返られ、「聖年を迎える前のこの一年は、街中で始まった大小の工事のために、ローマ市と市民、また巡礼者・旅行者の皆さんにとって決して容易ではない年でした… しかし、これらの準備や工事が意味したものは、本来の整備的な目的以上に、すべての人を神の子として認め、兄弟として受け入れるローマの召命を表すものとなりました」と語られた。
そして、「こうした意味で、私たちが『兄弟愛の希望』という大きな展望のもとに働けることを、神に感謝せねばなりません」とされ、「『兄弟愛的な世界の希望』とは、イデオロギーやスローガンの類ではありません。それが何であるかは、聖母マリアが私たちに示すイエスの中にあります… 兄弟愛的な世界の希望とは、まさに人となられた神の御子イエスそのもの。イエスが御父に遣わされたのは、私たち皆が天の御父の子となり、神のもとに皆が兄弟姉妹となるためであったのです」と説かれた。
説教の最後に教皇は、ローマの工事の成果に感謝するとともに、「本当の”工事現場”とは自分自身だ、ということを知り、神の子としてふさわしく、より人間的に兄弟的に生きることができるよう、毎日自分を変えていく努力が大切です」と皆を励まされた。
この後、教皇はこの一年を神に感謝し、皆と共に賛歌「テ・デウム」を捧げられた。
(編集「カトリック・あい」)