・教皇、中国のカトリック教会のために祈るよう呼びかけ-世界祈りの日10年

中国・北京の「無原罪の御宿り」のカテドラル大聖堂で祈りをささげる中国の信徒たち(今年1月撮影・ CNS/Roman Pilipey, EPA)

Pope calls for prayers for Catholic Church in China

(2018.5. 24 Tablet James Roberts)

 前教皇ベネディクト16世が24日を「世界が中国の教会の為に祈る日」と定めて10年。教皇フランシスコはその日の前日、23日の一般謁見で、世界の信徒たちに「中国の信徒たちが、教皇と完全な一致のもとに信仰に生きることができるように」と祈ることを求めた。

 教皇は、聖ペトロ広場でのこの一般謁見の終わりに、24日の記念日は「私たちを、中国に住むカトリックの信仰を持つすべての人と霊的につながるように招く日」であるとし、中国の人々が「寛大さと落ち着きをもって信仰生活を送る」ことができるように、「聖ペトロの後継者(教皇)との完全な一致の中で、友愛と調和と一致の具体的な行為の仕方を知る」ことができるように、聖母マリアに祈ることを求めた。

 そして、「中国にいる親愛なる主の使徒たち、世界の教会はあなた方と共に、あなた方のために祈ります。困難の最中にあっても、神のご意志に信頼を置き続けますように」と祈りをささげた。

 中国の教会のために祈る日が定められて10年、バチカンと中国政府の非公式交渉が何か月も続けられている。バチカンは交渉で、教皇に忠誠を誓う”地下教会”と中国政府・共産党の管理下に置かれた”愛国教会”の一致が実現することを希望している。

 現在の交渉の最大のポイントは、中国国内の司教の最終的な任命権をバチカン、中国当局どちらに帰属させるかだが、伝えられるところでは、中国側が候補3人を選び、教皇がその中から一人を司教に決めることで話し合いが進んでいる、と言われている。このような妥協に動きについては、多くの批判の声が世界の教会関係者から出ており、前香港司教の陳日君・枢機卿は、中国側に教会の管理をこれまで以上に委ねることにつながる、と強く反対している。また、これと関連して、”地下教会”の司教二人が、中国側が任命した司教二人にポストを譲るよう求められ、強い反発が起きている、とも伝えられている。

 中国政府・共産党は最近になって、国内で活動するすべての宗教の管理・規制を従来以上に強化する法令を施行し、さらに交渉を巡る環境を混迷させている。

 具体的には今年2月1日以降、中国で活動するすべての宗教は宗教関係取締法によって縛られ、宗教団体の登録、宗教活動の場所の確定などが義務化された。そして、中国政府・国務院の国家宗教事務局に、登録の任免権、祈祷の場所の許認可権などが与えられた。さらに、宗教団体・組織の教職員についても同局に報告することが求められることになった。加えて、同法47条では、宗教に関係する情報サービスのインターネットによる提供も、当局の検閲、許可が必要、と定め、献金の徴収についても規定が設けられた。

 香港中文大学・崇基学院の曾思瀚・神学部長は、信者たちに、新たに導入された規制に対抗するために「自分たちの権利の守り方をもっと知る」ことを強く促している。たとえば、同法57条では、宗教団体・組織が、宗教活動のための献金を国内外で受けることが認められているが、献金の総額が10万元(約1万⁵⁹⁰⁰㌦)を超えた場合、当局の検査、承認を受けることが義務付けられている。。

(注・「カトリック・あい」=習近平・国家主席は昨年10月の”愛国教会”の代表も参加した中国共産党全国代表大会で、圧倒的な支持のもとに確固たる地位を確立、主席が進める宗教とカトリック教会に対する事実上の党による統制を、「中国化」と表現することも支持された。こうした流れの中で、同党の中央統一戦線工作部は3月、宗教監視・監督の任務を、中国政府国務院の国家宗教事務局から移譲されている。権限の委譲は「党指令の執行」という厳格なものだ。)

(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher”   The Tablet ‘s website address http://www.thetablet.co.uk)

 

 

 

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2018年5月26日