(2024.5.29 Vatican News Christopher Welles)
教皇フランシスコは29日、水曜恒例一般謁見で、「聖霊と花嫁-聖霊は神の民を私たちの希望であるイエスに導いてくださる」というテーマで新たな連続講話を始められた。
講話の初めに教皇は、「私たちは、旧約聖書、新約聖書、そして教会の時代、という救いの歴史の三つの大きな段階を経て、この旅をしていきます。私たちの希望は常にイエスに注がれ続けます」とされたうえで、まず、聖書の創世記の初め、原初の「混とん」を「美しく秩序あるもの」、つまり「宇宙」に変容させる「水の面を動く神の霊」(創世記1章2節)を取り上げられた。
そして、「聖書では、その後、特に新約聖書で聖霊の創造の働きが、さらに明確に宣言され、新しい創造への聖霊の介入が示されている」が、聖霊と被造物との関係は、人間を神から離反させた『人類の罪と堕落』によって損なわれています… 聖パウロがローマの信徒への手紙の中でこのことを説明した時(1章18節以降参照)と同じように、これは今日でも真実です」と指摘。
この離反を解くカギを、「観想と賛美の道」を示したアッシジの聖フランシスコの言動に見出すことができる、とされた教皇は、聖パウロの言葉を引用する形で、「この世における私たちの使命は、『主の栄光を讃える』こと… 所有する喜びよりも、熟考する喜びを優先することです」と語られた。
また教皇は、「『混沌』を『美しい秩序ある宇宙』に変容させた聖霊が、あらゆる人にこの変化をもたらすために働いている… 社会的であれ、政治的であれ、世界で起きている『外部の混沌』は、私たちが心の中の『内部の混沌』を癒し始めた場合にのみ、癒やすことができるのです」と強調され、「この考察が。私たちの中に『創造主の霊を体験したい』という欲求を呼び起こしますように」と願われて、講話を締めくくられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)