・ミャンマーでコロナ感染再拡大ー現地教会が医療提供に必死の努力ー日本の教会も緊急支援を

Volunteers at the funeral of Covid-19 victims in Mandalay, Myanmar.Volunteers at the funeral of Covid-19 victims in Mandalay, Myanmar.  (AFP or licensors)

 このように医療体制の崩壊に対処すべく全力を挙げているロイコー教区だが、シュエ神父は、先月末から急拡大している新型コロナ感染第3波の影響を強く懸念している。「重篤な感染者への酸素供給が大幅に不足しています。カヤー州全体で医療用酸素生産設備は1つしかありません」と窮状を訴え、 「感染の再拡大で、命を救う酸素の必要性は日々高まっています。カヤーの人々の命を救うために、酸素の生産施設と供給体制の拡大強化がどうしても必要。それなのに、担当の保健省は国軍の管轄下にあり、”救命酸素”の増産を計画していないのです」と嘆いた。

 ミャンマーの殉教者の日、19日に、ヤンゴン大司教のチャールズボー枢機卿は「人々は混雑した通りで、昼夜を問わず酸素を求めて、待っています」と訴えた。ミャンマーでは国軍クーデター以後の騒乱で感染状況の把握さえできなくなっているが、枢機卿は、国民の少なくとも2割、市街地の住民の9割が新型コロナに感染している、と推定する。 「それはまだ”黙示録”の世界にはなっていませんが、このまま騒乱が続けば、さらに数千人が今後数か月で埋葬されることになるでしょう」と警告し、国軍のすべての政党に、すべての暴力と戦闘を終わらせ、”共通の敵”である新型コロナとの戦いに力を合わせるよう呼びかた。

 このような危機的状況に対処するために、ロイコー教区管理者のバシュエ神父は、教区として重症患者を救うための酸素生産・供給施設を建設する委員会を結成、19万ドルの建設費の費用の一部を教区で負担することを決めた。地元関係者はもちろん、海外へも援助を求めるたい、としている。

 ミャンマーでは、ロイコー教区だけなく、多くの教区が、国軍クーデター後の騒乱と新型コロナ感染再拡大に苦しむ人々の支援に当たっている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年7月21日